
ハーレーダビッドソンは、中国市場向けに水冷並列2気筒エンジンを搭載したブランニューモデル「X350」を発表した。もし日本にも導入されれば、400ccのバイクまで運転できる“普通二輪免許”の対象になる。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ハーレーダビッドソン CHINA
かつてのXR1200がフレンドリーなデザインとサイズ感に!
ハーレーダビッドソンのブランニューモデルが海外に登場だ! このところ2輪市場が活気づいている中国において、ハーレーダビッドソンが1970年代初頭から40年以上にわたってフラットトラックレースで活躍してきたXR750をオマージュしたような「X350」が発表されたのだ。
ハーレーダビッドソンのフラットトラックレーサー×2車で、左は長年にわたって活躍したXR750、そして右は新世代水冷エンジン搭載のXG750Rだ。※写真はウィズハーレー提供
ハーレーのスポーツスターはフラットトラックレーサーの血筋を引いていることでも知られていて、2009年にはXR1200というモデルも発売している。新型「X350」は、そんな“XR”系と同じオレンジ×ブラックのカラーもラインナップしている。
ベースモデルは、イタリアンブランドで中国企業の傘下にあるベネリのストリートモデル「302S」のようで、フレームやエンジンの形状は日本でも販売されている250cc版の「TNT249S」にそっくりだ。
エンジンは、ハーレーダビッドソンとしては珍しい水冷の並列2気筒で最高出力36.7psを発揮。スチール製トレリスフレームやオフセットしたシングルショックなど、ベネリTNTベースならではのメカニズムを生かしている。にもかかわらずどこから見てもハーレーダビッドソンだ! と思わせるデザインの説得力はさすがのひとこと。『クラシカルデザインが街並みにフィットする』というコンセプトを体現し、ハーレー・ワールドへの入門バイクという位置づけを狙う。
エンジンはボア×ストローク比が70.5×45.2mmというショートストローク設定で、ヘッドはDOHC4バルブを採用。最高出力36.7psを発揮する。
灯火類はフルLED。φ41mm倒立フロントフォークを採用し、フロントブレーキにはウェーブタイプのダブルディスクを奢る。
当初は2020年末までに発売としていたがコロナ禍でこのタイミングに
ハーレーダビッドソンは、2019年6月にQianjiang Motorcycle Company Limited(銭江モーターサイクル)とのコラボレーションを発表。当初は2020年末までにより小さく手に入れやすいハーレーの新型モーターサイクルを中国市場に投入するとしていたが、2020年初頭からのCOVID-19騒動で発表時期がズレ込んだのは想像に難くない。
銭江モーターサイクルはイタリアのブランド“ベネリ”のバイクを生産、販売することでも知られ、欧州のモーターショーなどでも積極的にニューモデルを発表している中国最大級のバイクメーカーだ。
空冷OHV2バルブの45度V型2気筒エンジンを搭載したXR1200。発売は2009年だった。
HARLEY DAVIDSON X350[2023 China model]
HARLEY DAVIDSON X350[2023 China model]
車名 | X350 |
全長×全幅×全高 | 2110×──×──mm |
軸距 | 1410mm |
最低地上高 | 185mm |
シート高 | 817mm |
装備重量 | 195kg(乾燥重量180kg) |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 353cc |
内径×行程 | 70.5×45.2mm |
圧縮比 | 11.9:1 |
最高出力 | 36.7ps/──rpm |
最大トルク | 3.16kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 13.5L |
WMTCモード燃費 | 20.2km/L |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 160/60ZR17 |
ブレーキ前 | 油圧式ダブルディスク |
ブレーキ後 | 油圧式ディスク |
価格 | 未発表 |
発売時期 | 未発表 |
以下、カラーバリエーションは『ダージリンブラック』『ジョイフルオレンジ』『ブライトシルバー』の3色。













































※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
あなたにおすすめの関連記事
ハーレーダビッドソンは2019年8月19日、バイクの日に行われたハーレー2020年モデル発表会で「ローライダーS」の復活をアナウンス。この時、本誌では気になる世界戦略モデルについてH-Dジャパンのグレ[…]
【テスター:青木タカオ】米日独のツインエンジン搭載車を3台同時所有するなど2気筒モデルへの思い入れが強く、新旧クルーザーの試乗経験も豊富。ハーレー専門誌「ウィズハーレー」では編集長も務める。 ハーレー[…]
高回転までスムーズにトルクが盛り上がっていく ローライダーやファットボーイなど、いつの時代もハーレーの布陣はレジェンド揃いだが、中でもスポーツスターはラインナップに欠かせないモデルとして主軸を担ってき[…]
ボバーソロサドルほかスペシャルパーツを多数装備したファイナルモデル スポーツスターファミリーで最後の空冷モデルになると思しき「フォーティーエイトファイナルエディションン(FORTY-EIGHT™ FI[…]
専用のハリスフレームにボアアップしたチューンドエンジンを搭載 アメリカンフラットトラックレースのプロダクションツインクラスは、ヤマハ MT-07、KTM 890DUKE、ハーレーダビッドソン XG75[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
ホンダやヤマハなど国内車両メーカー用のパーツ、排気量問わずに原付からスーパースポーツ、さらにはレース関連をサポートするパーツを得意とするメーカー。今回X350用のパーツでハーレー市場に参入した。 ここ[…]
ゲイルスピード タイプE/N/R 鍛造アルミホイールメーカーとして名高いゲイルスピード。ストリートからレースシーンで活躍しているカスタムホイールだ。サイズはいずれも純正と同じF3.5-17/R5.5-[…]
欧州スタイルの正規販売店イベント 週末をハーレーダビッドソンディーラーで過ごし、ブランドの世界観の中で仲間たちと過ごす。ヨーロッパにて行われているH-D正規販売店の『HARLEY NIGHT(ハーレー[…]
クラウス:オーリンズ ツーリングモデル用フロントエンド クラウスとオーリンズとのパートナーシップにより実現した、ツーリングモデル専用設計のフロントエンド。アグレッシブな走りを支える高次元の路面追従性/[…]
空冷スポーツスター用カスタムパーツを世に送り出し続けているグリーミングワークス(大阪府)。一方で水冷スポーツスターSやナイトスター用パーツもラインナップし、自然な流れでX350用パーツの開発も手がける[…]
最新の関連記事(新型小型二輪 [251〜400cc])
平日も週末も楽しめる大排気量エンジンをラージボディに搭載するスタンダードなベスパ GTSシリーズは、ベスパならではのスチール製モノコックボディを、大排気量にふさわしい車格としたラージボディが特徴だ。こ[…]
カワサキも予想しなかったZEPHYRの大ヒット! 1989年、カワサキがリリースしたZEPHYR(ゼファー)は、レーサーレプリカ熱に辟易とした空気が漂いはじめたタイミングもあって、瞬く間に400ccク[…]
筑波サーキット向けにカスタム中 「X350ウィズハーレー編集部号」は、2024年12月現在、サーキット、とくに筑波サーキットでタイムを削るためのカスタムを進めている。過去、全日本選手権に出場し、筑波サ[…]
正面気味に見るとメタリックブルー、角度がつくとパープルに変化 大阪モーターサイクルショー開幕直前まで、立て続けにニューモデルを発表してきたヤマハは、その多くを大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーに[…]
ブランニュー色はライトグレーのボディにライトブルーのホイール ヤマハが「MT-25」「MT-03」の2025年モデルを発表。YZF-R25&R3と同様にシートまわり&テールカウルが変更されたほか、アシ[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキ株式会社は、2025年4月1日より、39年ぶりにコーポレートアイデンティティ(CI)とユニフォームを一新すると発表した。 ユニフォームのデザインは、1986年から使用しているブルゾン、パンツ、帽[…]
オークションで購入したシート、2~3cmの裂けたようなキズが… 筆者が某大手オークションサイトで購入した、純正コブラシート。「これでイメージチェンジするぞ! 」と思っていたのだが、購入前に気になってい[…]
セローを愛するユーザーたちへ 本イベントは、「とっておきの初心者用ゲームで、ライテク上達ポイントを手に入れて、10年後も20年後も、末永~く凛とした姿で走り続けよう!!」というメッセージを掲げ、セロー[…]
スーパーカブのオーナーズミーティング『カフェカブパーティー』の2025年の開催計画が発表された。カブファンの交流の場を提供し、健全なカスタム文化の醸成を目指す当イベント、まずは九州/北海道/関西の3大[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
- 1
- 2