絶対的安心感を得られる最終兵器!?

旧車メンテの救世主・絶対的安心感のICBMシリンダーに永久無償修理制度がスタート


●文/写真:モトメカニック編集部(たぐちかつみ) ●取材協力:井上ボーリング

2ストエンジンの救世主的な技術として注目され、現在では2スト/4ストを問わず”減らないシリンダー”の代名詞となりつつある、井上ボーリングのICBM®技術。同技術の提供から、はや5年半。気がつけば納品数は400を越え、しかも驚くべきは、ICBM®技術に関するクレームが1件も発生していないとのこと。

その技術的優位性を数多くのユーザーへ伝えるため、同社では「ICBM®永久無償修理制度」の展開を決定した。もちろん正常な使用範囲内に限るが、万が一、ICBM®シリンダーが摩耗を起こし使用限度を超えたとしても(それが何年後でも)、無償で再メッキ補修を行うというもの。

大型2ストモデルのカワサキH1/H2では、もはや圧倒的な普及数を誇り、4ストエンジンのカワサキZ2/Z1でもオーダー数を増やしている。もちろんこれらの特定人気モデルに限らず、ボアサイズでφ52〜91mmの範囲内であれば、2ストでも4ストでも、ICBM®シリンダーの製造は可能だ。最近では、冷却水が真っ赤にサビてしまうニンジャ900用のICBM®シリンダーが注目されている。

2ストロークのマルチエンジンは、クランクシャフト・センターシールを持つ構造だが、井上ボーリングでは標準オイルシールから金属製でしかも非接触の「ラビリンスシール」を採用し、文字通り”永遠に摩耗しないセンターシール”を実現。「LABYRI®」と命名されたこの技術は、ヤマハRZシリーズやNSR250Rシリーズの各年式に対応し、ICBM®技術とともに2ストロークエンジンの延命に大きく寄与する技術として確立されつつある。

そして’20年秋には、カワサキZ2/Z1用「EVERSLEEVE®」(特許出願中)が遂に発売された。仕上げのプラトーホーニングまで完成済みのスリーブキットなら、商品購入後、井上ボーリングに限らず全国の内燃機ショップで加工依頼することもできる。内燃機加工の将来を考えた同社の展開に注目しよう!

鋳鉄スリーブと比べて圧倒的に硬い特殊メッキ(NiSil-Ca系)を施したアルミシリンダーのICBM®。均一なメッキ処理後にダイヤモンド砥石でホーニングを実施。最終的には専用マテリアルのホーニング砥石で仕上げられる。

吸排気ポートの中央に”柱”を立てたアルミメッキシリンダーを採用することで、ピストンやピストンリングの異常摩耗を減らし、圧倒的な熱伝導性から放熱効果を高める”柱付き”ICBM®シリンダー。排気熱が集中する排気ポートへの柱追加にはリスクがあるが、バイクメーカーも認める特殊加工技術を持つ井上ボーリングならでは。

左は鋳鉄製の純正スリーブで、右はメッキ処理前のアルミスリーブ。それぞれを手に取れば、アルミスリーブの圧倒的な軽さに誰もが驚くはずだ。アルミ製スリーブは熱溜まりにならず、放熱性が確実に高まる。

カワサキZ2/Z1は、スリーブに問題が多い。完全冷間時でも簡単に抜けてしまうスリーブもある。当然、エンジン稼働時には熱膨張で回転している例もある。熱膨張がシリンダーブロックに近いICBM®アルミスリーブならまったく回ることなく安心だ。

Z2/Z1など、4ストローク用の「EVERSLEEVE®(特許出願中)」も市販開始。スリーブ単体で内径仕上げまで終えているため、全国の内燃機業者でシリンダーブロックへの挿入仕上げを依頼できるようになる。

旧車メンテの救世主・絶対的安心感のICBMシリンダーに永久無償修理制度がスタート
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【井上ボーリング代表取締役・井上壯太郎】’20年で創業67年になる老舗内燃機ショップ・井上ボーリングの2代目。バイクメーカーや自動車メーカーの純正補修部品を数多く製作担当してきた実績を持つ。様々な新技術やアイデアを駆使する同社のキャッチフレーズは、「エンジンで世界を笑顔に!」


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