林道とは自然を存分に楽しめるがゆえにその猛威の影響も大きく、走行の可不可は刻一刻と変わってゆく。『オフロードマシン ゴー・ライド』より、新米オフロード乗りからベテランまでフラッと気軽に楽しめるフラット林道として、関東屈指の長さをもつ御荷鉾(みかぼ)スーパー林道と、関わりのある林道の完全網羅を試みた(’20年7月3日走行)。その前編をお届けする。
巻頭特集「温泉・名水・美味いもの:オフロードマシンだから楽しめる! 林道秋旅」 日本の四季の中で、移ろうように訪れる秋。そんな秋には楽しみが盛りだくさん! 今回は"秋"をテーマに、オフロードマシンでい[…]
ビギナーも安心。御荷鉾スーパー林道を網羅する
東御荷鉾山/西御荷鉾山/オドケ山の3峰を主峰として、多くの峰を従える御荷鉾山連山の麓、群馬県藤岡市から南甘楽郡南牧村勧能までを繋ぐ延長67.1kmと関東屈指の長さを誇る「御荷鉾スーパー林道」(昭和58年開通)。現在は20km弱のダートを残すのみだが、未だに多くのオフ車乗りに愛されるプラチナルートである。その行程は基本フラット主体とはいえさまざまな表情を持ち、後半に向けては少しずつ難易度の高い路面状況も挟んでくるなど、楽しくクセになる特徴で溢れている。
これからオフロードデビューをする人や初級者ならば、まず間違いなく満足して楽しむことができる上、ちょっとしたスキルアップの場としても活用できるはずだ。一方で、走り慣れているベテランライダーや上級者だと物足りなさを感じる行程かもしれない。だが御荷鉾スーパー林道エリア内には、地図で見る限り何本もの林道や支線があり、実に制覇しがいがありそうなのだ。
そこで今回、この御荷鉾スーパー林道の全ルートの状況を余すところなく調査しつつ、より御荷鉾スーパー林道を楽しく走れるアプローチルートや、支線なども同時に探ってみることにした。自然を楽しめるがゆえに自然の脅威に晒されやすい林道。’19年の大きな台風により受けた、林道および周辺道路のダメージからの復旧具合も大いに気になるところだ(’20年7月3日時点)。
林道へ向かう前にチェックしよう
御荷鉾スーパー林道詳細マップ〈前編分#1/5〜#3/5〉
御荷鉾スーパー林道において、ダート区間が始まるみかぼ森林公園から手前を東ルート、先を西ルートと大きく分けると、東ルートは全面舗装路化されている。だが、この近辺には東ルートを走るなら併せて楽しみたい林道がいくつかあるので要チェックだ。また、舗装路とはいえ、緑の木々の中を気持ちよくワインディングを楽しみながら走れるので、みかぼ森林公園から始まるダートにショートカットでアプローチせずに、一度じっくり味わってみてほしい。
さらにこの舗装路区間には、御荷鉾林道開通記念碑や、ドドンとそびえ立つ鉾の石碑を見ることができる。これは東西2峰に分かれる御荷鉾山、そのひとつ西御荷鉾山にまつわる石碑で、江戸時代に麓の村で疫病が流行った時、御荷鉾の不動尊にご加護を祈ると病気は瞬く間に癒えたという言い伝えが残る。このそびえ立つ鉾の石像は御荷鉾不動尊の象徴なのだ。期せずして知り、疫病退散を心の底から願ったのは言うまでもない。
そしてみかぼ森林公園から始まる御荷鉾スーパー林道のダートパート。森林公園内はとても走りやすい砂利土のフラットダートが続くが、やはり去年の台風からの影響なのか、森林公園を抜けるとフラットながら少しずつ道が荒れはじめ、大きめの石やワダチや溝が点在しはじめる。また、大きい崩落があちこちで起きており、全面通行止めも目立った。
現在は舗装路メインとなっている御荷鉾林道の東側だが、木立に囲まれ陽当たりのいい舗装林道でちょっとしたワインディングを楽しめる。また、御荷鉾林道にアクセスできるフラット林道も点在するので要チェック! 西側はダートを多く残す、まさにスーパー林道♩
MAP#1/5
みかぼ森林公園までダートパートがないということで、道の駅上州おにしを出て国道462号を西へ走り、御荷鉾スーパー林道入口より2.7km手前にある林道栢ケ舞線入口からアプローチしてみた。入口付近には、この道を行けば御荷鉾スーパー林道に繋がると示すような、手書きの「←ミカボスーパー」なる文字が。そんな林道栢ケ舞線はなかなかボリュームと走り応えのある林道で、フラットながら湿った路面で何度か緊張するシーンもあった。
MAP#2/5
MAP#3/5
ゴーライド副編集長・コイが案内する御荷鉾スーパー林道完全網羅マップ、次ページ〈後編〉に続く。
●写真:関野温 ●文:小泉裕子(ゴー・ライド副編集長) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
カッパ モノロックシリーズ:汎用性のある装着方法で積載性を高める収納ケース カッパ モノロックシリーズ「K39」は、39Lの容量にもかかわらず2.7kg(ベース含む)。持っただけでもその軽さを実感でき[…]
スマホアプリ経由でユーザー間の交流機能が充実! 「ライダース・スクエア」は、ツーリング時に走行した"ルート"と、撮影した"写真"を記録できる、ログ機能を備えたスマホアプリだ。 アプリを起動し"スタート[…]
ツーリングをさらに楽しむための新たな提案 キジマが手がけた「CT125ハンターカブ ツーリングスタイル」は、すでに販売されているパーツも含めた組み合わせで、街乗りからロングツーリングまで、幅広いシーン[…]
「モトサロン」は、スーパースポーツをメインとしたカスタムや、海外のバーツブランドを数多く取り扱っているショップとして、とくにロード系ライダーに知られている。しかし、スタッフにはオフロード好きが多いこと[…]
小さいけれどビンビンに元気だった黄色ナンバー排気量の思い出 ホンダ CRM80ヤマハ TDR80ホンダ XLR80Rカワサキ KSR-Ⅱホンダ EZ-9 車体が同じサイズでも、原付一種よりも交通法規的[…]
最新の記事
- 「待ってた!」モーターサイクル史上初のストロングハイブリッド カワサキ「Ninja 7 Hybrid」「Z7 Hybrid」の発売日が2月15日に決定!
- 「ブラックマークがリアル」SHOEIの新グラフィックモデル『Z-8 KNEE DOWN』が登場
- [2024冬版] いま売れ筋のバイクシューズTOP5【大型販売店で聞いてみた】1位はアヴィレックスのスニーカータイプ
- 世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.132「タイム差が縮まるほどに、0.1秒の違いがとてつもない重みになる」
- 【2024年12月版】20万円台! コスパで選ぶ 国内メーカー原付二種スクーター5選!
- 1
- 2