林道とは自然を存分に楽しめるがゆえにその猛威の影響も大きく、走行の可不可は刻一刻と変わってゆく。『オフロードマシン ゴー・ライド』より、新米オフロード乗りからベテランまでフラッと気軽に楽しめるフラット林道として、関東屈指の長さをもつ御荷鉾(みかぼ)スーパー林道と、関わりのある林道の完全網羅を試みた(’20年7月3日走行)。その前編をお届けする。
『オフロードマシン ゴー・ライド』’20年11月号(Vol.8)が全国書店にて10月6日に発売! 巻頭特集は「温泉・名水・美味いもの オフロードマシンだから楽しめる! 林道秋旅」。腰をサポ[…]
ビギナーも安心。御荷鉾スーパー林道を網羅する
東御荷鉾山/西御荷鉾山/オドケ山の3峰を主峰として、多くの峰を従える御荷鉾山連山の麓、群馬県藤岡市から南甘楽郡南牧村勧能までを繋ぐ延長67.1kmと関東屈指の長さを誇る「御荷鉾スーパー林道」(昭和58年開通)。現在は20km弱のダートを残すのみだが、未だに多くのオフ車乗りに愛されるプラチナルートである。その行程は基本フラット主体とはいえさまざまな表情を持ち、後半に向けては少しずつ難易度の高い路面状況も挟んでくるなど、楽しくクセになる特徴で溢れている。
これからオフロードデビューをする人や初級者ならば、まず間違いなく満足して楽しむことができる上、ちょっとしたスキルアップの場としても活用できるはずだ。一方で、走り慣れているベテランライダーや上級者だと物足りなさを感じる行程かもしれない。だが御荷鉾スーパー林道エリア内には、地図で見る限り何本もの林道や支線があり、実に制覇しがいがありそうなのだ。
そこで今回、この御荷鉾スーパー林道の全ルートの状況を余すところなく調査しつつ、より御荷鉾スーパー林道を楽しく走れるアプローチルートや、支線なども同時に探ってみることにした。自然を楽しめるがゆえに自然の脅威に晒されやすい林道。’19年の大きな台風により受けた、林道および周辺道路のダメージからの復旧具合も大いに気になるところだ(’20年7月3日時点)。
林道へ向かう前にチェックしよう
[左]【飲料水は命綱!多めに確保】ガソリンと同じで、林道内での脱水を避けるためにも入山前に水分をしっかり確保しよう。町に近い林道であったとしても、中に入ってから何が起こるかは誰にもわからない。最低1Lは所持しておきたい。 [右]【ガソリンはしっかり満タンに】どの林道でも言えることだが、林道内でのガス欠を避けるためにも、入山前にガソリンは満タンにしよう。とくに御荷鉾林道は距離が長く、現在は崩落などで通行止めも多数発生しているので、万全で臨みたい。 [写真タップで拡大]
[左]【林道内は野営&たき火禁止!】気持ちのいいフラット林道が続く御荷鉾スーパー林道内には、みかぼ森林公園等、ちょっとした東屋や雰囲気のいい広場など思わずテン場にしたくなる場所が多くある。だが野営は禁止なので、注意しよう。 [右]【体調変化には柔軟に対応】林道走行中は、気づかぬうちに熱中症になる可能性がグンと上がる。大量の発汗やノドの乾き、筋肉痛は熱中症1度の症状でもある。休憩は涼しい日陰を選び、水分を取って横になるなどして身体を休めよう。 [写真タップで拡大]
御荷鉾スーパー林道詳細マップ〈前編分#1/5〜#3/5〉

〈MAP#1/5〉御荷鉾スーパー林道の入り口は地図中央部分にある。今回は【1】から林道栢ヶ舞線へ入り、【4】の分岐路を左折。【5】から御荷鉾スーパー林道へと合流するルートをとることにした。 [写真タップで拡大]
御荷鉾スーパー林道において、ダート区間が始まるみかぼ森林公園から手前を東ルート、先を西ルートと大きく分けると、東ルートは全面舗装路化されている。だが、この近辺には東ルートを走るなら併せて楽しみたい林道がいくつかあるので要チェックだ。また、舗装路とはいえ、緑の木々の中を気持ちよくワインディングを楽しみながら走れるので、みかぼ森林公園から始まるダートにショートカットでアプローチせずに、一度じっくり味わってみてほしい。
さらにこの舗装路区間には、御荷鉾林道開通記念碑や、ドドンとそびえ立つ鉾の石碑を見ることができる。これは東西2峰に分かれる御荷鉾山、そのひとつ西御荷鉾山にまつわる石碑で、江戸時代に麓の村で疫病が流行った時、御荷鉾の不動尊にご加護を祈ると病気は瞬く間に癒えたという言い伝えが残る。このそびえ立つ鉾の石像は御荷鉾不動尊の象徴なのだ。期せずして知り、疫病退散を心の底から願ったのは言うまでもない。
そしてみかぼ森林公園から始まる御荷鉾スーパー林道のダートパート。森林公園内はとても走りやすい砂利土のフラットダートが続くが、やはり去年の台風からの影響なのか、森林公園を抜けるとフラットながら少しずつ道が荒れはじめ、大きめの石やワダチや溝が点在しはじめる。また、大きい崩落があちこちで起きており、全面通行止めも目立った。
現在は舗装路メインとなっている御荷鉾林道の東側だが、木立に囲まれ陽当たりのいい舗装林道でちょっとしたワインディングを楽しめる。また、御荷鉾林道にアクセスできるフラット林道も点在するので要チェック! 西側はダートを多く残す、まさにスーパー林道♩
MAP#1/5
みかぼ森林公園までダートパートがないということで、道の駅上州おにしを出て国道462号を西へ走り、御荷鉾スーパー林道入口より2.7km手前にある林道栢ケ舞線入口からアプローチしてみた。入口付近には、この道を行けば御荷鉾スーパー林道に繋がると示すような、手書きの「←ミカボスーパー」なる文字が。そんな林道栢ケ舞線はなかなかボリュームと走り応えのある林道で、フラットながら湿った路面で何度か緊張するシーンもあった。
MAP#2/5
【7】(左)最初の地図にある【1】の地点から9kmで法久(ほっく)峠。この法久峠の分岐を直進。左は完全舗装林道の林道茶堂線。(右)法久峠地蔵が祀られており、休憩ができるテーブルとベンチが設置されている。ナム〜。 [写真タップで拡大]
MAP#3/5
【13】(左)【7】から11kmに、入口付近から一気に下っている看板のない支線発見! 急激な下りで怖い。(右)高低差はあるけど1〜2kmほど雰囲気のいいフラットダートが続き、行き止まり。 [写真タップで拡大]
ゴーライド副編集長・コイが案内する御荷鉾スーパー林道完全網羅マップ、次ページ〈後編〉に続く。
●写真:関野温 ●文:小泉裕子(ゴー・ライド副編集長)
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