Ninja ZX-25Rは4気筒エンジンだけじゃない。新設計のトレリスフレームやクラス初採用のホリゾンタルバックリンク式リヤサスペンション、SHOWA製SFF-BPφ37mm倒立フォーク、ラジアルマウント式モノブロックキャリパーといった装備を誇り、これをZX-10RRの設計思想に基づいたディメンションに配置しているのだ。
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車種別アーカイブ:カワサキ ニンジャZX-25R
重心位置やエンジン軸位置、キャスター角などはチャンピオンマシンが手本
パワーに勝るはずのドゥカティ・パニガーレV4Rの進撃を阻み、優れたシャーシ技術でタイトルを守ったニンジャZX-10RRレーサーは、2016年型から熟成を重ねてきたうえで2015年から5連覇を成し遂げている。絶対王者ジョナサン・レイ選手に鈴鹿8耐の優勝をももたらしたチャンピオンマシンの設計思想は、スチールトレリスフレームのニンジャZX-25Rにとっても良い手本となっている。
具体的には、重心位置、スイングアームピボットの位置、エンジン軸の位置、キャスター角といった車体の主要寸法についてチャンピオンマシンの設計思想にインスパイアされたものに。高張力鋼製軽量トレリスフレームは、異なる径と厚さのパイプにモナカ形状のスイングアームピボットセクションを組み合わせて構成し、高張力鋼管のロングタイプスイングアームは湾曲形状の、いわゆるガルアームタイプを採用。マフラーの搭載スペースを車体重心に近づけることを可能としている。
リヤサスペンションはクラス初となるホリゾンタルバックリンク式を採用。高負荷時の作動特性に定評がある方式で、エンジンやエキゾーストによる熱害を最小限に抑え、安定した減衰特性を発揮する。プリロードアジャスターの装備も嬉しい。
フロントフォークにはSFF-BP(セパレートファンクションフロントフォーク-ビッグピストン)をクラス初採用。φ37mmの倒立タイプで、ストローク初期のスムーズな作動特性が持ち味だ。その名の由来でもある大径ピストンにより、減衰力を確保しながら減衰圧力を低減し、特に圧縮側=ブレーキング時の初期にコントロール性を高めている。これにより、コーナー進入時のシャーシの安定性が向上した。
また、ラジアルマウントモノブロックキャリパーとφ310mmセミフローティングディスクを組み合わせたフロントブレーキにより、強力なストッピングパワーとコントロール性を両立。かつてのZXR250のようなダブルディスクではないが、現代のブレーキシステムであれば十分な制動力があり、かつバネ下重量の低減が見込めることから、こうした構成になった。対向4ピストンのキャリパーは、上側にφ32mm、下側にφ30mmの異径ピストンを備えている。リヤブレーキはφ220mmディスクにシングルポットキャリパーを組み合わせる。STD、SEともにABSは標準装備だ。
前後の5本スポークホイールに装着される軽量ラジアルタイヤは、ダンロップGPR300。リヤはニンジャ400と同サイズの150/60R17を履きこなす。これは堂々のルックスだけでなく、フルパワー50ps(インドネシア仕様)に対応するために必要な装備といえよう。
ライディングポジションの項(関連記事参照)でも触れたが、こうした装備を誇りつつもサーキットオンリーではなく、ツーリングや街乗りでの扱いやすさもしっかりと考慮しているのがカワサキの伝統だ。誰もが、どんなシチュエーションでも、4気筒250ccを心ゆくまで楽しむことができるように。そして扱いやすさと速さは反比例するものではないと証明するかのように、新しいニンジャZX-25Rは全てをまとめ上げたバランスの上に成り立っている。
高張力鋼管のトレリスフレームに最新のサスペンションと強力ブレーキシステム
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