小林直樹師範が徹底テスト

オフロードマシン テイスティング:’20アフリカツイン AS ES DCT〈後編〉

市街地、高速道路、ワインディング、林道のさまざまな路面を走破し、日常に近い乗り方から、そのマシンの限界性能までをテストライダー・小林直樹師範が徹底テスト。今回はフルモデルチェンジしたアフリカツイン・アドベンチャースポーツに乗った。その後編をお届けする。


●写真:長谷川徹 ●文:小川浩康 ●テストライド:小林直樹 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

エンジン特性と連動してサスセッティングが変わるESは、オンロードとオフロードの両方で快適な走りを実現させるために開発された、というのがさまざまな道を走破して充分に体感できた。とくにDCTとトラクションコントロールの制御はIAライダーが行なっているようなスムーズさになっている。それがオフロードでも、大きな車体を軽快にコントロールさせてくれるから、操る楽しさを感じられるんだ。

そんなオフロード走破性と高速巡航性能のバランスのよさが、フルモデルチェンジでさらに洗練された。オプションのパニアケースに荷物を満載して高速道路を一気に移動。キャンプ場をベースにして林道探索をする。ESなら、そうした行動範囲を広げてくれる。

【Honda CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission】主要諸元 ■全長2310 全幅960 全高1520 軸距1560 シート高810/830(各mm) 車重250kg(装備) ■水冷4ストローク2気筒OHC4バルブ 1082cc 102ps/7500rpm 10.7kg-m/6250rpm 変速機6段 燃料タンク容量24L ■タイヤサイズF=90/90-21M/C 54H R=150/70R18M/C 70H ●価格:205万7000円 ※シート高は調節可能

アフリカツインはシートの差し替えでシート高を20mm下げられるが、写真はノーマルの状態でシート高は830mm。直樹師範の身長は170cmで、カカトが浮く程度。ハンドルも遠すぎず、近すぎず、平均的な日本人体型でも自然なライディングポジションが決まりやすい。スタンディングもしやすく、オフロードでのバランス修正もやりやすい。

直樹師範が気に入った点は、「足着き性でも述べたけれど、自然なライディングポジションが決まるところ。ニーグリップ部分がえぐられていてガニ股にならず、それも車体幅をスリムに感じさせてくれる」という。それと、直樹師範はサスストロークが短い「日本仕様でも林道ツーリングでは不満はない」とのこと。

工具を使わずに5段階で調整できるスクリーン。「林道では歪みが気になったけれど、それ以外では防風性の高さがありがたかった。走行風が身体に当たらないから疲れにくく、寒さも和らげてくれる」

「周辺の明るさに合わせて輝度が変わる液晶パネル。常に視認性がいいので、安全性も高めてくれる。Apple Car Playに対応するなど拡張性の高さもいい」と言う。

懐の広さを感じさせてくれるアドベンチャーマシンだ。

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