ツインショック車でスポーツライディングを楽しむライダーに向けて開発された、ハイパープロの最上級仕様リヤショック「ツインショックDP-S」。ダブルピストンによって緻密なダンパー制御を行うという独創的な機構がもたらす乗り味について、試乗インプレッションをお届けする。
●文:中村友彦 ●写真:山下博央 ●取材協力:アクティブ ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[○]信頼感に貢献する上質かつ従順な特性
「超本気にして究極のツインショック」 ハイパープロの新作「ツインショック DP-S」の構造を理解したうえで、その乗り味を体感したら誰もがそう感じるのではないだろうか。
このモデルの最大の特徴は、過去に例がない独創的な機構として、本体とリザーバータンクの間に、コンプレッション用サブピストン+積層バルブ(=シム)を設置したことだが、伸び行程のみで開くワンウェイバルブを備え、同社初のアルミ製シリンダーチューブを採用したことも特筆すべき要素。ではそんなDP-Sが、どんな乗り味を見せてくれたのかと言うと……。
低速域から高速域まで、ダンパーの利き方が高いレベルで従順かつ上質で、誤解を恐れずに言うなら、現代の高性能リンク式モノショックを思わせる感触があった。もっとも、今回の試乗車はフルカスタム仕様のカワサキ ZRX1200ダエグで、テストの舞台はサーキットだったので、ノーマル+ストリートでは印象が変わるかもしれないが、既存のハイパープロの調整幅の広さや、調整後の変化がわかりやすさを考えれば、どんな仕様や状況でも、DP-Sの美点は感じられるはずだ。
[△]標準仕様のままだとカスタム感は希薄かも
黒が基調となる標準色だとカスタム感はやや希薄。ただしイージーオーダー&オプションで各部のカラーは変更できる。なお革新的な構造を考えれば当然だが、価格は既存の同社製ツインショックより高価な設定だ。
[こんな人におすすめ]ハイパープロのスポーツ性をさらに強化
最先端技術を導入したDP-Sは、ツインショック車でスポーツライディングを満喫したいライダーに最適。街乗りやツーリングでも美点は体感できるけれど、この製品の真価が堪能できるのは、やっぱりワインディングやサーキットだろう。
〈技術資料〉先端メカをフル投入した最上級仕様
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