最先端技術をフル投入した本気の新作
ダブルピストン機構搭載「ツインショック DP-S」試用インプレッション
- 2020/3/23
ツインショック車でスポーツライディングを楽しむライダーに向けて開発された、ハイパープロの最上級仕様リヤショック「ツインショックDP-S」。ダブルピストンによって緻密なダンパー制御を行うという独創的な機構がもたらす乗り味について、試乗インプレッションをお届けする。
●文:中村友彦 ●写真:山下博央 ●取材協力:アクティブ
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[○]信頼感に貢献する上質かつ従順な特性
「超本気にして究極のツインショック」 ハイパープロの新作「ツインショック DP-S」の構造を理解したうえで、その乗り味を体感したら誰もがそう感じるのではないだろうか。
このモデルの最大の特徴は、過去に例がない独創的な機構として、本体とリザーバータンクの間に、コンプレッション用サブピストン+積層バルブ(=シム)を設置したことだが、伸び行程のみで開くワンウェイバルブを備え、同社初のアルミ製シリンダーチューブを採用したことも特筆すべき要素。ではそんなDP-Sが、どんな乗り味を見せてくれたのかと言うと……。
低速域から高速域まで、ダンパーの利き方が高いレベルで従順かつ上質で、誤解を恐れずに言うなら、現代の高性能リンク式モノショックを思わせる感触があった。もっとも、今回の試乗車はフルカスタム仕様のカワサキ ZRX1200ダエグで、テストの舞台はサーキットだったので、ノーマル+ストリートでは印象が変わるかもしれないが、既存のハイパープロの調整幅の広さや、調整後の変化がわかりやすさを考えれば、どんな仕様や状況でも、DP-Sの美点は感じられるはずだ。
[△]標準仕様のままだとカスタム感は希薄かも
黒が基調となる標準色だとカスタム感はやや希薄。ただしイージーオーダー&オプションで各部のカラーは変更できる。なお革新的な構造を考えれば当然だが、価格は既存の同社製ツインショックより高価な設定だ。
[こんな人におすすめ]ハイパープロのスポーツ性をさらに強化
最先端技術を導入したDP-Sは、ツインショック車でスポーツライディングを満喫したいライダーに最適。街乗りやツーリングでも美点は体感できるけれど、この製品の真価が堪能できるのは、やっぱりワインディングやサーキットだろう。