ZXR250やバリオスIIも展示

【音響映像】ニンジャZX-25Rの突き抜ける超高回転サウンド! エンジンも初お披露目

2月24日まで神戸海洋博物館内で開催されたカワサキモーターサイクルフェア2020「The Four.」にて、250cc4気筒の復活を遂げる「Ninja ZX-25R」のエンジンがサウンド付きで展示された。公式情報の追加はないが、音響展示の模様やエンジン外観から想定できる仕様などを解説する。

東京モーターショーで発表されて以来、話題沸騰のニンジャZX-25Rは、神戸海洋博物館内のカワサキワールドなどでも実車を展示してきたが、2020年2月11日~24日に開催されたカワサキモーターサイクルフェア2020「The Four.」にて、ついにエンジンの姿をお披露目。高回転域のハイパワーは歴代250cc4気筒で最強、さらに低回転域のトルクもしっかり持たせているというから興味深い。まずは実車とともに公開されていた音響展示の様子を映像でご覧いただきたい。

ドップラー効果とともに脳天に突き抜けるような超高回転サウンドが印象的だが、注目したいのは高回転域からの超スムーズなシフトダウンだ。かなりの手練れが実演している可能性もなくはないが、KQS(カワサキクイックシフター)の装備が予告されていることから、シフターのデモンストレーションと見るのが妥当。だとすれば、高回転をキープしながらブレーキングに集中、倒し込みで鋭い旋回性を引き出す……といったマニアックな楽しみ方も比較的容易にできそうだ。

そんな走りを600ccや1000ccのスーパースポーツでしようとすれば、かなりの大型サーキットに持ち込む必要があり、ライダーに求めるスキルもコストも半端では済まない。でもニンジャZX-25Rなら、手に余らない速度域で最高のスポーツ性を楽しめるはずだ。ヤンマシ予想では46ps/15000rpmあたりが濃厚と見ているが、いかに?

良心的価格が期待できる250cc並列4気筒エンジン

ここからはエンジンの外観から推測できる開発コンセプトを紐解いてみたい。すぐに目につくのは、元々がコンパクトな250ccエンジンゆえに主要3軸を三角形ではなく直列配置としていること。それでもエンジンの前後長は十分に短い。また、上下クランクケースの合わせ面の締結ボルトが多いことにも注目。かなりの剛性を持たせているように感じられる。

シリンダーは地肌の色がヘッドやケースと異なるが詳細は不明。ショートストロークゆえに極端に短い上下幅なのが印象的だ。

サイドカムチェーンは右側に配置。背面にはカムチェーンテンショナー、ウォータ―ホースの出入り口、スターターモーターなどが見える。ウォーターポンプと発電コイルは左側。オイルパンは先端が尖っており、前後左右に立体的に動くライディングの中でも安定してオイルポンプが吸い上げられるようになっている。

ヘッドまわりでは、コンデンサー内蔵のプラグキャップが往年の4気筒からは隔世の感。排ガスクリーン化のための2次エアシステムには何かしらの流通制御が入っているようで、環境性能とパフォーマンスの両立に貢献しそうだ。

現代的な設計としながらも車両価格を見据えたコンポーネントのチョイスなど、カワサキの野心と良心が同居したような4気筒エンジンであることがわかった。あとはさまざまなアングルの写真を眺めて、想像をふくらませてほしい。早く乗りたーい!

ヤングマシン5月号では、プロのエンジニアがさらに深堀り解説します。お楽しみに!

大先輩、ZXR250&バリオスIIの御姿!

同じくカワサキモーターサイクルフェア2020では、1990年代を中心に一世を風靡したニーゴー4気筒、ZXR250およびバリオスII(ツインショックになった2代目)も展示。バリオスIIのエンジンを最新Ninja ZX-25Rの4気筒エンジンを見比べてみてもらいたい。

バリオスII(左)/ZXR250(右)

バリオスIIの4気筒エンジン。40ps/14000rpmだった。ちなみにZXR250(初代)は45ps/15000rpmだ。

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