カワサキの新世代“Z”を代表する「Z H2」は、ご存じの通りスーパーチャージャー付きの998cc並列4気筒を搭載するネイキッドバイク。これにトレリスフレームや最新の電子制御を組み合わせ、カワサキの美学で包み込んだ時……いったい何が起こるのだろうか。ラスベガスで行われた国際試乗会の模様を、スペインメディアのソロモトがレポートをお届けする。
●文:SOLOMOTO ●写真:KAWASAKI ●翻訳:編集部 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
カワサキZ H2は最上級のスーパーネイキッド、まさしくZの女王
今日が初めてのZ H2との出会いとなる我々のために、カワサキのスタッフたちはZ H2の可能性を十分に理解できるよう、3つの異なるシーンを用意してくれた。まず最初は、ラスベガスモータースピードウェイだ。
このコースは今日の機会のために設定された、異なる特性の12のカーブを持つ全長3.9kmのサーキット。一般的なロードトリップ(公道ツーリング的な走り)を想定したコース設定とされ、敏捷性やパワー特性、ブレーキング、その他のダイナミックな操縦安定性をテストできるようになっている。
このネイキッドの女王がサーキットを攻め立てるよう想定してつくられたバイクではないことには、けっして忘れてはならない。……いや、我々はすぐにそれを忘れた。
最初の走行ラウンドで、我々は、まるで時差ボケのせいで明日などないと錯覚したかのようにスロットルを絞り上げた。そしてZ H2は期待を超えた安定性を見せつけたのだ。
エンジンは素晴らしく官能的だった。サウンドが意外なほど静かなこともあって、リリーフバルブの音はいつでも耳元をくすぐるように届いてくる。スーパーチャージャーで過給された中速域のレスポンスはセンセーショナルと言っていい。1速で加速していくときの吹け上がりの最後のパンチは、フロントタイヤを路面に触れさせておくのに苦労するほどだった。
ライディングモードは4つ(スポーツ、ロード、レイン、ユーザー)あり、もっとも激しいスポーツモードであってもライダーに200psを楽しむことを許容してくれる。常に適切にコントロールされているからだ。
シャーシに話題を移そう。スチール製のチューブラートレリスフレームと両持ちスイングアーム(ほかのH2シリーズは片持ちだ)は十分な剛性を提供し、このパワフルなバイクに拍車をかけた際にも不必要に捩れてしまうことはない。サスペンションも十分に役割を果たしている。SHOWA製ビッグピストン倒立フォークはZ H2に間違いなく相応しいが、リヤのSHOWA製ショックも公正に見てちょうどいい。公道では少々ハードに感じたが、フルアジャスタブルのこのサスペンションならば調整するのに時間はいらないだろう。
ブレーキは適切に調整されたABSとともに完璧に働き、制動力も強力だ。ただし、車重は239kgあるので、カワサキのニンジャZX-10Rのように鋭く減速して曲がることについては、求めるのはお門違いというものだ。
ラスベガスへGO!
あなたにおすすめの関連記事
過激ストリートファイターとして人気を博しているZシリーズ。頂点のZ1000を超える存在として、スーパーチャージャーを搭載した「Z H2」が'20年に投入される。カワサキ開発関係者によれば、ネイキッドと[…]
2018年末~2019年初が受注期間限定で発売されたNinja H2 CARBONだが、2020年モデルは通常ラインナップとして2020年4月1日に発売される。諸元や税抜き価格に変更はないが、欲しくて[…]
現在開催中のEICMA 2019(ミラノショー)にて、カワサキのサポートにより歴史あるイタリア高級二輪車ブランド・bimota(ビモータ)が再生されるとの発表がなされ、世界中のバイクファンを大いに驚か[…]
カワサキモーターインドネシアがSNSで写真を公開した。そこには4気筒250ccエンジン搭載のNinja ZX-25Rと、単気筒のNinja 250SLが向い合わせとなった状態で写っている。これが示唆す[…]
市場初のスーパーチャージド・ネイキッドであるZ H2、現在唯一となる250cc並列4気筒のNinja ZX-25R、人気ネオクラ無印W800の復活、そして既存モデルのブラッシュアップ等、2019年のバ[…]