
ゲレンデヴァーゲンの6輪車には誰もが驚きを隠せなかったはず。フルモデルチェンジ前のテコ入れかと思いきや、延長フレームの新造や全輪ポータルアクセル化など、ガチな作りにメルセデス・ベンツの本気度を見せつけられたものです。が、さらに上をいったのがブラバスでした。G700の車名どおりツインターボ装着で700馬力を達成し、世界のビリオネアたちが大絶賛。まさに、オブシディアンブラックの大魔神と呼ぶにふさわしいマシンをご紹介しましょう。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotheby’s
全長は1m延長、全高は2m超え
初代Gクラスの生産終了が近近づいた2013年、メルセデス・ベンツはG 63 AMG 6×6という極端なアプローチを発表しました。
ピックアップトラック型ベッドを備えたプラットフォームに、追加の駆動輪を追加するための延長フレームをわざわざ新造しています。
これで全長はほぼ1m延長され、後部4輪を実現。しかも、6輪すべてをポータルアクセルとすることで、全高も2mを大きく超えるものに。
ちなみに、ポータルアクセルとは車軸の位置をホイールの中心よりも高い位置にオフセットさせ、高い位置にあるドライブシャフトの回転を低い位置にあるホイールに伝える仕組み。ハブリダクションとも呼ばれ、車体全体の車高を上げることなく障害物を乗り越えやすくするほか、ハブ内のギヤで減速を行うため、駆動トルクを大幅に高めるといったメリットがあります。
生産台数は100台ほどだったようですが、このうち数台がリッチな顧客によってブラバスのファクトリーに直行。カスタムされたゲレンデはおもに中東での人気が高く、砂に覆われた道なき道をぶっ飛ばすのに6×6、しかもハイパワーなG700はベストマッチに違いありません。
ブラバスは中東にリエゾンオフィスを構ており、彼らの好みを熟知しているので、カスタマイズもスムーズだったに違いありません。
2013年に発売されたメルセデス・ベンツG 63 AMG 6x6sをベースに、ブラバスがカスタムしたG700 6x6s。
巨体ながら0-100km/h加速4.4秒の俊足
ブラバスによれば、Power Xtra B40-700パフォーマンスキットと呼ばれるシステムが組まれ、ECUの駆動補助モジュールをアップグレードしたとのこと。
その結果、ツインターボチャージャー付き5.5リッターV8はノーマルモデルから115馬力のエクストラを得て、700馬力の出力を発揮するに至りました。同様に、トルクも850Nmから950Nmへと向上し、AMG 7GトロニックATを介して0-100km/h加速4.4秒というパフォーマンスを得ることに。
なお、最高速は18インチのオフロードタイヤということもあり、160km/hに制限されているとのこと。それでも、この巨体にとっては十分すぎるスピードですけどね。
また、メルセデス・ベンツのスタイリングをカスタムさせたら、ブラバスの右に出るものはいません。フロントバンパー、サイドステップ、カーボンファイバー製エンジンカバー、ルーフのLEDなど、オブシディアンブラックでまとめられ、一種異様な存在感を醸しています。
もちろん、インテリアはリッチ&ゴージャスな仕上がりで、ブラックのキルティングレザー、赤いステッチにブラバスのロゴと、いかにもビリオネア好みのコーディネート。
さらに、リアエンターテインメントスクリーン、ハーマン・カードン・サラウンドサウンドシステム、リアビューカメラ、前後シートヒーターなど、付いていないものを探すほうが難しそうなほど。
5.5リッターV8ツインターボは700馬力/950Nmまでチューンされ、0-100km/h:4.4秒という超速な巨体に仕立て上げられました。
走れる場所を確保してから手に入れるべき?!
前述の通り、メルセデス・ベンツは100台ほど出荷、そしてブラバスは数台を製作しているものの、なかなかのレアモデルには違いありません。
が、走行距離わずか6459kmという高コンディションなサンプルがオークションに出品されています。指値は70~80万ドル(約1億~1億2500万円)と、国内でノーマルのG 63 AMG 6x6sがおよそ8000万円だったことを考えると、ブラバスのコンプリートカーが高すぎるようには思えません。
とはいえ、日本の場合は迂闊に手を出すと「走れる場所がない」となりかねませんので、購入はくれぐれも慎重に(笑)。
ピックアップのベッドもリッチなウッド張りで、中東のオイルダラーの好みを知り尽くしたブラバスらしいカスタムです。
こちらはエンブレム。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(自動車/クルマ)
レース出場を目的とした特別なモデル「メルセデスベンツSSK」 SSK、すなわちドイツ語:のSupersport Kurzの略でスーパースポーツよりもホイールベースが短いことを表しています。1928年か[…]
満を持してのコンパクトマシン投入 英国フォードがシエラRSコスワースや、サファイヤ・コスワースといった名車の後継モデルとして開発したのがエスコートRSコスワース。1992年、5代目エスコートをベースと[…]
WITH HARLEYブースも出展 毎年開催されている、当社(内外出版社)主催の空冷フォルクスワーゲン(以下VW)イベントですが、今年は会場内にWITH HARLEYブースが出展! ハーレーの展示はも[…]
排気量拡大路線から4バルブヘッド開発へ 1980年代の後半はAMGにとって重要な分岐点だった気がします。もともと、彼らはメルセデスベンツが作ったエンジンをボアアップ、強固な足回りへと改造することに終始[…]
ワゴンRはイギリスでもバカ売れだった その名もずばりアルケミスト(Alchemist=錬金術師)」と名付けられたカスタムカーは、1998年式のスズキ・ワゴンR。ご存じの通り、スズキが誇る歴史的ヒットモ[…]
最新の関連記事(PICKUP情報)
排気量拡大路線から4バルブヘッド開発へ 1980年代の後半はAMGにとって重要な分岐点だった気がします。もともと、彼らはメルセデスベンツが作ったエンジンをボアアップ、強固な足回りへと改造することに終始[…]
【おさらい】ライダーが「吉方位」を気にするべき理由 「吉方位」とは、「その方角へ向かうことで良いエネルギーを吸収し、自分自身のパワーをフルチャージできる場所」のこと。 適切なタイミングで吉方位へ走り、[…]
先代のヨーロッパとは似て非なる生い立ち ロータス・エスプリは言うまでもなく名作「ヨーロッパ」の後継モデルとして、1976年に発売されました。ロータス創設者のコーリン・チャップマンは、新時代のスーパーカ[…]
365GTB/4 デイトナ:275GTB/4を引き継ぎつつ大幅にアップデート 1968年のパリ・モーターショーでデビューした365GTB/4は、それまでのフラッグシップモデル、275GTB/4を引き継[…]
シトロエンが欲しがったミウラの対抗馬 1966年のジュネーブ・モーターショーで発表されたランボルギーニ・ミウラは世界中に衝撃を与えたこと間違いありません。当時、マセラティを所有していたシトロエンも同様[…]
人気記事ランキング(全体)
普通の移動手段では満たされないあなたへ 通勤や週末のちょっとした移動。便利さばかりを追い求めた結果、街には同じようなプラスチックボディのスクーターが溢れ返っている。「もっと自分らしく、乗ること自体に興[…]
免許返納後の「買い物の足」問題、もう悩まなくていい 高齢の親を持つ世代にとって、運転免許の自主返納は避けて通れない悩ましい問題だ。車さえあれば遠くのスーパーにも行けるし、特売日でまとめ買いをしても楽に[…]
原付二種の手軽さと、高速道路を走れる自由を両立 近年、125ccクラスの手軽なバイクが大流行している。軽い車体で街中をスイスイ走れるのは魅力的だが、唯一の弱点が「高速道路に乗れない」ことだ。ツーリング[…]
ホンダの“R”だ! 可変バルブだ‼ 1980年代に入ると、市販車400ccをベースにしたTT-F3やSS400といった敷居の低いプロダクションレースの人気が高まってきた。ベース車として空冷直4のCBX[…]
世界を熱狂させた「キング」の象徴 インターカラー(スピードブロック)の歴史を語るうえで、絶対に外せないのが「キング」ことケニー・ロバーツの存在である。1978年から1980年にかけて、ロードレース世界[…]
最新の投稿記事(全体)
拘りのシルバーボディが魅せる“純正超え”の質感 新登場の「イカヅチ」は、あえてトレンドのカーボンやチタン焼色ではなく、純正マフラーのカラーリングに呼応するシルバーボディを採用。Z900RSが持つクラシ[…]
絶版車のコンディション維持に欠かせない純正部品同等の品質と性能を持つ「規格部品」 毎年のようにモデルチェンジを行うことでパーツ点数が膨大になったのがバイクブーム、レーサーレプリカブーム時代の純正部品事[…]
人間の負の感情と戦うダークファンタジーの世界をヘルメットに凝縮 『呪術廻戦』は、常人離れした身体能力を持つ主人公・虎杖悠仁を中心に、呪いとの苛烈な戦いを描く物語。命懸けの戦いの中で見せるキャラクターた[…]
「二輪のホンダ」が支える、揺るぎない安心感 今回のホンダの発表において、全体の軸となっているのは「四輪事業の再構築」だ。足元の環境変化に対応し、ハイブリッド車へのリソース集中などを行い収益の改善を図る[…]
レース出場を目的とした特別なモデル「メルセデスベンツSSK」 SSK、すなわちドイツ語:のSupersport Kurzの略でスーパースポーツよりもホイールベースが短いことを表しています。1928年か[…]
- 1
- 2










































