1990年代初頭にヨーロッパのSOSシーンで活躍したオーヴァーレーシング製OV-11Aが走行会イベントに登場

1990年代初頭にヨーロッパのSOSシーンで活躍したオーヴァーレーシング製OV-11Aが走行会イベントに登場

初心者からエキスパートまであらゆるライダーが愛車でサーキット走行を楽しめるアストライド。過去17回も開催されたアストライドのスピンオフ企画として2025年に初開催されたのが、アストライドB.O.S.Tである。シングルとツインに焦点を当てたこのイベントは、1980〜90年代に盛り上がったサウンドオブシングルや、バトルオブザツインの復刻版だ。今回は1990年代初頭にヨーロッパのSOSシーンで活躍したオーヴァーレーシング製OV-11Aが登場したことで、パドックは大盛況!!


●文/写真:栗田 晃 ●外部リンク:オーヴァーレーシングプロジェクツ

シングル&ツインユーザーに大好評。レジェンドマシンも登場したB.O.S.T

1984年に製作された初のOV-01から現在テイストオブツクバ・ハーキュリーズクラスに参戦するOV-46まで、オリジナルマシン製作を継続してきたオーヴァーレーシング。その名が世界的に知られるようになったのはヨーロッパでのSOS(サウンドオブシングル)レースでの活躍がきっかけだった。

2025年11月に開催された第2回アストライドB.O.S.Tに登場したのは、1992年にイギリス選手権とオランダで優勝を飾ったOV-11A。前年にオランダアッセンのSOSで優勝したOV-11の進化型で、独創的なアルミ楕円フレームとヤマハSRX600用エンジンの組み合わせはそのままに、フロントに倒立フォーク、リヤショックをツインからシングルに変更。ハリスやロータックス、モンディアルやティグクラフトといったライバルとしのぎを削ったマシンそのものである。

ヤマハSRXオーナーにとってのOV-11やOV-11Aは、当時バイク雑誌の中でしか見られない幻のような存在であり、間近に見られるのは胸躍るひとときだったに違いない。

ヨーロッパのSOSレースのために製作。オーヴァーレーシング製OV-11A降臨!!

ベースエンジン:SRX600Ⅱ型 / ボア×ストローク:100×87mm / コンロッド:キャレロ製スペシャル / 1.5mmオフセットクランクピン / シリンダーベース10mm スペーサー / ロングカムチェーン:DID特注品 / ピストン:JE特注品 / アルミスリーブ:SOHC製 / カムシャフト:メガサイクル製 / ミッション:RC SUGO 5速クロス

ヘッドパイプの内側にアタッチメントを内蔵することで、キャスターとトレールの変更が可能。

純正プラグに加えて2本のエキゾーストパイプの間に2本目のプラグをセット。プラグかぶりを減少したことで始動性が向上し、燃焼性が良くなったため点火時期のセッティング幅が広がるメリットがあった。

エキゾーストパイプの途中に膨張室(サブチャンバー)を装備。

OV-11ではエンジン後部にあったオイルタンクをガソリンタンク後方に移動。シリンダー周りの空気の流れを改善する目的だったが、ガソリン容量が減少しイタリアモンツァサーキットでガス欠の危機が発覚。タンク上部がつぎはぎ状態なのは、現地でタンク容量アップ加工を行ったなごり。

OV-11の正立フォーク+シングルディスクではハイスピードなヨーロッパのSOSを戦えないと分かり、倒立フォーク+ダブルディスクを装着。

伏せ姿勢に影響しないよう配慮しながら増量したタンク上面。車体横から見ると、タンクカバーの前側とフレームの隙間が広いことが分かる。

ツインショックのOV-11をベースに開発したモノショックは、リンクとオーリンズが車体右側にオフセットしている。サブタンクもガソリンタンクに食い込むように装着されている。

楕円形状のメインフレームに対して、シートレールは角断面パイプで構成。ブリーザーパイプ端部はシートレールエンドのボスに差し込まれる。

大容量サイレンサーを備えたマフラーは左右2本出し。

B.O.S.T当日に初めてOV-11Aのライディングを担当したのは、モトジョイチーフメカニックの清輔さん。「最初は緊張しましたが、徐々にペースアップしても不安なく走行できました」と感想を語ってくれた。

SR/SRXでシングルクラスにエントリーしていたライダー/マシンとともに。OV-11Aは30年以上前に製作されたマシンにもかかわらずいまだに古さを感じさせず、ライダーは佐藤会長にさまざまな質問を投げかけていた。

OV-11の他にも希少な車両、珍しい車両などがフリー走行を楽しんだ

「本家アストライドは4気筒と混走だからストレートのスピード差が大きくて……」という理由で、シングル勢の中にはB.O.S.Tに移籍するライダーも少なくない。街乗り仕様も歓迎だ。

上はスズキグース250/350、下はホンダGB250/400/500。既出のSR/SRXも合わせればそれぞれ10台程が集まった。シングルレース自体が少なくなったからこそ、こうしたサーキットイベントが貴重であり有益なのだ。

一周のラップタイムが近くても、マシン特性の違いやセクションごとの得手不得手で差が詰まったり離れたり。模擬レースは8周だが、その中でも戦略やドラマがあって見ているだけでも面白い。

1999年までに生産された4ストシングルのB クラスは、排気量250ccがシングル1と排気量無制限がシングル2。ツインのCクラスは250〜650ccがツイン1、排気量無制限のツイン2に区分される。

レギュレーションはオイルドレン、フィラー、フィルターのワイヤリングとアンダーカウル(オイル受け)装着が強く推奨。灯火類は取り外すか全面をテーピングでカバーする程度と緩やか。アストライド同様に気軽に参加できるのが魅力だ。

ピットレーンから順次コースインするフリー走行と計測予選に対して、模擬レースはタイム順にグリッドに並びサイティングラップ後にスタートするため、集中力が高まり気分が高揚する。

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