
レーサーレプリカ/ネイキッド/アメリカン/ビッグスクーターなどなど、時代ごとに訪れたブームやトレンドに乗って星の数ほどのニューモデルが登場し、一部の人気車種を除けばその大半は記憶からこぼれ落ちてきたというのが歴史の実情だ。だが新車販売台数の多寡や中古車市場での人気の有無とは別に、個々のライダーには「思い出の1台」があるはず。そうしたこだわりの1台を探し出すのも、バイク乗りにとっては楽しみなものである。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:レッドバロン
“思い出の1台”に乗りたい
バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かった各メーカーが一斉投入して、市場が膨張して発生したトレンドでありブームだった。
だが、一度市場に出回って中古車になれば、ひとえに“その1台”にニーズや注目度があるか否かがカギとなる。人気車種は多くのショップが取り扱うが、そうでなければ出合えるチャンスも減ってしまう。
本記事で紹介するVツインのエリミネーターや、アドベンチャーモデルの嚆矢とも言えるアネーロはかなりマニアックだが、思い出の1台に乗りたい、他人とカブらない車種に乗りたいライダーにとっては魅力的な選択肢になりうるだろう。
カワサキ エリミネーター250V:ドラッグマシンからアメリカンへ大幅チェンジ。独自Vツイン搭載のロー&ロングスタイルが魅力
ドラッガースタイルで登場したエリミネーターシリーズの末弟として、GPZ250Rベースの並列2気筒エンジンを搭載した250が登場したのは1987年。その名を受け継ぎながらアメリカンスタイルに舵を切ったのが、1998年にデビューしたエリミネーター250Vだ。
当時、「これがエリミ!?」という声もあったが、1994年デビューのホンダVツインマグナや1999年に発売開始されたスズキイントルーダーLC250、2000年に登場したドラッグスター250など、当時は中型クラスでアメリカンブームが勃発しており、意気込みを感じさせる1台だった。
2007年式のエリミネーター250V
他社のアメリカンスタイルよりもドラッガーテイストへの未練を残しているようにも感じられるエリミネーター250V。驚くべきは水冷DOHC4バルブVツインエンジンが専用設計であること。当時も今も、ひとつのエンジンを多機種に搭載するのはニューモデル開発の定石だが、並列2気筒ではマグナやドラッグスターに対抗できないと考えたのだろうか。低速でドコドコ…というより高回転まで気持ちよく伸びる特性もドラッガーにふさわしく、排気ガス規制に対応できず2007年モデルで最終となったのが惜しい存在だ。
カワサキKLE250アネーロ:大柄な車体と信頼性の高いエンジンを組み合わせた、オン/オフで使えるアドベンチャーモデル
カワサキにおけるオンとオフの特長を併せ持つマルチパーパスアドベンチャーモデルの元祖が、1991年に登場したKLE400と、1993年に発売されたKLE250アネーロだ。
どちらもオンロード性能や長距離ツーリング特性に優れたGPZ系の並列2気筒エンジンを搭載。ストロークの長いサスペンションとフロント21/リア17インチタイヤは、オフロード寄りの味付けも感じさせる。
一代限りで販売終了となったが、その後カワサキはアドベンチャーツーリングモデルとしてヴェルシスシリーズを展開、2017年にはヴェルシスX250が発売された。
ZZ-R250譲りの高回転型エンジンを搭載し、オンロードでポテンシャルも高いアネーロ。フロント21インチタイヤがもたらすゆったりとした挙動に、ワンランク上の車格を感じさせた。キャブレター仕様で電子制御技術は皆無だが、当時から大ヒットモデルとは言えず、いま乗り続けるには補修部品や整備力が必要。
【取材協力:レッドバロン】50年以上バイク販売を行ってきたレッドバロンは、原付から大型車、輸入車まで常時4万3000台を保有している。膨大な在庫の中には相当レアな車種もあるが、販売車両の90%以上が「フレーム安全検査済み/パーツ保証あり/リコール未実施項目がない/ACIDM(コンピュータ総合診断機)検査済み/自社工場で整備」という条件を満たした“5つ星品質”を取得しているため、安心して乗り続けることができる。
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