2023MotoGPは『ドゥカティ/8台、ホンダ/4台、アプリリア/4台、ヤマハ/2台、KTM/2台、ガスガス/2台』

【MotoGPの2023年の体制をチェック!】2023年シーズンは全42レース!ライダーは超ハードワーク!

様々な動きがあった2022年のMotoGP。2023年に備えて、各メーカーの布陣を確認してみたいと思う。日本メーカーのシェアが減っていくのがとても寂しく感じるが、今後MotoGPはどのように変化していくのだろう?


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ミシュラン

2023年の布陣を確認! スズキ撤退、ルーキーはフェルナンデス1人

まずは各メーカーのライダーと台数を確認してみよう!

●ホンダ 4台体制
マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム(93)
ジョアン・ミル/レプソル・ホンダ・チーム(36)

アレックス・リンス/LCRホンダ・カストロール(42)
中上貴晶/LCRホンダ・イデミツ(30)

●ヤマハ 2台体制
ファビオ・クアルタラロ/モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(20)
フランコ・モルビデリ/モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(21)

●ドゥカティ 8台体制
フランチェスコ・バニャイヤ/ドゥカティ・レノボ・チーム(63)
エネア・バスティアニーニ/ドゥカティ・レノボ・チーム(23)

ヨハン・ザルコ/プラマック・レーシング(5)
ホルヘ・マルティン/プラマック・レーシング(89)

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ/グレシーニ・レーシングMotoGP(49)
アレックス・マルケス/グレシーニ・レーシングMotoGP(73)

ルカ・マリーニ/ムーニーVR46レーシング・チーム(10)
マルコ・ベゼッキ/ムーニーVR46レーシング・チーム(72)

●アプリリア 4台体制
アレイシ・エスパルガロ/アプリリア・レーシング(41)
マーベリック・ビニャーレス/アプリリア・レーシング(12)

ミゲール・オリベイラ/RNFレーシング(88)
ラウル・フェルナンデス/RNFレーシング(25)

●KTM 2台体制
ブラッド・ビンダー/レッドブルKTMファクトリー・レーシング(33)
ジャック・ミラー/レッドブルKTMファクトリー・レーシング(43)

●ガスガス(マシンはKTMと同仕様) 2台体制
ポル・エスパルガロ/GASGASファクトリー・レーシング・チーム(44)
アウグスト・フェルナンデス/GASGASファクトリー・レーシング・チーム(37)

()内はゼッケン

2022年Moto2チャンピオンであるアウグスト・フェルナンデスは、スペイン出身。1997年9月23日生まれの25歳。2023年から新規参戦するガスガスを駆る。

レプソル・ホンダ・チームはチャンピオン経験者が2人!

2023年、MotoGPはスズキの撤退によりライダー&チームが大きく動く。スズキのファクトリーライダーだった2人は共にホンダに移籍。2017年にMoto3、2020年にMotoGPでタイトルを獲得しているジョアン・ミルは、ホンダのファクトリーチームであるレプソル・ホンダ・チームに。マルク・マルケスのチームメイトとなり、レプソル・ホンダ・チームはチャンピオン経験者を2人擁する。

アレックス・リンスはLCRホンダ・カストロールに。2022年にLCRホンダ・カストロールに在籍していたアレックス・マルケスはグレシーニ・レーシングMotoGPでドゥカティを駆る。中上貴晶は、LCRホンダ・イデミツから継続参戦する。

ホンダの4人を見てみよう

マルク・マルケス
レプソル・ホンダ・チーム(ゼッケン93)
1993年2月17日 (29歳)/アルパインスターズ/SHOEI
怪我から復帰してすぐにホンダライダー最速となったマルク。マルクが乗ることで、何が足りないのか、どんなバイクが欲しいのかが明確になる。

ジョアン・ミル
レプソル・ホンダ・チーム(ゼッケン36)
1997年9月1日 (25歳)/ダイネーゼ/AGV
スズキでMotoGPタイトルを獲得。ヴァレンシアでも様々な仕様のRC213Vに乗っていた。GSX-RRを仕上げてきたミルがどのようにRC213Vを乗りこなすのか楽しみ。

中上貴晶
LCRホンダ・イデミツ(ゼッケン30)
1992年2月9日 (30歳)/イクソン/アライ
日本人唯一のMotoGPライダー。2022年はかなり苦しい戦いを強いられ、後半戦は怪我にも泣いた。ホンダライダー最年長。

アレックス・リンス
LCRホンダ・カストロール(ゼッケン42)
1995年12月8日 (27歳)/アルパインスターズ/ノーラン
2022年の最終戦、スズキの最終レースであるバレンシアで維持の勝利を見せた。マシンとシンクロした時の速さは特筆すべきものがある。

ドゥカティは総合力でMotoGPを戦う!

ドゥカティは2022年と変わらない8台体制をキープ。MotoGPで培った技術を唯一市販車に反映させているメーカーで、市販車であるパニガーレV4RはMotoGPマシンであるデスモセディチGPと同じ爆発間隔を採用していると言われている。またバルブの開閉にデスモドロミックを使用する唯一のメーカーで、これも市販車に採用されている。

2022年、インディペンデントで大活躍したエネア・バスティアニーニはファクトリーに昇格。インディペンデントでは前年にバランスの取れたマシンでスタートできるため、最初から速さを発揮することができたが、ファクトリーチームではマシンを仕上げていく力が問われる。

ムーニーVR46レーシング・チームの若い2人に関しては、2022年後半戦かなりバイクに慣れてきていたから2023年は期待できそうだ。

ドゥカティの8台を見てみよう!

フランチェスコ・バニャイヤ
ドゥカティ・レノボ・チーム(ゼッケン63)
1997年1月14日 (25歳)/アルパインスターズ/スオーミー
2022年は見事にファクトリーマシンを仕上げ、乗りこなした。最新電子制御やライドハイトデバイスにもすぐに順応できる器用さを感じさせる。2022年のクリスマスに婚約した。

エネア・バスティアニーニ
ドゥカティ・レノボ・チーム(ゼッケン23)
1997年12月30日 (24歳)/アルパインスターズ/KYT
2022年は開幕戦のカタールでいきなり勝利をあげ、シーズンを通して上位に進出。後半戦はバニャイヤと度々競るシーンも見られた。

ヨハン・ザルコ
プラマック・レーシング(ゼッケン5)
1990年7月16日 (32歳)/フーリガン/シャーク
2015年、2016年のMoto2チャンピオンであるザルコもベテラン。実戦での開発を担っている部分も多く見える。ヴァレンシアでもアプリリアタイプのアンダーカウルをテストしていた。

ホルヘ・マルティン
プラマック・レーシング(ゼッケン89)
1998年1月29日 (24歳)/アルパインスターズ/シャーク
バスティアニーニとファクトリー入りを争ったライダー。地面スレスレから見える景色はどんな景色なのだろう?と思わせる。フィジカルも凄まじいので、スプリントレース向きかも。

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ
グレシーニ・レーシングMotoGP(ゼッケン49)
1998年10月10日 (24歳)/アルパインスターズ/SHOEI
2023年は、MotoGPシーズン2年目を迎えるイタリア出身のライダー。

アレックス・マルケス
グレシーニ・レーシングMotoGP(ゼッケン73)
1996年4月23日 (26歳)/アルパインスターズ/SHOEI
バレンシアテストで前日まで乗っていたRC213Vとほとんど変わらないタイムをマーク。180cmと長身のアレックスには大柄なデスモセディチGPが合っているのかも。

ルカ・マリーニ
ムーニーVR46レーシング・チーム(ゼッケン10)
1997年8月10日 (25歳)/ダイネーゼ/AGV
後半戦、明らかにMotoGPマシンの理解度が高まってきたマリーニ。2023年はMotoGPシーズン3年目。バレンシアテストではトップタイムをマークしている。

マルコ・ベゼッキ
ムーニーVR46レーシング・チーム(ゼッケン72)
1998年11月12日 (24歳)/ダイネーゼ/AGV
2022年はルーキーの中で最上位。2015年からスカイ・レーシング・チーム・VR46でMoto2に参戦してきた。バレンシアテストでは3番手タイムをマークしている。

大きな転換期となる2023年シーズンのMotoGP

2023年のMotoGPルーキーは、2022年に最終戦までMoto2で小椋藍とタイトル争いを繰り広げたアウグスト・フェルナンデスのみとなる。2022年にルーキーと参戦していたレミー・ガードナー(KTM)はわずか1年でシートを失い、2023年はスーパーバイクに。

その他、2022年から2023年にかけては、スズキが2台から0台に、ヤマハは4台から2台に、アプリリアは2台から4台体制となった。KTMは4台から2台になったが同仕様のマシンを走らせるガスガスが新規参入するため、参戦の規模は変わらない。

全21戦が行われる2023年シーズンは、すべてのレースで土曜日にメインレースの半分の距離で行われるスプリントレースが追加。ライダーは42回レースを戦う。ベテラン勢はシーズンオフにかなりフィジカルを整えないと厳しいだろう。

彼らが動き出す、2023年2月のセパンテストが今から楽しみだ。

アプリリアの4台を見てみよう!

アレイシ・エスパルガロ
アプリリア・レーシング(ゼッケン41)
1989年7月30日 (33歳)/イクソン/KYT
2022年はタイトル争いにも加わり、自身&バイクを大躍進させた。今のRS-GPを育んできたのは間違いなくアレイシ・エスパルガロである。MotoGPライダー最年長のベテランである。

マーベリック・ビニャーレス
アプリリア・レーシング(ゼッケン12)
1995年1月12日 (27歳)/アルパインスターズ/アライ
2013年のMoto3チャンピオン。スズキ、ヤマハのファクトリーに乗り、アプリリアへ。2023年はMotoGPライダーとして10年目のキャリアを迎える。

ミゲール・オリベイラ
RNFレーシング(ゼッケン88)
1995年1月4日 (27歳)/イクソン/シャーク
2019年からKTMでMotoGPに参戦するが、2023年からアプリリアにシフト。フレームはスチールからアルミへ、サスペンションはWPからオーリンズに変わるが、バレンシアテストではいきなり4番手タイムをマーク。

ラウル・フェルナンデス
RNFレーシング(ゼッケン25)
2000年10月23日 (22歳)/アルパインスターズ/HJC
2021年にMoto2でランキング2位となり、2022年からMotoGPにKTMから参戦するが、わずか1年で離脱することに。2023年はアプリリアからの参戦となった。MotoGP最年少ライダーである。

ヤマハの2台を見てみよう!

ファビオ・クアルタラロ
モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(ゼッケン20)
1999年4月20日 (23歳)/アルパインスターズ/スコーピオン
2019年からMotoGPに参戦。2021年にヤマハファクトリーから参戦し、フランス人としては初めて最高峰クラスでタイトルを獲得。抜群のセンスでコーナリングスピードを稼ぐライディングスタイルが魅力。

フランコ・モルビデリ
モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(ゼッケン21)
1994年12月4日 (28歳)/ダイネーゼ/AGV
VR46ライダーズアカデミーに所属し、2017年にMoto2クラスでタイトルを獲得。2018年はMotoGPクラスに参戦し、ルーキーオブザイヤーに。2020年はランキング2位に輝いたが、その後まさかの低迷……。

KTMの2台を見てみよう!

ブラッド・ビンダー
レッドブルKTMファクトリーレーシング(ゼッケン33)
1995年8月11日 (27歳)/イクソン/HJC
2016年にMoto3でタイトルを獲得。2020年からKTMを駆ってMotoGPに参戦。2023年はファクトリー4年目、結果が求められるシーズンになるはずだ。

ジャック・ミラー
レッドブルKTMファクトリーレーシング(ゼッケン43)
1995年1月18日 (27歳)/ダイネーゼ/AGV
2015年からMotoGPに参戦。ホンダ、ドゥカティを経験して2023年からはKTMを駆る。ドゥカティ時代のチーフメカニックもミラーと共に移動することになっている。

ポル・エスパルガロ
GASGASファクトリー・レーシング・チーム(ゼッケン44)
1991年6月10日 (31歳)ダイネーゼ/HJC
2013年のMoto2チャンピオン。MotoGPには2014年から参戦。ヤマハでは鈴鹿8耐にも参戦。ヤマハ、KTM、ホンダを経験し、2023年はガスガスへ。

アウグスト・フェルナンデス
GASGASファクトリー・レーシング・チーム(ゼッケン37)
1997年9月23日 (25歳)/レヴィット/KYT
2017年からMoto2に6年連続で参戦し、2022年にタイトルを獲得。KTMのファクトリースペックであるRC16を走らせる、ガスガスの初年度ライダーとなった。


※本記事は“ミリオーレ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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