ヤマハは北米で、欧州や日本で発表されたもの以外にも2025年モデルを発表している。ここでは日本で惜しまれつつ消えたセロー250=XT250、極太タイヤのTW200、台湾製BW’Sの北米版であるZUMA125、そして和名ビラーゴ250から転生して生き残っているVスター250を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト
日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから4年が経った。1985年の初代モデル登場から35年間、2輪2足のマウンテントレール・コンセプトで、初心者からベテランまで多くのファンに支持されたセロー250だが、各種規制への適合などの理由から存続の道が断たれている。
日本国内で1987年に発売されたヤマハTW200は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人気を博したデュアルパーパスモデル。道なき道を走破する絶大なグリップ力と、どこかほのぼのとした雰囲気が特徴だったが、1990年代半ばには“スカチューン”の流行で「ティーダバー」という言葉も生まれるほどカスタムが盛んに。
1998年には丸型ヘッドライトが登場し、2002年にはTW225へと排気量アップ。同時にフロントブレーキがディスク化され、タイヤもロード向けのパターンになった。その後、カスタム人気の陰りもあって、2008年に排出ガス規制への適合などを理由に生産終了となった。
いずれも今はなき名車だが、どっこい生きてたシャツの中……じゃなくて北米では今も生き残り、TW200は角型ヘッドライトにフロントディスクブレーキという、国内モデルにはなかった組み合わせが特徴。2024年モデルでカラーチェンジまで受けている。
セローの北米版はXT250を名乗り、巨大な丸型ヘッドライトや大型ウインカーが特徴的。また、テールまわりのデザインはセロー250前期型の、通常のバルブ式テールランプを採用していた頃のものだ。
いずれも2025年モデルは車体色やスペックに変更はなく、価格はセローが5499ドル(日本円換算約79万4000円)になり、TW200は価格据え置きで4999ドル(約72万2000円)のまま。
最近は新型モデル「セロー200」のスクープ情報をお届けしているが、日本でも早くジャストサイズのデュアルパーパスモデルが復活してくれないかなぁ……。
YAMAHA XT250[2025 U.S. model]■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 249cc 車重132kg ●現地価格:5499米ドル
YAMAHA TW200[2025 U.S. model]■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 196cc 車重126kg ●現地価格:4999米ドル
稀少な空冷Vツイン! XV250ビラーゴを思わせるVスター250
1988年に発売されたXV250ビラーゴ(Virago)は、のちにSRV250などにも搭載されたロングストロークの空冷Vツインエンジンを搭載。250㏄クラスながらロー&ロングの本格的なアメリカンスタイルで人気を博した。2000年には後継機種のドラッグスター250が登場し、のちにそれも生産終了。
ドラッグスター250はディープフェンダーを採用したクラシックスタイルになったが、シンプルなデザインのXV250ビラーゴを好むライダーも多かった。そんなビラーゴのスタイルを継承するモデルが、北米で生き残るVスター250だ。
北米では当初、「XV250 Route66」や「Virago 250」として販売され、2008年以降に「Vスター250(V-Star 250)」として販売されてきた。2025年モデルは前年を踏襲したカラーリングで、価格は100ドル上昇して4799ドルで発売される。
YAMAHA V-Star 250[2025 U.S. model]■空冷4ストロークV型2気筒SOHC2バルブ 249cc 車重147kg ●北米現地価格:4799ドル
台湾生産「BW’S」の北米モデルが「ZUMA 125」だ
ZUMA 125は、台湾で販売中の最新SUVスクーター「BW’S」の北米版。VVA(可変バルブ機構)を採用した『ブルーコア』エンジンは燃料消費率101mpg(101マイル/1ガロン)=約42.9km/Lを実現し、燃料タンク容量1.6ガロン(約6L)と掛け合わせると、航続距離は約257kmになる。
スタイリングは頑丈さをアピールしつつモダンに仕立てられ、“コンパクトでタフなアドベンチャーモデル”という独自の立ち位置を確立。前後ABSのほかセンタースタンドとサイドスタンド、イグニッションスイッチカバー、フルフェイスヘルメット1個を収納可能なシート下スペース、USB充電ソケットを備えたフロント小物入れといった便利な装備も標準採用している。
2025年モデルは価格据え置きの3799ドル、かつカラーバリエーションも前年を踏襲する。
YAMAHA ZUMA 125[2025 U.S. model]■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 125cc 車重128kg ●北米現地価格:3799ドル
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