
パイオニアがCES 2026で発表した「Pioneer Ride Connect」は単なるデジタルメーターではない。愛車とスマートフォンを融合させ、走りながら「進化」し続ける、まったく新しい相棒だ。一体なにができるのか、一問一答形式でその革新性を解き明かしていく。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:パイオニア
疑問1:けっきょく、なにができるの?
一言で言えば、「スマートフォンの頭脳を、バイクのメーターに完全移植する」ことができる。
従来の「スマホの画面をそのまま映す(ミラーリング)」だけの機能とはわけが違う。パイオニア独自の「BLEスクリーン・プロジェクション技術」により、スマホ内の地図やコネクテッド情報を、バイクのメーター(クラスター)へシームレスに表示するのだ。
これにより、ライダーは以下のメリットを享受できる。
- スマホはポケットの中でOK: 高価なスマートフォンをハンドルに固定する必要がないため、バイク特有の激しい振動でカメラが故障するリスクや、落下の恐怖から解放される
- バッテリー消費の抑制: 処理を最適化することで、スマホ側のバッテリー消費も抑えられる。ロングツーリングでの「電池切れ」の不安が劇的に減る
- スマートモニターの追加不要:上記のメリットは後付のスマートモニターでも享受できるが、これらが純正のメーターだけでOKというのは大きい
次世代コネクテッドクラスター:イメージ画像
疑問2:なにがそんなにすごいの?
このシステムの真骨頂は、ハードウェア(メーター)を買い替えなくても、中身が勝手に賢くなっていく点にある。
これまでのバイクのメーターは、買った瞬間が「最新」で、あとは古くなる一方だった。しかし、「Pioneer Ride Connect」はソフトウェア更新を通じて、購入後も機能が追加・改善されていく。
つまり、愛車に長く乗れば乗るほど、メーターの使い勝手やUX(ユーザー体験)が向上していく可能性があるということだ。「買った後も進化する」というコンセプトは、長く一台を愛するライダーにとってこれ以上ない朗報といえよう。
疑問3:電波のない山奥でも使えるの?
ツーリングライダーにとって最大の敵は「圏外」だ。Googleマップなどの一般的なアプリは、通信が途切れるとルート案内が停止してしまうことがある。
ここでもパイオニアの「本気」が見える。世界的な地図データ企業であるHERE Technologies社の「HERE SDK」を統合しているため、通信が不安定な地域でも使える「オフラインモード」を実装可能にしているのだ。 都市部だけでなく、絶景を求めて山間部へ走り出すライダーにとって、ネット環境に依存しないタフなナビゲーションは、命綱とも言える安心感をもたらすだろう。
疑問4:操作は安全なの?
走行中に画面を注視したり、ボタンを探したりするようでは危険極まりない。そこで搭載されたのが、AIを活用した音声操作システム「VOICE TAP」だ。
ストレスのないハンズフリー操作を実現しており、さらにAIが「渋滞」や「悪天候」「危険情報」をリアルタイムで共有してくれる。まるで、常に冷静な副操縦士(コ・パイロット)が耳元でサポートしてくれているような感覚に近いかもしれない。
「Pioneer Ride Connect」は、単なる情報の表示装置ではない。ライダーを「振動」「圏外」「操作の煩わしさ」といったストレスから解放し、純粋に走りを楽しむための、次世代のインターフェースなのだ。
疑問5:どんなふうに手に入るの?
まだ開発中の製品のため、詳細は不明だが、純正のメーターやディーラーオプションとして登場する予定とのこと。2026年中の本格導入を目指しているとのことなので、続報を待とう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スマホ/アプリ/スマートモニター)
ついにベーシック機も「AIの目」を手に入れた! これまで上位モデルの特権だったBSD(死角監視システム)が、この「EVO」にも搭載されたのが最大のトピックだ。 リアカメラが後方の接近車両をAIで自動検[…]
スマホをマウントするリスクを解消 スマートフォンを直接ハンドルにマウントするスタイルは手軽だが、常に落下や振動によるダメージ、直射日光による熱暴走のリスクと隣り合わせだ。そんな現代のライダーが抱える悩[…]
マグネット誘導と専用機構で実現した片手での脱着 グローブを装着した状態でのスマートフォンの着脱は手間がかかるものだ。本製品は円盤形状のロック構造を採用しており、マグネットがスマートフォンの位置を自然に[…]
欧州発「SP CONNECT」ついに本格展開 モトーリモーダで取り扱い開始 バイクウェアとアクセサリーのセレクトショップとして知られるMotorimodaが、2月4日からSP CONNECT製品の取り[…]
毎年バイク用品の解説動画をたくさんアップしているのですが、今年2025年はとくに豊作でした。 そこで今回は、2025年使って良かったバイク用品ベストバイ3選をご紹介します (あえてFoieGearの商[…]
最新の関連記事(バイク用品)
バイク乗りのためのアウトドアブランドが手がけるツーリングテント DAYTONA OUTDOORS(デイトナ アウトドア)は、オートバイアフターパーツメーカーである株式会社デイトナが展開するアウトドアブ[…]
経年変化を堪能できる天然タンニンなめし牛革 このサドルバッグ最大の魅力は、素材に「天然タンニンなめし」が施された牛革を贅沢に使用している点だ。使い込むほどに艶が増し、自分だけの形へと馴染んでいく経年変[…]
眠っていた「走り屋」の血を騒がせるメカニズム 奥多摩街道のタイトコーナーへフルバンクで飛び込む巨摩郡。無駄のない正確なライン取りでコーナーを攻略する聖秀吉。いがみ合いながらも互いの実力を認め合い、やが[…]
過酷なレース現場を支えた本物のスペックを日常へ ライディングシューズには、乗車時の操作性や安全性だけでなく、バイクを降りた後の「歩きやすさ」も欲しいところ。観光地での散策やツーリング先での休憩時、足元[…]
ツーリング&キャンプを楽しむ人の強い見方 寒い冬もようやく終わりが見えてきて、春の陽気を感じるこの季節。しばらく遠ざかっていたツーリングに出かけてみたくなるシーズンでもある。気軽な装備で楽しむのもいい[…]
人気記事ランキング(全体)
憧れの名車を「手元」に置くという贅沢な解決策 ホンダが誇るファンバイク、モンキー125といえば、倒立フォークや12インチのブロックタイヤを備え、コンパクトながら本格的な走りが魅力だ。2026年モデルで[…]
50㏄原付一種と同じルールで走る新原付 はっきり言って、ちょっと侮っていました。だってスペックだけで想像したら、スーパーカブ110を遅くしたのが、新基準原付となるスーパーカブ110 Lite。私は大型[…]
水冷4ストローク60度V型2気筒エンジン搭載 車体構成の最大の見どころは、ヒョースンが長年熟成を重ねてきた水冷4ストローク60度V型2気筒エンジンの存在だ。排気量248.4ccのこのユニットは、Vツイ[…]
ヤマハ AG200(1985年2月発売)「AGはAGRICULTURE=農業の略」 直訳すると車名は「農業200」だが、いわゆる農耕地での移動や運搬に使われるバイクのこと。ホンダのCTシリーズと成り立[…]
不朽の名車KATANAのレプリカで、尖ってないスポーツモデルをリリース! スズキといえばKATANA……国産4メーカーが揃ってビッグバイクへチャレンジして肩を並べた1970年代を過ぎて、スズキはスペッ[…]
最新の投稿記事(全体)
賛否両論のハーレーX350でレース! アンダー400cc、“普通二輪免許でも乗れるハーレー”と話題となっているハーレーダビッドソン X350。「大排気量の空冷Vツインじゃなければ、ハーレーじゃない」「[…]
ライダーを笑顔にするSP忠男のスピリットを纏う 1976年の創業以来、常にライダーが心地よく走るためのマフラーを生み出し続けてきたSP忠男。その象徴とも言えるのが、創業者・鈴木忠男氏が自らのヘルメット[…]
全長55mmの空間に広がるモーターサイクルの世界観 この個展の最大の魅力は、実車の構造を熟知した開発経験者ならではの視点で造り込まれたミニチュア作品の数々だ。全長約55mmという極小のスケールでありな[…]
エリミネーター専用の小型フォグランプが登場 人気の400ccクルーザーであるエリミネーターの弱点ともいえる夜間走行時の視界を劇的に改善する、SP武川製の専用LEDフォグランプキットが発売された。消費電[…]
30か月の試行錯誤が生んだ「ライダー専用」の結論 株式会社アールエスタイチは、新型エアバッグベスト「T-SABE(ティーセーブ)」を2026年4月24日より発売すると発表。自動車安全システム分野で世界[…]
- 1
- 2






































