
オートバイの走行中にふらつきや安定感のなさを感じたことはありませんか? そんな時に注目したいのが「スタビライザー」です。本記事では、スタビライザーとは何か、その具体的な役割や効果、さらに交換の目安まで、ライダー目線で詳しく解説します。
●文&写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ACTIVE/DIRTFREAK/OVER RACING
スタビライザーとは?【基本知識と種類】
スタビライザーとは、オートバイの走行安定性を高めるために取り付けられる補助パーツです。特に高速走行時やコーナリング時に、車体のふらつきやねじれを抑え、快適かつ安全なライディングをサポートします。
工作精度と素材剛性が今よりも低かった時代の市販車や、レースなどの競技車において主に装着されるカスタムパーツですが、ドレスアップの意味合いで装着するオーナーも少なくありません。どちらかと言えばマニアックなアフターパーツですが、純正で装着するオートバイもあるほど、機能が認められていることも確かです。
オートバイ用に流通しているのは、ハンドルスタビライザー、フレームスタビライザー、スイングアームスタビライザーなど。前述のように旧車やレース車両に向けた剛性アップのアイテムとして、さらに小排気量車のパフォーマンスアップ、ドレスアップ目的で装着されるケースがあります。
近年のオートバイはノーマルでも十分以上の剛性が確保されているため、後付けのスタビライザーが必要になるケースは多くない。しかし現代の目では剛性が不足している旧車やレース車両などは、装着することでパフォーマンス向上が見込まれる。また、ドレスアップ効果も高い。
ハンドルスタビライザー
オートバイに装着されるスタビライザーには様々な種類があり、もっとも広く流通しているのはハンドルスタビライザーでしょう。
ハンドルスタビライザーはオートバイの走行安定性を強化するのが目的であり、主にバーハンドル車に装着するケースが多いアイテムです。スタビライザー全般に言えることですが、特に旧車やオフロードモデルへの親和性が高く、アフターパーツメーカーから様々なタイプが発売されています。
注意したいのは、バーハンドルの間を繋げる「ブレース」と呼ばれるパーツ。ハンドルスタビライザーと同様にハンドル周りの剛性をアップしそうに見えますが、こちらはナビやUSB電源などお役立ちアイテムの装着及びドレスアップ効果を意図したアイテムです。リプレイスメントのハンドルバーにセットで組み合わされている場合も数多く見受けられますが、スタビライザ―としての機能があるか商品説明をしっかり確認しましょう。
純正の2ピースクランプを1ピース化することにより剛性を飛躍的に向上させ、転倒時のハンドルの「ねじれ」を防ぐZETA RACINGの「COMP/SXスタビライザー」。COMPタイプ、SXタイプをラインナップ。スタンダード径バー用(22.2mm)と大径バー用(28.6mm)があり、幅は85mm〜103mmまで各種あり。DIRTFREAK取り扱い:6490円〜
同じくZETA RACINGの「アジャスタブル マウントバー ハンドルブレースタイプ」。スマホマウントホルダーやUSB電源などのモバイル機器をハンドルバーに複数取付け可能。専用スペーサーを利用することで5段階の長さ調整ができる。ブレースシャフトは直径22.2mmのフルフラットデザイン。DIRTFREAK取り扱い:5500円
フレームスタビライザー
高速道路を走る際、まっすぐ走らせているつもりでも挙動がフラフラしたり、車体からの応答が遅れてくると感じることがあります。特に旧車と呼ばれる生産から数十年を経過したモデルでは顕著で、この場合はフレームの剛性を高めるフレームスタビライザーの装着が有効です。
フレームとエンジンを強固につなぎ合わせてねじれやよじれを抑えれば、いわゆる「ゆるい」フィーリングを無くしてライダーの意図に応じたソリッドなライディングが期待できます。
また最近のオートバイでも、いわゆるハイグリップタイヤに交換しただけでタイヤの性能にフレームが追いついてかず、ライドフィールが変化する場合も。そうした違和感を払拭するのにフレームスタビライザーが役立ちます。
ACTIVEが展開している「サブフレーム バフ TYPE-2」。車体の剛性バランスを保ち、コーナリングやブレーキング時の車体の挙動を安定させるとともに、バフがけされた美しい表面とリブをもたせたパイプ形状はドレスアップ効果も高い。ACTIVE取り扱い:4万7300円(KAWASAKI Z900RS 2018~2025/KAWASAKI Z900RS CAFE 2018~2025)
スイングアームスタビライザー
オートバイのリア周りで剛性感の有無に直結するのがスイングアームです。特に小排気量車は全般的に車体が小さく制約が多いことに加え、コストを抑えるためか華奢なスイングアームを採用しているモデルが多い傾向にあります。
もちろん、オートバイメーカーが設計しテストを繰り返して製品化しているので通常の走行には支障を来たしませんが、攻めた走りを求めた場合に不満が出る場合もあります。
その際に効果が期待できるアイテムがスイングアームスタビライザーです。左右のスイングアームをガッチリ連結させ、負荷がかかった時にもたわむことなく車体をサポートするため人気のあるカスタムパーツです。
独自のメインパイプを使用して軽量でありながら適度なしなりをもたせ、強度や剛性は純正に比べても高い水準で両立するOVER RacingのホンダCT125用「スイングアーム OVタイプ スタビ付/STD CT125(20-22)(23-)」。性能面を追求して生み出された機能美が特徴だ。OVER Racing扱い:9万200円
スタビライザーの役割と効果
1.走行時のふらつき軽減
スタビライザーを装着することで直進時の安定性が向上し、横風や路面状況の影響を受けにくくなるなど、走行時の安定性アップに繋がります。
これはあらゆる走行シーンにおいて得られる恩恵であり、レースなどの特殊なシーンだけでなく普段のライディングやツーリングでもライダーの負担軽減が期待できます。
スタビライザーを装着することで通常のライディングでも走行安定性が増し、結果として疲れにくくなる。スポーツ性能の向上とともに安全性を高めるカスタムパーツだ。
2.コーナリング性能の向上
フレームのねじれや歪みを抑え、コーナリング時の安定性と操作性が高まります。特に極限のパフォーマンスを求めるレースシーンにおいては重要なファクターになります。
ただし、モデルによっては最初からフレーム剛性の自由度を計算して設計されているケースもあり、その場合は車体が硬くなりすぎて乗りにくくなることもあるようです。
レースシーンでは勝つためのパフォーマンスが何より要求されるため、車体剛性をあげるスタビライザーが必須な場合もあるが、通常のライディングではかえって仇になるケースもあるので注意したい。
3.振動の低減
剛性アップにより、路面からの微細な振動を軽減して疲労軽減や快適な走行を実現する効果が期待できます。
逆に硬くなりすぎて普通のライディングに影響を及ぼす可能性もあるため、スタビライザーの導入は慎重に検討しましょう。
剛性アップはオートバイの一体感を向上して微細な振動を抑えることに繋がる場合も少なくない。ただし車体の動きを硬く制御するため、ノーマル時とは異なる乗り心地が自分の用途に合わない可能性もある。
スタビライザー交換の目安とポイント
効果が感じられなくなった場合
走行時にふらつきや不安定さを感じたら、スタビライザーの劣化や緩みが疑われます。早めの点検・交換がおすすめです。
経年劣化による交換
長年使用すると金属疲労やパーツの劣化が進むケースもあります。3〜5年を目安に点検し、場合によっては交換を検討しましょう。
カスタムやセッティング変更時
サスペンションやタイヤを交換した場合は、スタビライザーもセッティングを見直すことで最適な効果が発揮されます。
目につきやすい場所に装着されたスタビライザーはドレスアップ効果が高いアイテムだ。中には剛性アップというパフォーマンス向上よりもアピアランスの変化を重視して装着するケースもあるだろうが、走行時の効果もしっかり確認したい。
スタビライザー選びと交換時の注意点
スタビライザー導入を検討する際には、オートバイの車種や用途に合った製品を選ぶことが何より肝心です。また、アフターパーツ全般に言えますが、オートバイの走行安定性に影響するパーツなので信頼できるブランド・メーカーを選定しましょう。
同様にスタビライザーは安全に直結するカスタムパーツですから、取り付けは専門ショップや整備士に依頼するのがベターです。
スタビライザーの装着はパフォーマンスアップやドレスアップの面で魅力的なカスタムです。しかしいずれも機能パーツとして働くパーツですので、正しい知識をもって安全に考慮したうえで導入を検討し、楽しいオートバイライフを心がけましょう!
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