
中古車を選ぶ際、なかなか悩ましいのが何を持って完調の状態といえるかわからないこと。そこで役に立つのが、劣化や不具合のない新車当時の試乗レビューだ。自分が中古車を試乗して、それぞれの個体の状態を確かめる際の参考にしてみて。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史
ヤマハ セロー250試乗レビュー
この記事では、ヤマハの”二輪二足”をキーワードに誕生したマウンテントレールの元祖、セロー250の2020年モデルについて紹介するぞ。35年の歴史に幕を下ろした、最終モデルだった。 ※以下、2020年12月公開時の内容に基づく
操縦技術も場所も不問。扱いやすさを再確認
私が原付免許を取得したのは昭和63年(’88年)のことで、その3年前にセローの歴史がスタートした。当時はレーサーレプリカブームの全盛期で、4ストのオフロード車、しかも223ccという中途半端な排気量のバイクに、高校のクラスメイトは誰も見向きもしなかった。ところがその2年後、初めて北海道に渡って驚いた。すれ違うオフ車の4分の1はそうじゃないかと思えるほど、大量のセローが走っていたのだ。当時はまだ未舗装区間が多く、だからこそ”二輪二足”をキーワードに開発されたセローが重宝されたのだ。
今回試乗したのは、これで最後となるファイナルエディション。1年の休止期間を経て復活した’18年モデルをベースに、初代を彷彿させる塗色を採用したもので、このほかにスクリーンやリヤキャリアを追加したツーリングセローも用意される。
【YAMAHA SEROW250 FINAL EDITION】■全長2100 全幅805 全高1160 軸距1360 シート高830(各mm) 車重133kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 249cc 20ps[14kW]/7500rpm 2.1kg-m[20Nm]/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量9.3L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤサイズF=2.75-21 R=120/80-18 ● 色:緑 赤 ●価格:58万8500円
フロントフォークのストローク量は225mmと長めに確保。リヤはボトムリンク式だ。セミダブルクレードルのフレームはトリッカーがベースで、これにフロント21/リヤ18インチのホイールをセット。
シート高は830mm。乗車1Gで前後サスが程よく沈むので足着き性は抜群にいい。着座位置の自由度にも優れる。[身長175cm/体重62kg]
’05年のフルモデルチェンジで排気量を249ccに引き上げ、フューエルインジェクションを採用した空冷SOHC2バルブ単気筒は、低回転域で粘り強く、スロットルを開ければストレスなく伸び上がる。最高出力は20psなので決してパワフルではないが、同じ250ccのMT-25より車重が36kgも軽く、しかもレスポンスがいいので、数値から受ける印象以上に街中でもキビキビと走ってくれる。タコメーターがないのでギヤ比とタイヤ径から計算したところ、トップ5速100km/hでの回転数はおよそ6500rpm。その領域でも高速巡航を余裕でこなせる一方で、林道ではトコトコと流せるだけの柔軟性がある。実に良く調教されたエンジンなのだ。
初代はキック始動だったが’89年にセルスターターを採用。’05年のフルチェンジで排気量を223→249ccに拡大し、合わせてキャブからFI へ、ミッションは6→5段となった空冷SOHC2バルブ単気筒。’18年にサイレンサーの出口径が拡大され、キャニスターを増設。
ハンドリングは、トレール車のお手本といっても過言ではない。スロットルのオンオフだけでスムーズに車体がピッチングするので、操縦に意識を向けなくても気持ち良く旋回する。その上で、舗装された峠道ではステップを擦るほどペースを上げられたり、林道ではトライアル的な走りにチャレンジすることもできてしまう。こうした懐の広さはスペックに現れない部分であり、セローらしさとして支持されてきた最大の理由。それをあらためて実感した。
標準装着タイヤは低騒音にも配慮したブリヂストンの専用品で、軽量アルミリムはゴールドとされる。ブレーキディスク径はフロントにφ245mm、リヤにφ203mmを採用する。
ヤマハ セロー250の最新相場情報
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ヤマハ [YAMAHA])
初代バットサイクルはヤマハの250バイクがベース 今回ご紹介するのは1966年に全米で放送されたバットマンのテレビドラマシリーズに登場したバイク。その名も「バットサイクル」と呼ばれる側車付きバイク、い[…]
フラッグシップの最速争いに対抗しながらスーパースポーツの牙城を崩さないハンドリング重視を貫く! 1985年に水冷DOHC5バルブのFZ750をリリース、パフォーマンスでトップクラスへ踊りでたヤマハは、[…]
エジプトのファラオラリーでテネレが切り開いた砂漠走破を2スト250レプリカエンジンが成し遂げた! 1987年の東京モーターショーに、ヤマハはファンの意表をつくモデルを発表した。直前にエジプトの砂漠を4[…]
RZ250の完成度を高めずにいられないライダー揃いの開発陣! ’80年代の2スト人気に火をつけたRZ250。排気ガス規制などで2ストロードスポーツが終焉を迎えたといわれていた空気を、水冷化をはじめすべ[…]
ヤマハで初の75°Vツインをヨーロピアンスポーツでも展開! 1980年秋、ヤマハはIFMA(ケルンショー)で初めて750ccのVツインをお披露目した。 大型バイクはDOHC4気筒であることが条件のよう[…]
最新の関連記事(SR400)
〈1984年10月〉SR400LTD[34F]:SR7周年記念モデル SRの発売7周年記念モデルとして、400のみ1000台限定で発売。現在では、SR限定モデルの定番ともいえるグラデーションのぼかし塗[…]
〈2000年2月〉SR400[3HTB]:最終ドラムブレーキモデル ドラムブレーキの最終モデルだ。1999年のブラックゴールドは継続。ダークパープリッシュレッドカクテル3が廃止され、グロリアスマキシブ[…]
〈1988年8月〉SR400[3HT1]/500[3GW1]:負圧式キャブ採用 負圧式BSTキャブレターに変更して始動性や加速性を向上。カムシャフトも変更して、扱いやすさを高めた。エアボックスの容量ア[…]
〈1983年3月〉SR400[34F]/500[34A]:STDもスポークホイール化 標準モデルもスポークにマイナーチェンジ。新設計のピストンリングやバルブ、オイルライン等も見直して耐久性を高め、セミ[…]
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
人気記事ランキング(全体)
初代バットサイクルはヤマハの250バイクがベース 今回ご紹介するのは1966年に全米で放送されたバットマンのテレビドラマシリーズに登場したバイク。その名も「バットサイクル」と呼ばれる側車付きバイク、い[…]
高機能な開発の傍らでマイノリティ好きな感性のファンにも応えるカワサキ! 1985年、カワサキはライバルたちのレーサーレプリカに迎合しない、フルカバードボディのGPZ400Rをリリースした。 ただ驚いた[…]
伝説の始まり:わずか数か月で大破した959 1987年11月6日、シャーシナンバー900142、ツェルマットシルバーの959はコンフォート仕様、すなわちエアコン、パワーウィンドウ、そしてブラックとグレ[…]
短期間でよくぞここまで……! のヤマハV4 マレーシア公式テストの現地ナマ情報第2弾は、ついにV型4気筒エンジンにスイッチし、スーパーバイク世界選手権(SBK)チャンピオン、トプラック・ラズガットリオ[…]
ワークマンプラス上板橋店で実地調査! 全国で800を超える店舗を展開。低価格でありながら高機能のワークウエアを多数自社ブランドにてリリースし、現場の作業着のみならずカジュアルやアウトドアユースでも注目[…]
最新の投稿記事(全体)
型崩れを防ぐEVA素材と整理しやすい内部構造 布製のサドルバッグにおける最大の欠点は、荷物が入っていない時に形が崩れ、見た目が損なわれることにある。しかし、本製品はマットフィルムとEVAハードシェル素[…]
箱根ツーリングがもっと便利に! ユネッサンに専用バイクピットが誕生 関東圏のバイカーにとって人気のツーリングスポットである箱根だが、美しい絶景が楽しめる一方でバイクに対応した観光施設は少なく、駐車場所[…]
新色はダークグレー、マットブルー、ホワイトの3色 ヤマハは、原付二種スクーター「アクシスZ」にニューカラー3色を設定。継続色のブラックと合わせて全4色のラインナップとし、2026年3月31日に発売する[…]
強いオリジナリティを求めていたスズキの意欲と結びついたプロジェクト スズキが1976年からGS750で手がけた4ストローク化は、ヨシムラとタッグを組んでプロダクション・レースへ積極的に参加するなど、そ[…]
Eクラッチ普及計画が進行中! Eクラッチと電子制御スロットルが初めて連携 ホンダは「第42回 大阪モーターサイクルショー2026」、「第53回 東京モーターサイクルショー2026」、「第5回 名古屋モ[…]
- 1
- 2
















































