
中国のバイクメーカー、CFMOTOがEICMA2025で発表したSSは観客だけでなく、レース関係者の度肝を抜いたとされています。あたかもWSBKをターゲットにしたかのような「V4 SR-RR PROTOTYPE」は、噂どおり210HPを発揮するV4エンジンをはじめ、電動アクティブウィングなど先鋭的なメカ全部載せ! 近い将来、生産が始まるというマシンの詳細をご紹介しましょう。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:CFMOTO
2023年からV4エンジンの開発は始まっていた
CFMOTOは、すでに2023年のEICMAでスーパースポーツ向けV4エンジンのプロポーザルを行っており、昨年はV4搭載マシンのモックアップモデルを展示。そして、今回発表されたV4 SR-RR PROTOTYPEはすでに走行テストが進行中とされています。同時に、210HPという最高出力や、車重200kg未満といったデータを公開し、1hp/kg以上の性能を明らかにしています。
中国からのニューカマー、CFMOTO V4 SR-RRプロトタイプ。EICMA2025で、ついにその全貌が明らかにされました。
また、2023年の時点ではKTMとの共同開発としていたものの、今回のエンジンは完全に自社開発と発表しています。そして、レース参戦をほのめかす情報、すなわち、排気量997cc、逆回転クランク、ユーロ5+排出ガス規制への適合なども公表しており、今回のプロトタイプは市販車にほど近いものに違いありません。
仮想敵はやっぱりドゥカティか⁉
スタイリングは最近のスーパースポーツに通じるもので、空力性能に大きくシフトしていることが窺えます。前述の通り、フロントのウィングレットは電動制御による可変式となっており、EICMA会場ではデモンストレーションが大きな話題となった模様。これは速度に応じて動くアクティブエアロとされており、迎角を調整し、速度や乗り心地に応じて自動かつリアルタイムでダウンフォースを、または低抗力のセットアップに変化するというもの。
ダウンフォースや低抵抗ポジションへと走行状況に応じて変化するという電動アクティブウィングを装備したV4 SR-RR。
ちなみに、同様のアクティブウィングはデモンストレーションこそされなかったものの、昨年のEICMA2024でビモータが発表したKB998リミニにも装備されていました。レースはさておき、公道上でのトレンドとなりそうなデバイスといえるでしょう。トレンドといえば、リアにはパニガーレV4と同じくアルミ製のスイングアームピボットブラケットがあり、リアシリンダーヘッドとトランスミッションにボルトで固定されています。また、アルミ製のフロントフレームもドゥカティに寄せてきた感もあり、ガチンコのレースに期待が高まるというもの。
エンジンは車名の通り997ccのV4で、逆位相クランクやチタンコンロッドなどを使って210HPの最大出力が公表されています。
ランニングプロトとショーモデルの違い
CFMOTOはEICMAに展示されたショーモデルとは別に、カモフラージュしながらもランニングプロトの写真も公開しています。これを見ると、ショーモデルのフロントキャリパーはMotoGP仕様のブレンボが装備され、ランニングプロトはいわゆるハイピュアキャリパー、また、フットペグのブラケットもプロトでは前後スライド調整式マウントなどいくつかの差異があるのがわかります。ショー会場でのコメントによれば、カモフラのほうがより市販車に近いとの証言もありました。
2026年には生産がスタートするとされており、すぐさまWSBKへの参戦もあり得るかと。すでに、Moto2や3での参戦もしている同社だけにカテゴリーのアップグレードを目論むのも当然。一方で、市販スポーツモデルも675SR-Rで高い評価を受けているだけあって、欧米での注目度は急上昇。果たして、市販型V4 SR-RRがどんな戦闘力を発揮してくれるのか、これからも目が離せそうにありません。
ショーモデルが装着していたのはピレリのコントロールタイヤで、いかにもレース参戦を予告するかのよう。
珍しくプロトタイプの走行シーンも公開され、カモフラ姿ながらスーパースポーツらしい走りやウィングの様子が見て取れます。
ショーモデルらしく、アクラポヴィッチ製エキゾーストシステムやMotoGP仕様のキャリパーなどが使われていますが、市販モデルはカモフラのプロトがより近いとか。
マフラーやキャリパーのみならず、フットペグが前後スライド可能なマウントになっているのもご注目。2026年の市販モデルではどうなることやら、期待が膨らみます。
市販モデルでは採用される可能性が低いとされているアクラポ(あるいは公道仕様のアクラポを採用?)ですが、レースで使用されるのはまず間違いありません。
1989年に中国浙江省杭州市で設立されたCFMOTOですが、仮にMotoGP参戦となると、その急成長ぶりには驚かざるを得ません。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車) | 新型スーパースポーツ)
サーキット専用「AMB 001」を経てついに解禁!公道を駆けるロードスター 英国の四輪ラグジュアリーブランドであるアストンマーティンと、伝統の二輪メーカーであるブラフシューペリアの提携が生み出した「A[…]
レース由来の超軽量鍛造ホイールと専用コックピットがもたらす旋回性能 新型パニガーレV2 MM93およびパニガーレV2 FB63は、ベースモデルとなるパニガーレV2 Sの基本設計を受け継ぎつつ、サーキッ[…]
R1のDNAとYCC-Tを凝縮。クラス最軽量149kgを掲げたYZF-R2の全貌 インドで世界初公開されたヤマハの新型YZF-R2は、急成長を続ける200ccプレミアムスーパースポーツセグメントに向け[…]
中国国内の最高速記録を叩き出した「V4 SR-RR」 2026年6月15日、中国江西省の上饒(シャンラオ)自動車試験場。そこで中国のモーターサイクル史を塗り替える歴史的な瞬間が訪れた。CFMOTO(シ[…]
フェラーリF1直系の超軽量カーボン構造。先入観は今すぐ捨てるべし このマシンを開発したのは、元フェラーリF1のエンジニア、ヴィンセンツォ・マッティア。2017年にVINS社を立ち上げつつ、すでに201[…]
最新の関連記事(新型大型二輪 [751〜1000cc] | 新型スーパースポーツ)
製造工程の見直しで熟成!スペック維持で登場した最新「2027年モデル」 ヤマハ発動機は、3気筒スーパースポーツフラッグシップ「YZF-R9 ABS」の最新仕様となる2027年モデルを発表した。プロダク[…]
2021年モデルで国内導入が終了した過給モンスターが帰ってきた! 2015年に登場したNinja H2は、「誰も経験したことのない走行体験を実現する」という目標のもと、川崎重工業グループのガスタービン[…]
レース由来の超軽量鍛造ホイールと専用コックピットがもたらす旋回性能 新型パニガーレV2 MM93およびパニガーレV2 FB63は、ベースモデルとなるパニガーレV2 Sの基本設計を受け継ぎつつ、サーキッ[…]
不等間隔爆発とスロットルシンクロが生み出す極限のリニアトルク YZF-R1は、1998年に欧州仕様の販売を開始して以来、スーパースポーツカテゴリーを牽引してきたヤマハモーターサイクルのフラッグシップモ[…]
マン島TTの英雄マクギネスの30周年を祝う!15台限定の特別限定車 CBR1000RR-RファイアブレードSPは、すでに日本国内でも正式に販売され、サーキットを愛する多くのスーパースポーツファンから圧[…]
人気記事ランキング(全体)
一度は希少になった「400cc×4気筒」が、いま再びアツい! いま、400ccクラスの4気筒エンジンに再び注目が集まっている。 そもそも400ccと4気筒の組み合わせは、日本のバイク史において決して新[…]
フレディのヒザ擦りに沸くも80sライダーは個性派揃い!! ケニー・ロバーツによって確立された“ハングオフ”は、瞬く間にGPシーンに浸透。イン側のヒザを路面に擦るシーンも目にするようになったが、ロバーツ[…]
「Z1超え」を果たした世界最速の伝説。GPZ900R Ninjaが持つ永遠のロマン カワサキモータース全面協力!3Dスキャンで純正車を1/4スケール再現 本シリーズで完成するのは、現存する実車が極めて[…]
400cc4気筒が若者たちの憧れになった時代 日本で400ccクラスのスポーツバイクが大きな存在感を持つようになった背景には、1975年に変更された二輪免許制度がある。新たな制度では400ccを境に免[…]
7月の欧州発表から待望の日本解禁!「SV-7GX」が10月13日発売 スズキは、2026年7月8日に欧州で公開されていた新型クロスオーバーモビリティ「SV-7GX」を、2026年10月1日に日本国内向[…]
最新の投稿記事(全体)
移転先は、交差点を渡ったすぐ近所 今回移転するドゥカティ大阪ノースは、自動車メーカーで、自動車販売ディーラーやBMW Motorradディーラーを展開する光岡自動車が経営するドゥカティ部門のショップだ[…]
2026年11月1日(日)に開催される「SKTR SHIMANAMI 2026」は、“いつ・どこから出発してもOK、決まっているのはゴールだけ”という超自由度の高いフリースタイル・ツーリングイベントだ[…]
ツーリングの「冷え」を克服!ライダーを支えるワークマンの防寒性能 秋が深まり冬の気配が近づくにつれて、バイク走行時の冷風や道の駅での休憩、キャンプツーリング時の冷え込みは増していく。特に首元や手首・足[…]
第1位:免許不要で乗れるクラシックバス風4輪特定原付「Blue Jay」 16歳以上なら免許不要で乗れる4輪特定原付「Blue Jay」が堂々の1位を獲得した。クラシックバス風の全天候型ボディと丸ハン[…]
雨でバイクに乗れなさすぎて、そろそろ気が狂いそうだった女の1日。 皆様こんにちは~。指出瑞貴です♪ 30日間以上、連続雨という東南アジアのような不思議なお天気ですね。自分の休み[…]
- 1
- 2










































