
1992年に登場し、幾度かのモデルチェンジを経ながら400ccネイキッドカテゴリーを長らく牽引し続けてきたホンダCB400スーパーフォア。惜しくも2022年10月の生産終了とともに、約30年の歴史を終えてしまったが、今でも復活を望む声が大きい人気モデルだ。その変遷を振り返りたい。1999年モデルではフルモデルチェンジが実施され、今やCB400スーパーフォアの代名詞となった可変バルブ機構、ハイパーVTECが初搭載された。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダ
「直押しタイプ」としては量産車世界初の機構「ハイパーVTEC」
1992年の発売開始以来、400ccネイキッドの世界で王座を維持してきたCB400スーパーフォアは、その地位を盤石にするべく、1999年型でフルモデルチェンジを敢行。その最たるアップデートが、動弁系に採用された可変バルブ機構、ハイパーVTECだ。これは1983~1985年型CBR400FのREVや、4輪のVTECとはまったく異なる構成で、当時のスポーツバイクの主流だった直打式カム&バルブのままで(REVと4輪のVTECはロッカーアーム式)、油圧を用いて1気筒あたりの作動バルブ数を2→4へ切り替えていた。
低中速回転域では2個、6,750回転を超える高速回転域では4個に切り換えつつ、常に作動する常用側と、休止側バルブそれぞれに、最適なバルブタイミングを与えるカムプロフィールを設定。これにより、低中速回転域と高速回転域それぞれで力強い出力特性が実現されていた。また、燃料消費率を従来モデルの34.7km/L→37.0km/Lへと、6.6%向上させていたことも画期的だった。
HONDA CB400SUPER FOUR[1999 model]
主要諸元■全長2050 全幅725 全高1215 軸距1070 最低地上高130 シート高760(各mm) 車重188kg(装備) ■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps/11000rpm 3.9kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L ■タイヤサイズF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:60万9000円〜 ●色:銀、青、黒 ●発売日:1999年2月23日
【HONDA CB400SUPER FOUR[1999 model]】フォースシルバーメタリック(ストライプパターン)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 名車/旧車/絶版車)
初代はスポーツモデル:1975年ゴールドウイング(GL1000) 1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場で[…]
実質的な速さで4気筒に挑む 2020年モデルでは、3psのパワーアップを果たし、スリッパークラッチの標準装備と、クイックシフターをオプションに新設定し、同年デビューのカワサキ・ニンジャZX-25Rに対[…]
マットシルバーにブラウンゴールドのアクセント 扱いやすく十分なパワーの水冷直4エンジンを搭載し、ABSも標準装備し、年々熟成を高めていた「CB400スーパーフォア」。初心者からベテランまで多くのライダ[…]
パワーそのままに排ガス規制適合 2023年モデルが発売されたのは、2023年1月26日のこと。2021年のフルモデルチェンジした2021年モデルをベースとしながら水冷4バルブ単気筒エンジン「eSP+([…]
実測最高速度は246km/h:ホンダVF1000R 誕生の背景 ホンダが開拓したビッグバイク市場は1970年代から激戦区となり、各社が威信をかけて高度な技術を投入した。 そんな中、ホンダは他社が追随で[…]
最新の関連記事(CB400SF/SB)
マットシルバーにブラウンゴールドのアクセント 扱いやすく十分なパワーの水冷直4エンジンを搭載し、ABSも標準装備し、年々熟成を高めていた「CB400スーパーフォア」。初心者からベテランまで多くのライダ[…]
ABS標準装備で安全性能アップ 発売は、2018年11月26日。2019年モデルのスーパーフォアには、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が標準装備された。防風効果の高いハーフカウルを装着したス[…]
排出ガス規制に合わせつつパワーアップ&各部熟成 ライバルがこぞって生産終了するなか、貴重な直4・400ネイキッドとなっていたCB400スーパーフォア(SF)&スーパーボルドール(SB)。2017年10[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
2007年に「感動創造」をテーマにプレミアムなモーターサイクルを提案! 2007年の東京モーターショーに、ヤマハは異彩を放つショーモデルをローンチ。 その名もXS-V1 Sakuraと、和をアピールす[…]
英国生まれインド育ち:クラシック風味に全振りしたモデル 現存するオートバイブランドでは最古(大元のジョージ・タウンゼンド・アンド・カンパニーの創業は1851年! )と呼ばれ、1901年にオートバイの生[…]
カワサキが提案する、クリーンでファンな未来のパワーユニット=2スト! 世界中から注目を集める大阪万博。この巨大イベントはまさに国家プロジェクトだが、このイベントにカワサキが出展。 そのカワサキブースの[…]
フルフェイスが万能というわけでもない ライダーにとって必需品であるヘルメット。みなさんは、どういった基準でヘルメットを選んでいますか。安全性やデザイン、機能性等、選ぶポイントはいろいろありますよね。 […]
なんと“MotoGP全サーキット”を100均ハンガーで再現! 筆者はまったく門外漢なのですが、なんでも鉄道ファンには「乗り鉄」「撮り鉄」「模型鉄」など、趣味や嗜好によって、たくさんの棲み分けがあるんだ[…]
最新の投稿記事(全体)
2005年に新しいフラッグシップとして東京モーターショーに出現! 2005年の東京モーターショーに、スズキは突如6気筒のコンセプトモデルをリリースした。 その名はSTRATOSPHERE(ストラトスフ[…]
いまも動き続ける伊豆半島。地形も人の営みもつくった 伊豆半島の「田方(たがた)平野」という地名は、当地を訪れるツーリングライダーにどれぐらい認知されているだろうか。ちなみに筆者は知りませんでした(爆)[…]
地味に迷ってない? スパナのサイズ選び スパナやレンチのサイズ選びって、地味に迷いますよね。もちろん、バイクメンテのエキスパートともなれば、見ただけでボルトやナットのサイズがわかるものですが、ビギナー[…]
重点的な交通取締り場所は決まっている 安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なく[…]
利便性そのままにさらにスタイリッシュに 2025年モデルが発売されたのは、2025年2月6日のこと。おもな変更点は外観デザインで、前まわりでは新形状のヘッドライトの採用やメーターの装飾変更、シルバーの[…]
- 1
- 2