
原付二種が大人気…とはいうけれど、いまや国産ファンバイクやミニモトは原付二種オンリー。しかも、ほとんどがホンダ!! もはや原付二種人気はホンダが支えているといって過言でない。本記事では、ホンダの横置き125エンジンを共有する5台の車両を、編集部が独断と偏見で構成したレーダーチャートを用いて分析する。※分布図と採点は編集部の独断と偏見によるものです。
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD ●外部リンク:ホンダ
ファンバイクは”個性”重視。けっこう選びやすい
ホンダの125ccには本格スポーツのCB125Rがあるし、原付二種まで範囲を広げたらクロスカブ110も入ってくるし、スクーターやビジネス車(公道走行、一般購入可能)が8車種もある。なんという充実のラインナップ! 原付二種人気の高まりの源流は、ホンダにあることは間違いない。
さて大攻勢のホンダ125に話を戻し、最初に示したファンバイク分布図とともに、車両構成を見てみよう。1970~1980年代の空前のバイクブームを経験した熟年ライダーの方なら、当時の50cc勢力図とよく似ているコトに気づくハズ。「いや、モンキーもダックスもリバイバルだから当前だろう」という声も聞こえそうだが、そういう意味じゃないのだ。ライダーの属性を見極めて配置しているという点に、着目してほしい。
たとえばモンキーとグロムはともにMT5段ミッションを装備しスポーツ度を高めているが、ファイター系ネイキッドをギュッと圧縮したようなスタイルやモノサスを装備するグロムと、50cc時代から続く昔ながらのバイクらしいカタチのモンキーでは、明かにライダーの好みが分かれる。
それにダックスともなれば、明確なスポーツ性よりイージーライドやとっつきやすさを強調しているところがモンキーと異なる。そして実用車のスーパーカブがベースにもかかわらず、ハンターカブCT125とスーパーカブC125が図の両端に位置するのも興味深い点だ。
他にも分布図を見て気づくのが、真ん中が空白なところ。「広く皆様に」を狙うなら、真ん中にくるモデルがあるハズだが、「趣味の乗り物であるバイクには当てはまらない」というトコロをホンダはキッチリ見抜いているわけだ。
その意識でここから示す、各モデルのレーダーグラフを見ると面白い。なんとなく平均点が高そうなイメージのスーパーカブC125も、じつはそうではなかったりする。その意味ではダックス125がいちばん“全方位バイク”と言えるかもしれない。
カブってじつはハイソ!? お洒落に乗るならコレ〈スーパーカブC125〉
1958年に登場し、配送やコミューターとして日本はじめ世界の経済を支えてきたスーパーカブ。2024モデルでは赤いシートを組み合わせたパールボスポラスブルーが新登場した。レッグシールドから繋がる滑らかな曲線やカラーも再現されており、カブのフラッグシップは伊達じゃない!
【HONDA SUPERCUB C125】◼︎空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 9.8ps/7500rpm 1.0kg-m/6250rpm ◼︎110kg シート高780mm 3.7L ◼︎タイヤF=70/90-17 R=80/90-17 ●色:パールボスポラスブルー/パールネビュラレッド/マットアクシスグレーメタリック ●価格:45万1000円 ●発売日:2024年3月28日
お洒落で完成されたスタイルだけに、積載性を高めるカゴやボックスの選択が難しそうで、カスタムの敷居も高そう。タンデムには純正アクセサリーのピリオンシートが必要。
キャンプツーリング行きたい! 土香る野生派カブ〈CT125ハンターカブ〉
1981年にスーパーカブから派生したトレール&牧羊バイクCT110は、生産終了後もカブファンならずとも高い人気を誇った。そして2020年の復活125が、ファンにはオマージュ度で、新世代ライダーは他にないスタイルに惹かれて空前の大ヒット! 形で選んで間違いなしの1台だっ。
【HONDA CT125 HUNTER CUB】◼︎空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 9.1ps/6250rpm 1.1kg-m/4750rpm ◼︎118kg シート高800mm 5.3L ◼︎タイヤF=80/90-17 R=80/90-17 ●色: パールシュガーケーンベージュ/パールスモーキーグレー/グローイングレッド ●価格:47万3000円 ●発売日:2024年12月12日
ブロックタイヤ/ストロークの長いサスペンション/高い地上高による走破性や、大型キャリアの積載性は右に出るモノなし! タンデムステップは付いているけど、ひとり乗り前提かも…。
小さいけれどカスタムの巨人〈モンキー125〉
乗ってイジって遊べる50ccバイクとして、1967~2017年の50年間トップに君臨! そして2018年に125クラスで見事復活したファンバイク。愛らしいフォルムとMT5速の快活な走りが多くのファンを獲得し、50cc時代同様に、数多くのカスタムパーツが揃っているのもうれしいポイントだ。
【HONDA MONKEY125】◼︎空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 9.4ps/6750rpm 1.1kg-m/5500rpm ◼︎104kg シート高776mm 5.6L ◼︎タイヤF=120/80-12 R=130/80-12 ●色:ミレニアムレッド2/パールカデットグレー/シーンシルバーメタリック ●価格:45万1000円 ●発売日:2024年7月25日
乗りやすさの評価はMT操作の捉え方で変わるかも。実用性でモンキーを選ぶ人は少なそうだし、ノーマルだと積載性は期待できないが、カスタムでいかようにも対応できる。※タンデム不可
カッ飛びミニモト。本格レースもあるぞ〈グロム〉
アジアや欧州でも高い人気を誇るスポーツミニモトだけに、モデルチェンジも頻繁で新型エンジンの投入もグロムからスタートするパターンが多い。エンジンパーツやチューニングパーツも数多く、HRCからレースベース車が販売され、シリーズ戦も開催されているスポーティーな1台だ。
【HONDA GROM】◼︎空冷4スト単気筒SOHC 123cc 10ps/7250rpm 1.1kg-m/6000rpm ◼︎103kg シート高761mm 6.0L ◼︎タイヤF=120/70-12 R=130/70-12 ●色:パールホライゾンホワイト/マットガンパウダーブラックメタリック ●価格:39万500円 ●発売日:2024年3月14日
MTだからグロムを選択する…という人が多いだろうから、乗りやすさの評価は限定的。ダブルシート装備とはいえタンデムはちょっと厳しいかも。ファン思いのカスタム前提の設計は◎。
皆で楽しむファミリー&レジャースニーカー〈ダックス125〉
胴長短足のとっつきやすいフォルムは、昔も今もバイク好きだけでなく多くの人に愛される。開発陣がルックスはもちろん、扱いやすさとタンデムにとことん拘ったというだけに、気軽で家族や仲間と楽しむならこの1台がおすすめ!
【HONDA DAX125】◼︎空冷4ストSOHC単気筒2バルブ 123cc 9.4ps/7000rpm 1.1kg-m/5000rpm ◼︎107kg シート高775mm 3.8L ◼︎タイヤF=120/70-12 R=130/70-12 ●色:パールシャイニングブラック/パールグリッターリングブルー/パールカデットグレー ●価格:45万1000円 ●発売日:2024年8月22日
イージーライド優先でのクラッチ操作レスの自動遠心4段の採用や、ロングシート&フレーム固定のタンデムステップなど、乗りやすさとタンデム性能はピカイチだ。
〈番外編〉「モトラ」再登場に期待!
モンキーやハンターカブの復活で活況なホンダの125。そこでヤングマシンがぜひとも出て欲しいと思っているのが、ヘビーデューティーモデル「モトラ125」だ。流行りのキャンプツーリングでもハンターカブと勝負できそうだし、万一の災害時にも活躍しそう。2025年のモーターサイクルショーでぜひ!!
時代が求めるヘビーデューティ原付二種だッ!※CG
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型原付二種 [51〜125cc])
スーパーカブ110はオレンジを廃止、クロスカブ110には新色×2を追加 ホンダは、「スーパーカブ110」「スーパーカブ110 プロ」「クロスカブ110」「クロスカブ110・くまモン バージョン」を価格[…]
地面を感じる直進安定性で日常の移動を安心快適に 決勝レース1で自己最高となる2位を獲得した第3戦を終え、全日本ロードレース選手権は8月下旬まで約2ヵ月間の夏休み。その間もいろいろと忙しいのですが、やっ[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
125ccのMTバイクは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)[…]
Honda CUV e:(2025) Hondaが「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向けた取り組みの一環として進めている、2輪車の電動化。その歴史は1994年の「CUV-ES」から始まり、[…]
最新の関連記事(CT125ハンターカブ)
67年前に独自の車体構成で誕生したスーパーカブ 今から67年前の1958年に誕生したスーパーカブC100は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏と専務の藤澤武夫氏が先頭に立って、欧州への視察などを通じて新機軸の[…]
情報量が渋滞しすぎィ! ホンダは本日、突如としてHonda×Kuromiのスペシャルサイトを公開。Kuromiとはサンリオのキャラクターで、自称マイメロディのライバルだ。サンリオの公式ページには「乱暴[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
人気記事ランキング(全体)
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
ヤマハの社内2stファンが復活させたかったあの熱きキレの鋭さ! 「ナイフのにおい」R1-Z の広告キャッチは、ヤマハでは例のない危うさを漂わせていた。 しかし、このキャッチこそR1-Zの発想というかコ[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
高機能なウィンタージャケットを手に! 今だけ34%OFF コミネの「JK-603」は、どんなバイクにも合わせやすいシンプルなデザインのショート丈ウィンタージャケットである。 見た目の汎用性の高さに加え[…]
電子制御CVTがもたらすワンランク上の加速性能 ヤマハ軽二輪スクーターのNMAX155は、ʼ25年型で大幅進化。パワーユニットの熟成、リヤのストローク5mm延長を含む前後サスペンションのセッティング最[…]
最新の投稿記事(全体)
1948年創業、1958年にスーパーカブが誕生し、その後は誰もが知る世界一のメーカーに 2023年に創業75周年を迎えた本田技研工業は、1949年にフレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、ドリー[…]
元々はブレーキ液の飛散を防ぐため フロントブレーキのマスターシリンダーのカップに巻いている、タオル地の“リストバンド”みたいなカバー。1980年代後半にレプリカモデルにフルードカップ別体式のマスターシ[…]
まずはレーシングスクールから! そもそもプロレーサーって、レースだけで収入の全てを賄っている人というのが一般的なイメージなんでしょうけど、残念ながらそういった人は全日本でもほんの一握り。では、プロレー[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
コンパクトな新エンジンの効用をより強く感じられる新作ストリートファイター ストリートファイターV2シリーズのハイライトは、やはり新設計のV2エンジンにある。旧型比-9.4kgのシェイプアップを行うと共[…]













































