
AT小型限定普通二輪免許で運転できて、コスパに優れ積載性も確保しているのが原付二種スクーターだ。125ccが主流だが、コスパが特にいいのは数少ない110ccクラス。国内メーカーでラインナップするのはホンダ、ヤマハ、スズキの3社だ。
●文:ヤングマシン編集部
通勤エクスプレスには低価格も重要項目!
日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気軽さも持ち合わせている。
小径タイヤにコンパクトな車体、オートマチック設定によりハンドレバーで前後ブレーキを操作でき、シート下にはヘルメットなどを収納できるスペースも。ハンドル下にも小物入れがあり、カバンなどを背負ったり車体にくくり付けたりする必要なく便利に使うことができる。
そんな実用性の高い原付二種スクーターだが、価格帯は大きく分けて20万円台の普及価格路線と30万円台のプレミアム路線に分布している。通勤通学などがメイン用途になる場合は、コスパもしっかり計算に入れて購入を計画したい。
そんなわけで今回は、20万円台の原付二種スクーター5機種(+1機種)を紹介しよう。
20万円台・原付二種スクーターのメリットは?
安い!
そもそも価格で分類しているので当然とも言えるが、バイクだけでなく世の中の物価が上昇している中でこの価格を実現しているのは素直に素晴らしい。燃費もリッター50km前後と優れており、タイヤなどの消耗品も廉価だ。原付一種(50cc以下)と同様に任意保険のファミリーバイク特約も使えるが、バイク保険に比べて補償内容は限られるので検討の余地あり。
原付一種に比べて制限が少ない
二段階右折が不要で30km/hの速度制限がなく、タンデム走行可能。ただしタンデムは二輪免許を取得してから1年が経過してからでないと違反になるので注意が必要だ。
軽量コンパクト
ホイール径もあまり大きくないモデルが多く、車体は軽量コンパクト。駐車スペースが狭くても対応しやすく、小回りも利く。
20万円台・原付二種スクーターのデメリットは?
質感は高くない
コスパ重視の車体造りとされているため高級感はない。メーターやメインキーも一般的なものが使用され、多機能はあまり期待できない。
収納スペースや快適性はそこそこ
30万円台クラスに比べると収納スペースはやや小さめで、フルフェイスヘルメットは入らない機種も。コンパクトな車体と引き換えに、乗り心地やタンデム走行の快適性などもそこそこレベル。とはいえ実用には十分だ。
高速道路を走れない
125cc以下の全機種に共通だが、高速道路や自動車専用道路を走行することはできない。そのぶん保険料などが安く済んでいると考えれば大きなデメリットではないはず。
【2024年7月版】コスパで選ぶ 国内メーカー原付二種スクーター5選!
ホンダ ディオ110(21万7800円~)
ホンダ ディオ110(21万7800円~)
空冷単気筒エンジンを搭載する通勤快速スクーターで、やや大径の前後14インチホイールを採用することで走破性を向上しているのが特徴。2023年のマイナーチェンジ時に廉価仕様の「ディオ110ベーシック」が追加された。ディオ110ベーシックは、標準仕様のディオ110からスマートキーを省略した代わりに、盗難抑止に効果を発揮するシャッター付キーシリンダーのイグニッションキーを採用している。とはいえ、スマートキー装備の標準仕様でも車両価格は25万3000円と、下記に紹介する125ccモデル群に較べるとコスパでは優勢だ。シート下スペースの容量は約18L、WMTCモード燃費は55.6km/L(クラス1、1名乗車)。
主要諸元■全長1870 全幅685 全高1100 軸距1255 シート高760(各mm) 車重109kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 109cc 8.7ps/7500rpm 0.92kg-m/5750rpm 無段変速 燃料タンク容量4.9L■タイヤサイズF=80/90-14 R=90/90-17 ●価格:21万7800円~ ●色:ベーシック=白、黒、灰/標準仕様=濃灰 ●発売日:2023年3月16日
ヤマハ ジョグ125(26万4000円)
ヤマハ ジョグ125(26万4000円)
ヤマハの原付二種スクーターで最も廉価であり、125ccフルスケールのエンジン搭載車としては国内メーカーで最廉価。シート高735mmや車重95kgといった、小柄なライダーにも優しいスペックが並ぶ。走行時に発電し、始動時にはスターターモーターとして働くスマートモータージェネレーターや、左レバーを引くことでフロントブレーキも作動する前後連動型「UBS」などを装備している。シート下スペースの容量は約21.3L、WMTCモード燃費は51.9km/L(クラス1、1名乗車)。
主要諸元■全長1740 全幅675 全高1090 軸距1205 シート高735(各mm) 車重95kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc 8.3ps/7000rpm 1.00kg-m/5000rpm 無段変速 燃料タンク容量4.0L■タイヤサイズ前後=90/90-10 ●価格:26万4000円 ●色:空色、赤、黒、白 ●発売日:2024年3月19日
スズキ アドレス125(27万3900円)
スズキ アドレス125(27万3900円)
1991年に発売されたアドレスV100(2ストローク)の“通勤快速”というコンセプトを受け継ぎつつ、のちに“通勤快適”となった4ストローク・アドレス125の最新版。2022年に初登場した現行モデルは、それまでのシャープなイメージから丸みを帯びたクラシカルなデザインになったが、快適性と実用性にこだわったアドレスらしさは不変だ。シート下スペースの容量は未発表、WMTCモード燃費は53.8km/L(クラス1、1名乗車)。
主要諸元■全長1825 全幅690 全高1160 軸距1265 シート高770(各mm) 車重105kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc 8.7ps/6750rpm 1.0kg-m/5500rpm 無段変速 燃料タンク容量5L■タイヤサイズF=90/90-12 R=90/100-10 ●価格:27万3900円 ●色:青、赤、白、黒 ●発売日:2022年10月18日
ヤマハ アクシスZ(28万500円)
ヤマハ アクシスZ(28万500円)
約37.5Lという大容量シート下スペースにはジェット型ヘルメットを2個収納可能、燃料タンク容量もジョグ125より1.5L大きく、高い実用性とコスパを両立しているのがアクシスZだ。2022年のマイナーチェンジでは、エンジンを最新排出ガス規制に適合させながら0.1ps&0.01kg-mのパワー&トルクアップを果たしたほか、静粛かつ振動の少ないエンジン始動をもたらすSMG(スマートモータージェネレーター)、リヤブレーキ操作でフロントも利くUBSを採用し、ヘッドライトの光量アップも実施された。2023年11月に価格改定。WMTCモード燃費は51.9km/L(クラス1、1名乗車)。
主要諸元■全長1790 全幅685 全高1145 軸距1275 シート高770(各mm) 車重100kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc 8.3ps/7000rpm 1.00kg-m/5000rpm 無段変速 燃料タンク容量5.5L■タイヤサイズ前後=100/90-10 ●価格:28万500円 ●色:艶消し青、黒、灰、艶消し茶、白 ●発売日:2023年11月17日
スズキ アヴェニス125(28万4900円)
スズキ アヴェニス125(28万4900円)
アドレス125と基本を共有しながら、スポーティなデザインとやや大きい燃料タンクを採用し、燃費はわずかながらより低燃費に。ボディマウントのLEDヘッドライトやLEDリヤコンビネーションランプ、フル液晶ディスプレイなどを装備し、スポーティな段付きシートを採用。シャッター付きキーシリンダーやシート下トランクスペース、5V2AのUSB充電ソケットを装備する蓋付きの左フロントインナーラック、500mlのペットボトルが入る右フロントインナーラック、ヘルメットホルダー×2個といった実用的な装備も充実している。シート下スペースの容量は未発表、WMTCモード燃費は54.3km/L(クラス1、1名乗車)。
主要諸元■全長1895 全幅710 全高1175 軸距1265 シート高780(各mm) 車重107kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc 8.7ps/6750rpm 1.0kg-m/5500rpm 無段変速 燃料タンク容量5.2L■タイヤサイズF=90/90-12 R=90/100-10 ●価格:28万4900円 ●色:白、灰、黒 ●発売日:2022年10月21日
番外:スズキ アドレス110(22万5500円)※生産終了
スズキ アドレス110(22万5500円)
原付二種スクーターきっての廉価モデルとして支持されてきたが、現在はスズキの公式ホームページに生産終了と記載され、店頭在庫を残すのみとなっている。コンパクトな車体に前後14インチホイールや前後連動ブレーキなどを装備し、シート下スペースは容量20.6L。WMTCモード燃費(クラス1、1名乗車)は48.9km/Lだ。最新排出ガス規制に適合しての復活を望むユーザーも少なくないが、果たして……?
主要諸元■全長1845 全幅665 全高1095 軸距1260 シート高755(各mm) 車重100kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 112cc 8.8ps7750rpm 0.88kg-m/6250rpm 無段変速 燃料タンク容量5.2L■タイヤサイズF=80/90-14 R=90/90-14 ●価格:22万5500円 ●色:橙、マット金、銀、白、メタリック青、黒 ●発売日:2021年8月6日
まとめ
ビジネス用途のスクーターを除けば、国内3メーカーで12機種がラインナップされる原付二種スクーター。その中の半数にあたる5機種+1機種が20万円台の買いやすいゾーンに分布している。世界的にも支持されているこのカテゴリーは、コンパクトかつ廉価なのが特徴だが実用性は十分にあり、燃費などの経済性にも優れている。通勤/通学の用途のほかセカンドバイクとして足に使うにも最適だろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
◆ ライフスタイル別おすすめモデル ① 特に日常・通勤での使い勝手を重要視したい「スーパーカブ110 / 110 Lite」「スーパーカブ C125」 ■ スーパーカブ110 / 110 Lite の[…]
日立のトラコンとボッシュのABSを標準装備!原二クラスの枠を破壊した「ADX125 Plus」 中国で発表された新型スクーター「ADX125 Plus」(現地名:ADX Plus)のスペックシートを眺[…]
往年の「バハ・ラリー」を手のひらサイズで再現!新型モンキーEXの強烈なビジュアル 砂漠を何千キロも走り抜ける過酷な「バハ1000」レース。その挑戦を支えたホンダのワークスマシン「XR600Rバハ」の魂[…]
ヤマハのレトロハイブリッドスクーター「ファツィオ」 ヤマハが国内でも正式にラインナップして展開している「ファツィオ(Fazzio)」は、レトロモダンとストリートカルチャーを高度に融合させた原付二種クラ[…]
鳥の翼から紡がれる伝統のS字シルエットと現代機能のスマートな統合 いわずと知れた日本を代表し、世界で愛される名車スーパーカブ。そのプレミアムモデルであり、長兄となるのが125ccエンジンを積んだC12[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
欧州の砂漠8000kmを走破した本物。ADX 250が体現する「リアルクロスオーバー」の骨格 SYM ADX 250は、車検のない日本の軽二輪クラス(126〜250cc)の税制・登録メリットに適合させ[…]
30馬力オーバーの強心臓が切り拓く高速クルージング ハオジュエ(豪爵)の最新鋭ビッグスクーター「TVL350」最大のウリとなるのが、完全新設計の339cc水冷4ストローク4バルブ単気筒エンジンだ。最高[…]
日立のトラコンとボッシュのABSを標準装備!原二クラスの枠を破壊した「ADX125 Plus」 中国で発表された新型スクーター「ADX125 Plus」(現地名:ADX Plus)のスペックシートを眺[…]
約半年遅れて発売の全国版はバッテリー&充電器付き! 本田技研工業(以下ホンダ)とヤマハ発動機(以下ヤマハ)は2024年8月、原付一種に相当するホンダの電動二輪車をベースとした日本市場向けモデルを、ヤマ[…]
人気記事ランキング(全体)
SV650/Xが絶版後も評価され続ける理由 スズキのミドルクラスを長年支え、2025年1月発売モデルをもって新規受注を終了した「SV650/X」だが、生産終了後もその価値は色褪せていない。1999年の[…]
現地で予約開始! 501cc空油冷単気筒「CB500」のメカニズム ホンダは2026年7月24日にインドで世界初公開した新型モデル「CB500」について、同年9月21日に現地価格を公表し、予約受付を開[…]
ズバ抜けた速さとピーキーさにシビレタ ’70年代、国内における250㏄クラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400㏄と共通化されるのが普通で、多くのモデルに35[…]
大排気量V8の開発。極めて困難な挑戦に出たロータス 1990年代初頭、ロータスは激動の渦中にありました。長年エスプリを支えてきた直列4気筒エンジンは熟成の極みに達していたものの、フェラーリF355など[…]
60年の伝統を400ccへ! 398cc単気筒「TRシリーズ」と専用シャシーのパッケージング トライアンフがグローバルで6万台以上を販売した新世代400ccプラットフォーム。その展開において、60年以[…]
最新の投稿記事(全体)
ここが効く! ツボを突きまくる4つの神機能 ① 素材を痛めない「2段階温風(45℃/65℃)」×ガッツリ送り込む「強風(2.07m/s)」 ガンガン乾かしたい雨濡れや猛暑の汗には、スピーディーに攻める[…]
まさに神の全知全能フィット! バッグの中身を一新するシステム収納 今回登場したのは、ツーリングキャンパーから絶大な信頼を集める定番「ヘンリービギンズ シートバッグLLサイズ」専用に設計された収納ギアケ[…]
「標識がない=60km/h」というドライバーの錯覚 これまで日本の道路交通法では、道路標識等で最高速度が指定されていない一般道路の法定速度は一律で60km/hと定められていた。しかし、主に地域住民が日[…]
Fireblade由来の110.1kW直4と電子制御サス「Showa-EERA」の構造的整合性 CB1000GTのパワーユニットには、2017年モデルのCBR1000RR Firebladeにルーツを[…]
ハーレーが仕掛ける異色の世界選手権 ハーレーダビッドソンは2024年から3年連続で、MotoGP日本グランプリに出展している。世界最高峰のロードレースに、なぜハーレーが? そもそもMotoGPのレース[…]
- 1
- 2









































