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名車ロータス「エスプリ」や、最近では日産「GT-R 50」などの自動車デザインで知られるイタリアのイタルデザインが、ドゥカティ860GTをオマージュしたような「860-Eコンセプト」の映像を公開した。バイクではスズキRE-5などもデザインしているが、当時の人気は微妙。バイクの世界で名誉挽回なるか?!
●外部リンク:ITALDESIGN
クルマのデザインでは名門だけど、バイクでの評価は微妙……?
1968年に誕生したイタルデザインは、ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)とアルド・マントヴァーニ(Aldo Mantovani)らによって設立されたデザインカンパニー。主に自動車デザインで高い評価を受け、1981年設立のジウジアーロ・デザインではニコンのカメラを手がけるなど、工業デザイン分野でも活躍。その製品を目にしたことのある人は多いはずだ。
バイク分野ではスズキRE-5のデザインなどで知られ、通称“茶筒”と呼ばれる斬新なメーターなどが記憶に残っている方もいるのでは。だがしかし、バイクのデザインでは必ずしも高評価とはいいにくいのがイタルデザインだった。
SUZUKI RE-5[1974]■車重230kg(乾) 水油冷ロータリー・1ローター 497cc 62ps/6500rpm 7.6kg-m/3500rpm F=3.25-19 R=4.00-18■輸出車
RE-5のディテール。【左】エンジン本体には熱対策のため、水冷+油冷機構を導入した。【右】マフラーを二重構造とし、前方から走行風を導入。ロータリーで問題となる高熱な排気を強制冷却するなど対策は万全だった。
キーONでツメが外れ、カバーが開く仕組み。理由はまったく謎だが、昔の”スーパーカーライト”的な意味合いか? なお茶筒は1974年の初代のみだ。
そして本題であるドゥカティにも、イタルデザインによるスタイリングを採用したマシンがあった。それが1974年に登場した860GTである。やはりデザインの評価は芳しくなかったようだが、これについて調べるためにヤングマシンのバックナンバーを当たってみたところ、「860のマシンを開発中」との記述はあったものの実際に発売されたというニュースは載っていなかった。どうやら当時のヤングマシンはドゥカティというブランドに対して積極的ではなかったようで……。
ちなみに、450や125といったドゥカティのマシンについては試乗記事などもあったが、一方でハーレーダビッドソン(当時のYMはハーレー・ダヴィッドスンと表記していたらしい)やモトグッツィなどのビッグマシンが誌面を賑わしていた。当時のドゥカティがどのように日本市場で、もしくはヤングマシン誌上で認識されていたのかを垣間見ることができ、うっかり読みふけりそうになったことを白状しておきたい。
ついでと言ってはナンだが、1970年代の村山モータースと思われる写真も発掘した。【左】道路側に見える橋脚のつくりからは、現在のハーレーダビッドソン新宿(前身が村山モータース)よりも少し西寄りにあったことがうかがえる。【右】村山モータースの店内と思われる写真。間違ってたらごめんなさい。もし当時を知る方がいたら、合ってるか教えてください。
それはともかく、イタルデザインが映像を公開したドゥカティ860-Eコンセプトは、往年の860GTを彷彿とされるシルエットが美しい。各メーカーがネオクラシック/ネオレトロ/ヘリテイジスポーツなどと名付けて、かつての“バイクらしいバイク”を現代の技術で新作するなか、電動という最新のソリューションでクラシカルスタイルのドゥカティを再現しようというコンセプトだ。
ドゥカティとのコラボでは2020年にもURBAN-Eという折り畳み式E-BIKEのコンセプトモデルも公開しており、これらのコンセプトモデルがEICMAなどのモーターショーで実際に登場するのか、そしてドゥカティが本気になって電動バイクに進出するのか、そのあたりについてはまだわからない。今後の動向を見守っていきたい。
Ducati 860-E Concept
Ducati 860-E Concept
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