スモールボディにタフな機能を満載
’20 KTM 390アドベンチャー試乗インプレ【400cc以下でのベストチョイス】
- 2020/5/13
KTMから普通二輪免許で乗れるアドベンチャーモデル「390アドベンチャー」が登場した。見た目はコンパクトながら充実の機能を装備。日本の道路環境にピッタリな1台だ。
●まとめ:伊丹考裕 ●写真:KTM JAPAN
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[○]オンもオフもこなし、日常も旅もカバー
250ccクラスのオフロードバイクでは快適性に不満があり、だからと言って400ccクラスのアドベンチャーバイクでは走破性に期待できない。普通二輪免許で乗れるバイクを並べて、オンロードもオフロードも、街中もロングツーリングもこなせる1台を選ぼうとすると、そういう問題に突き当たるに違いない。
ところが、それをやすやすと解決してくれるバイクが上陸する。KTMの「390アドベンチャー」がそれだ。車名や車体パーツから見て取れる通り、同社のスポーツネイキッド・390デュークをベースに持つオールラウンダーである。ただし、フロントホイールを19インチに換装し、サスペンションのストロークを伸ばしただけのお手軽仕様だと思ったなら大きな誤解だ。

【’20 KTM 390 ADVENTURE】■シート高855mm ■乾燥重量158kg ■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 373.3cc 43.5ps[32kW]/9000rpm 3.7kg-m[37Nm] 変速機6段リターン 燃料タンク容量14.5L ■ブレーキF/R=ディスク ■タイヤF=100/90R19 R=130/80R17 ●色:橙 白 ●価格:75万9000円 [写真タップで拡大]

【ジャストサイズの万能アドベンチャー】’97年に登場した620アドベンチャーを皮切りに、KTMはこのカテゴリーのラインナップを拡大。そこに加わった最新にして最小のモデルがコレだ。日本でも持て余さない、手の内に収められるボディサイズが魅力。 [写真タップで拡大]
ウェブサイトでは岩山を駆け下り、ダートを激しくスライドしながら突き進むPVが公開されているが、あの映像に誇張はない。今回、その試乗会がダート天国とも言えるスペイン領テネリフェ島で開催され、そのポテンシャルを実感。ゴツゴツとした火山岩が続く林道も、サラサラの砂で覆われた海岸沿いも難なくクリアする、抜群の突破力を見せてくれたのである。
まずなにより手頃な車体サイズがいい。シート高は低くないものの、軽量ゆえ持て余すような場面はなく、ギャップで大きく揺すられたとしても足や腕力で容易にリカバーすることが可能だからだ。また、キャストホイールとそこに組み合わせられるコンチネンタルのブロックタイヤTKC70は高い衝撃吸収性と十分なグリップ力を発揮。オフロードに不慣れな身でもすぐにスロットルを開けていくことができた。
それをサポートしてくれるのが、スイッチひとつでONとOFFを切り換えられるトラクションコントロールと、リヤのみ介入をカットできるオフロードABSだ。これによって車体をよりダイレクトにコントロールすることが可能になり、高い一体感が得られたのである。
反対にオンロードではコーナリングABSが機能し、高いスタビリティを確保。充実のスペックと装備を持つ、クラス最良のアドベンチャーモデルとしてヒットしそうだ。

【シンプルかつ機能的なフレーム構成】スチールパイプを組み合わせた堅牢なトレリスフレームが特徴。KTMのラリーマシンや大排気量アドベンチャーと共通の設計思想を持ち、158kgの軽量車体に貢献している。 [写真タップで拡大]

【充実の機能が与えられたABS】前後のサスペンションはKTM定番のWP製。ブレーキはオフロードABS(リヤのみABSをカットできる)とコーナリングABSを備え、より自由度の高いライディングが可能だ。 [写真タップで拡大]

(上)トラクションコントロール(ON/OFF)やABS(ROAD/OFFROAD)の状態は5インチのTFTディスプレイ内で確認することができる。(下)【フルカラーディスプレイを装備】メーター下部にはアクセサリー用の電源ソケットを装備。ワイドハンドルのおかげで上体の姿勢は安楽だ。 [写真タップで拡大]
[△]ギヤレシオがちょっと惜しい
1速と2速のギヤが少し離れ気味。どちらを使うか迷う場面で回転数の変動が大きくなるため、ここがクロスしていればベターだ。
[こんな人におすすめ]400cc以下ですべてをこなすなら、コレ一択!?
車体の扱いやすさ、エンジンのパワフルさ、オンもオフも兼ねる足まわり、豊富なオプションがもたらす積載性や快適性。それらが極めて高いレベルでバランスしているため、1台であらゆる用途に使いたいライダーにとって満足度は高いはず。
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KTM 390 ADVENTUREの価格情報

KTM 390 ADVENTURE
※ 価格は全国平均値(税込)です。
新車 11台 | 価格種別 | 中古車 0台 |
---|---|---|
本体 75.55万円 価格帯 72.11~75.9万円 |
本体価格 |
本体 ―万円 価格帯 ―万円 |
諸費用 7.81万円 価格帯 ―万円 |
諸費用 |
諸費用 ―万円 価格帯 ―万円 |
乗り出し価格 83.36万円 価格帯 72.11~92.72万円 |
乗り出し価格 |
乗り出し価格 ―万円 価格帯 ―万円 |