東モ参考出品車を徹底解剖
’20カワサキ Ninja ZX-25Rスタイリング解説【250cc4気筒の復活を待て】
- 2020/2/12
脳天を貫くフォーミュラサウンド、2万rpmに迫る超高回転域…。長らく途絶えていたハイメカの極致、250cc4気筒が現代に甦る。2019年東京モーターショーで発表されたカワサキNinja ZX-25Rは、ヤングマシン本誌では’20年10月頃の発売を予想。モーターショー以来、新情報がなかなか出回らない状況ではあるが、ここであらためて現時点で判明していることをまとめておこう。まずはクラスを超越した造形美にあふれるスタイリングから。
●まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、編集部
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よりシャープで軽快なZX系のイメージに
2019年の東京モーターショーで展示されたカワサキNinja ZX-25Rの車両は、参考出品ながらまるで量産車のような完成度だった。まず目を惹いたのは、4気筒ながら車体がスリムである点。さすがに2気筒よりサイドのボリュームはある印象だが、コンパクトで扱いやすそうな雰囲気だ。
加えて、Ninja 250より一段と高級感や鋭さが増した点に注目。デザインは最新Ninjaシリーズの流れを汲むものだが、同じNinjaと言えどカワサキではNinja 250や650などを「ファンライドスポーツ」、Ninja ZX-10Rや6RらZX-R系を「スーパースポーツ」として区分している。後者に属するZX-25Rは、Ninja 250比でミドルカウルやサイドカバーの面積を減らして一層軽快になった。
さらに大型クラスと同様の足まわりはもちろん、センターダクトとトガッた形状のアッパーカウルがクラスレスの高級感とスポーティさを主張している。
![カワサキ Ninja ZX-25R[東京モーターショー2019参考出品車]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2020/02/kawasaki-ninja-zx25r-01.jpg)
【KAWASAKI Ninja ZX-25R(参考出品車)】主要諸元 ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 249cc 出力ほか未発表 ■ハイテンスチール製トレリスフレーム ■フロントサスSFF-BP ■リヤサスホリゾンタルバックリンク ■ブレーキFシングルディスク+ラジアルマウントモノブロックキャリパー ■タイヤF=110/70R17 R=150/60R17 ■電子制御KTRC(カワサキトラクションコントロール)、KQS(カワサキクイックシフター)、パワーモード ●参考出品車 ■本誌予想税込価格:KRT98万円 ■車体色:KRTカラー(ライムグリーン系)■本誌予想発売時期:’20年10月頃
本格250SSに相応しいキレ感のあるサイドビュー
低く構えた面構えからリヤに向かって伸び上がる、まさにスーパースポーツ然としたスタイル。逆スラントノーズとキバ状のチンスポイラーは、H2を筆頭にNinja250、ZX6Rらと同様のイメージながら、複雑な面構成を施す。また、サイドカウルの面積を減らし、シートレールが露出するデザインとしたのが特徴。ミドルカウルからテールまでカバーで覆ったNinja250より一層シャープで軽快なイメージだ。
また、サイレンサーを車体下に収めた、近頃珍しいミッドシップマフラーを採用。リヤビューのスリムさとNinja250より一段と引き締まったテールが際立つ。同時に湾曲スイングアームをアピールできるデザインとなっている。なおサイドのハニカム柄は、’20年型Ninja250やZX-10Rらも採用する。
ボリュームはあるがスリム。タイヤはラジアル標準
ZX-25Rのフェイスは、鋭い2眼にZX6Rを思わせる額部分のダクトが印象的。スクリーンはSSらしく若干小ぶりで、高さも抑えめ。下部はNinja250と同様抜けており、走行風をライダーに流す。横幅は2気筒のNinjaより張り出しているが、十分スリムだ。
タイヤは前後ともダンロップ製ラジアルのGPR-300。250SS勢で唯一ラジアルを履くCBRに並ぶ装備となり、25Rの本気度が窺える。前輪は他車と同じ110/70R17ながら、リヤはワンサイズ太い150/60R17。リヤビューの迫力も十分だ。
クラスを超越。手の込んだ造形美
見る角度で表情を変える複雑な面構成
![カワサキ Ninja ZX-25R[東京モーターショー2019参考出品車]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2020/02/kawasaki-ninja-zx25r-09.jpg)
ヘッドライトはNinja250と似た4灯LED+下部にポジションの構成だが、目尻は一段と鋭い(点灯状態は不明)。多面的なエッジ構成と、トガッたサイドのアッパーカウルにより、見る角度によって大きく印象が異なる。
センターのダクトはラムエアと判明
ビルドインウインカーは踏襲
個性的なサイド側ダクト
ハンドル下方に、蜂の巣グラフィックに似たダクトが4つ並ぶ。25R独特の意匠で、エンジン上部の熱気をサイドに逃がす役目を持つハズ。4つなのは「4気筒」を意識している?
快適性を高める大型インテーク
スポーツするために最適化されたタンク形状
スーパースポーツ譲りのシートレイアウト
ZX-10Rと同様のLEDテールライト
![カワサキ Ninja ZX-25R[東京モーターショー2019参考出品車]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2020/02/kawasaki-ninja-zx25r-08.jpg)
テトラポット型のテールライトもLED。旗艦ZX-10Rと同じユニットと思われる。一方、ウインカーはクリアレンズ+オレンジの電球式でコストを抑制。東南アジアがターゲットのせいか、この辺のバランスが興味深い。
官能の250cc4気筒・カワサキ Ninja ZX-25Rが’20年に復活! 次ページでは核心となる心臓部・エンジンまわりについて解説する。お楽しみに。
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