井上ボーリング「ラビリ」

ラビリンスシールで名車NSR250Rが蘇る【’88 MC18前期型のクランク再生】

  • 2020/1/30
ラビリンスシール仕様の88年型NSR250R(MC18)クランクシャフト

シリーズ最高のセールスを誇った’88年型のホンダNSR250R(MC18)。同モデルには通常のオイルシールが採用されていたが、代替パーツとして井上ボーリングが開発した「ラビリンス仕様」が供給されている。

●文:モトメカニック編集部 ●写真:たぐちかつみ ●取材協力:井上ボーリング 

NSR250R全モデルにラビリンスシールがラインアップ

圧倒的な高性能によって数多くのファンに愛され続けているホンダNSR250R。初代モデルのMC16から最終モデルのMC28まで、各車に根強いファンが存在している。

ずらりと並ぶNSR250R

メーカー純正部品の絶版問題は、特定パーツに限らず実に深刻だ。しかしエンジン部品に関しては、心強いニュースもある。アルミメッキシリンダーの再生で高い評価を得ている井上ボーリングでは、メーカーにかけ合い、クランクシャフトの専用部品であるセンターシールや特殊ベアリングを供給メーカーへオーダーできる体制を構築、通常のオーバーホールサービスを積極展開してきた。

NSR250Rにおいては、新世代極薄ラビリンスシールを使った「LABYRI®」を用いてのMC16/MC21/MC28オーバーホールが好評なため、ベストセラーモデルとして知られるMC18前期モデル(’88年式)用もLABYRI®ラインナップに追加。その結果、想像以上に数多く注文を受けることになった。

これでMC16〜MC28までの全モデルでLABYRI® をラインナップ。Vガンマ用やTZR(3XV)用もすでに実績があるため、今後に期待できそうだ。柱付きICBM®=メッキシリンダーとLABYRI®の組み合わせは、2ストロークエンジンの救世主と言えそうだ。

迷路断面の新型ラビリンスシールを採用
既存ラインナップのラビリンスシールではなく、狭く薄い部分でも迷路断面の新型ラビリンスシールを採用することで、様々な機種に対応。遂にMC18前期も仲間入りした。
ラビリンスシールと通常シールの耐久性比較
MC18後期とMC21/MC28については、シール付きベアリングのようなセンターシールでフリクションロスは少なかったが、その分だけ耐久性も低かった。ラビリンスなら半永久だ。
井上ボーリングでは、オーバーホール用のコンロッドを専門メーカーで特注
クランクシャフトはコンプリート販売のみでスモールパーツの販売例が少ない。井上ボーリングでは、オーバーホール用のコンロッドを専門メーカーで特注している。
iBでは毎週複数のクランクオーバーホールを受注している
88年型NSR250Rクランクの修理を受け付けて以来、毎週複数のクランクオーバーホールを受注しているそうだ。もはやラバーシールではなくラビリンスシール仕様が多い。
NSR250Rのシリンダーやヘッドはサビで酷い例が多いため、この金具の交換サービスも展開中
NSR250Rのシリンダーやヘッドには冷却水アダプターが付くが、サビで酷い例が多いため、この金具の交換サービスも展開中。想像以上に好評だそう。
カワサキS1/S2やKHミドルトリプル用のラビリンスシールはヤマハタイプ
カワサキS1/S2やKHミドルトリプル用のラビリンスシールはヤマハタイプ。初期ミドルシリーズの「4ベアリング」を再現でき、フリクションロスも低減する。
メッキシリンダーの再メッキやホーニングも請け負っている
RS250やRS125など、HRC製パーツの製作を受注し、数多く納品してきた実績を持つのが井上ボーリング。同社ではメッキシリンダーの再メッキやホーニングも請け負っている。

※この記事はバイクいじりの専門誌『モトメカニック』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。

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