●文:ライドハイ編集部(根本健)
あらためてフラッグシップを画策。“大きい”がアイコンのBIG-1 PROJECTがスタート!
1980年代のレーサーレプリカ終焉から、各社は原点回帰のネイキッドへと主力を切り替えていたが、ホンダにはそれとは別次元のインパクトのある路線構想があった。
それは、ホンダの開発者が夢を育んできた、圧倒的に存在感が大きい、4気筒エンジンを搭載したフラッグシップたちの存在だ。
世界に先駆けた初の量産4気筒・CB750フォア(1969)に始まり、世界中を熱くしたCF900F(1978)、さらに驚愕の6気筒CBX[1000](1979)、そしていかにもホンダ流儀のレース仕様カフェレーサーCB1100R(1981)たちが放ったオーラは、凄まじい強烈さに満ちていた。
ホンダらしさとは、この圧倒的な存在感。ライバルとの競争に明け暮れた時期に、対抗機種開発で勝ってはきたが、世の中の流れが原点復帰へとなる中、圧倒的な存在感をあらためて模索することとなったのだ。
その存在感の視覚的なインパクトを、CB1100Rの燃料タンクへと焦点を当て、まさに“大きい”ことがアイコンとなる構想が走り出した。
「PROJECT BIG-1」と呼ばれた開発は、CB1100Rの燃料タンクをマウントしたビッグネイキッド。エンジンも、CBR1000Fのほぼ直立したそそり立つ武骨な水冷シリンダーをあえて強調したフォルムで、1991年の東京モーターショーに「CB1000 SUPER FOUR」の名で参考出品。確かな手応えに一気にGOとなり、何ともっともメジャーな400ccクラスに同様のコンセプトとフォルムの「CB400 SUPER FOUR」も開発、1992年春に先んじてデビューすることとなった。
不滅の名機・CB400SFは2022年に惜しまれつつ生産を終了したが、30年間もの長きにわたり中心的な存在であり続けたのはご存じの通り。
国内市場の大型バイクとしては記録的な台数で大ヒットに
初代BIG-1は、998ccで93PS/8,500rpm/最大トルク8.6kg-m/6,000rpmと、装備重量260kg(乾燥重量235kg)の巨体を、スロットルひと捻りで超弩級の押しまくるマッチョなバイクに仕上がっていた。
もちろん、ジェントルに走らせればハンドリングが素直そのもの。ホンダならではの安心感も、国内市場で大型バイクとしては記録的なベストセラーを支えていた要素だったのは間違いない…
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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