40歳でバイクに乗りたいと思い立ち、普通二輪&大型二輪の免許を取得。2022年2月に人生初バイク・ヒマラヤを購入したと同時にバイクライフが本格的にスタートしたミリオーレ営業・ムラタ。「いつかヒマラヤでヒマラヤを走れたらおもしろいですよね〜」と常々冗談のように話していたのだが、その夢が思いがけず早々にかなったのだった! 標高5359mを越えるヒマラヤ冒険ツーリングがスタート!
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:河野正士、Moto Himalaya 2022クルー、村田奈緒子 ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
Day 04:空気のうすい標高5359mのカルドゥン・ラを目指して
ヒマラヤ山脈にある山岳砂漠の街、レーに到着して4日目。この街に到着したときと比べると標高3500mの高度に身体が確実に順応しており、ホテル内の階段を昇り降りしても息もきれずにいたって健康体。本格的なモト・ヒマラヤのツーリングがスタートするにふさわしく、体調面においてはまったく不安のないご機嫌な朝を迎えた。
この日の目的地は、レーよりさらに北部にあるヌブラ渓谷。その途中、高度5359mのカルドゥン・ラ(ラはチベット語で「峠」の意味)を越える。気圧が平地の半分しかなく高山病を防ぐためにも、カルドゥン・ラでは15分ほどの休憩しかないと出発時に説明を受けた。日本の富士山すら登山経験のない自分にとっては、未知の高度である。
とはいえ体調面の心配よりも、このときの目下の心配は自分のライディングスキルである。バイクに乗り始めて7ヵ月、山道は箱根ぐらいしか経験がなかった自分は舗装路がない場所もあるという山道を無事に走りきれるのだろうか? 楽しさよりも、不安が募るばかりだった。
もちろんガードレールなんて……ない!
ということでレーの街を出発して、一同はラダック山脈を越える峠(カルドゥン・ラ)を目指す。このカルドゥン・ラは、数年前までは自動車道世界最高地点だったとのこと。現在では、すでにもっと高い道路があるそうなので残念ながら世界一ではないのだが、それでも標高5359mである。道を進むにつれ、疎林、低木化し、やがて猛々しい岩肌ばかりが続くようになった。
さぞかし車も少ないのだろうと思っていたのだが、この地に生きる人々にとってこの道はあくまで生活道路の一つ。こちらはしっかりとした装備でバイクに乗っているが、ふらっと近所までおつかい的なライトな服装でバイクに乗っている人も多かった。さらに言うと、高地トレーニングなのか旅行者なのか自転車で登っていく外国人もちらほら。なんだろう、この不思議な感じ。
もちろん車も多いので、景色に見とれている暇はない。ガードレールもなく、狭い崖道なので、油断すると落ちる可能性だってなきにしもあらず。一人ワーワー言いながら、とにかく前を見てついていくしかなかった。
とにかく人とバイク、車で渋滞のカルドゥン・ラ
なんとか、カルドゥン・ラに到着! ここは1976年に開通し、1988年には車での通過が可能になったそう。何度もいうが現地の人たちにとっては生活道路の一つ。だからだろうか、峠のテッペンは観光客も多いし、寒くないのだろうか?と思うくらい薄着の現地の人もいれば、インド軍の大きなトラックが何台もその間を走り抜けていく。なんだろう、この不思議な感じ。
異国の文化に思いを馳せたいところではあるが、ここは標高5359m。出発時にも言われたように、長居は禁物ということで写真を撮ったりしたら、次は下山ツーリングのはじまり〜。
ナチュラルリゾート感のあるヌブラ渓谷のテント宿
チベット文化の影響が色濃く残るラダック地方にはゴンパ(僧院)が多くあるとのことで、宿に向かう前に立ち寄ったのがヌブラ渓谷の名所でもあるデスキット・ゴンパ。この辺りでは最古のゴンパとのこと。丘の上の展望台には高さ32mの仏像があり、みんなで記念撮影。
その後、宿泊先となるApple Nubra Cottageへ。ヌブラ渓谷といっても標高は3000m以上あり、川の周辺以外は砂漠のような砂地。宿に向かうまでは、こんな砂漠の先にある宿って?と思ったのだが、到着してみると緑あふれる素敵な場所にほっこり。テント泊も快適で、気分良くこの日を終えたのだった。
無事に今回の旅での最高地点を越え、次なる地を目指す道中、ついに転倒! 現地の病院でレントゲンも撮ったよ編を次回はお届けします!
I want to go to the Himalayas again with Himalayan!
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