その年のモデルからファン投票で人気ナンバー1を決める、ヤングマシンが誇るガチ企画「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー(MOTY)」。「ストリートスポーツ50〜125cc」部門では、ホンダ モンキー125が前回に続き2連覇を果たした。
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新人の台頭や下克上で部門1位が入れ替わる近年のMOTY。今回は3部門で2連覇したマシンが現れたが、'17年から首位に君臨しているホンダ CBR250RRのみが唯一3連覇を達成した。250フルカウル勢で[…]
ストリートスポーツ50〜125cc部門〈総評〉ホンダが一党独裁状態。10台中7台がランクイン
惜しまれつつも生産終了した50ccのホンダ モンキー。2018年、125ccに巨大化して復活し、最多得票でデビュー勝利を飾った。その勢いを維持したまま、今回も見事1位で駆け抜けた格好だ。
このモンキー125に49票差まで肉薄し、2位に迫ったのが同じくホンダのクロスカブ110/50。総合部門と同様に前回から順位を上げており、全部門を通じてアドベンチャー系が躍進している印象だ。
さらに10位圏内を見回すと、7台もホンダ車がランクインしたが、これは前回と同様。ホンダは、’13年のグロムを皮切りに、’18年にモンキー、スーパーカブC125、CB125Rと大攻勢を仕掛けており、どれもがキッチリ票を獲得しているのだからサスガだ。
この独壇場に、スズキのGSX-RとGSX-S兄弟、カワサキのZ125プロが喰い込み、気を吐いた。しかし’20年は、伝説の名車CT110をリバイバルしたCT125ハンターカブという強力な援軍がまたもホンダから投入される。トップ10入りは確実と見られ、さらにホンダの独裁が進む……のか?
50~125cc部門 第1位:ホンダ モンキー125[419票]
同門対決を制し、大猿がV2
前回は驚きの1500票を獲得し、2位に4倍超もの大差で勝利した「モンキー125」。今回はそこまで票は伸びなかったが、順当に1位をキープした。愛らしいフォルムは50時代から変わらず健在。走りも実用的になり、多くの支持を得ている。’19モデルでは写真の鮮やかなブルーを追加。従来の赤、黄と合わせ、3色設定となった。
ミニインプレ:実用OKの安定感
新色の青、従来色の赤/黄と合わせて3色設定となった。グロムベースの125ccシングル+マニュアル4速は、トコトコ系のマイルドな性格ながら、大きく開ければ意外とパワフル。幹線道路でクルマの流れにきちんと乗れる。実用的な車格と前後12インチホイールを手に入れ、安定感は50に比べ格段にアップした。
50~125cc部門 第2位:ホンダ クロスカブ 110/50[370票]
お気軽カブがトップ争いを展開
スーパーカブ110を基盤に、専用パーツやセミブロックタイヤを与えたオフ系のレジャーモデル「クロスカブ」。前回4位から首位争いを演じるまで票を伸ばした。
ミニインプレ:トレール感覚!
110は低回転域から力強く、フラットに伸びる。17インチによって安定感とトレール車感覚を両立したハンドリングも楽しい。14インチの50は足着きや取り回しが優秀だ。ともに自動遠心クラッチで操作がラクなのもマル。
50~125cc部門 第3位:ホンダ スーパーカブ C125[323票]
親玉、今回も人気健在
「スーパーカブC125」は、初代C100をモチーフにモダンさを融合し、新世紀のカブらしい秀逸なデザインに昇華。前回2位から後退も、人気は変わらず健在だ。
ミニインプレ:以外にも元気系
ウェーブ125i系の水冷単気筒は、110より高回転型なのが特徴。排気音も野太い。車体は50~60km/h巡航時に前輪の落ち着きがあり、サスも踏ん張るため、安心して倒し込みが可能。フロントディスクも備え、元気に走りたくなる。
50~125cc部門 第4位:スズキ GSX-R125/ABS[304票]
原二最強の呼び声高し
ホンダ勢に抗い、スズキの末弟GSX-R125がひとつ順位をアップ。DOHC4バルブ単気筒とダイヤモンドフレーム、17インチで固めた125最強候補だ。
ミニインプレ:日常もスポーツも
6000回転付近から盛り上がり、レッド1万1500回転超でも唐突な頭打ち感がなく愉快。軽量コンパクトな車体により旋回時の自由度も高く、操るのが楽しい。一方、極低速時でもエンストしにくく、日常の足としても優秀だ。
50~125cc部門 第5位:ホンダ グロム[299票]
踏み留まったV5王者
’13年の登場時から無傷の5連覇を達成。以降ホンダの同門に押され下降傾向ながら、5位と健闘した。ファイター系ルックスが特徴だ。
ミニインプレ:クセがなく素直
低回転域から力強く、レスポンスも良好。おまけに1速ごとの守備範囲が広いため、マニュアル操作の基本を学ぶのに最適だ。前後12インチと倒立+リヤモノサスの脚を備え、旋回性はニュートラル。安定感も高い。
順位 | 得票数 | メーカー | 車両名 | 前年順位 |
1 | 419 | ホンダ | モンキー125 | 1 |
2 | 370 | ホンダ | クロスカブ110/50シリーズ | 4 |
3 | 323 | ホンダ | スーパーカブ C125 | 2 |
4 | 304 | スズキ | GSX-R125 ABS | 5 |
5 | 299 | ホンダ | グロム | 3 |
6 | 295 | ホンダ | CB125R | 6 |
7 | 112 | カワサキ | Z125 PRO | 8 |
8 | 74 | ホンダ | スーパーカブ110シリーズ | 7 |
9 | 41 | スズキ | GSX-S125 ABS | 10 |
10 | 17 | ホンダ | スーパーカブ50シリーズ | 9 |
’19年の人気マシンを2300人の一般投票で決めた「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー」。次ページではオフロード部門のランキングを発表する。
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