
AT普通自動車免許で運転可能な3輪モーターサイクルとして、独自のステータスと異次元の走りを提唱するBRP社の「Can-Am(カンナム)」シリーズ。その2027年モデルとして、日本市場へ導入予定の全7モデルが公開された。今回の年次改良では、エントリークラスである「Ryker」のエンジン・デザイン・剛性の全面刷新や、最上級「Spyder」の機能アップが図られている。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カンナム
従来の2気筒から新設計3気筒へ!劇的進化を遂げた新型「Ryker」
BRPジャパンが国内に展開するカンナムシリーズの中で、よりカジュアルに3輪アドベンチャーを楽しめるモデルとして支持されてきた「Ryker(ライカー)」が、2027年モデルにおいて歴史的な大変革を遂げた。
最大のハイライトは、パワートレインの根本的な見直しだ。従来の2気筒エンジンに代わり、新設計された900cc水冷3気筒エンジン「ROTAX 900 ACE」がシリーズ全車に採用された。
エントリーモデルとなる「Ryker 900 ACE 6」には、最高出力52馬力を発生する「ROTAX 900 ACE – 6」を搭載する。最高出力や加速力、そして187万円(税込)という車両価格は従来モデルと同等をキープしながらも、従来の2気筒と比較して騒音や不快な振動を大幅に低減。これにより、上位モデルに位置する79馬力の「ROTAX 900 ACE – 9」に匹敵する、なめらかで快適なライディングフィールを手に入れている。
走行性能の向上は、エンジンだけにとどまらない。シャシー構造に関しても、ステアリングコラム、ピットマンアーム、タイロッド、ボールジョイント、ブッシュ、さらにフレームの一部にいたるまで広範囲なアップグレードを敢行し、骨格自体の剛性を大幅に向上させた。この剛性強化により、3輪特有のコーナリング時におけるシャープな旋回フィールが引き出されるとともに、車体の余計なロールを効果的に抑制している。
また、電子制御システムである「車両安定化システム(VSS)」の制御プログラムもあわせて最適化された。不意な挙動に対して従来のシステムよりも自然で段階的に介入するセッティングに変更され、乗り手の感覚にしっかりと寄り添う安心感のある走りをサポートする。
先進のLEDヘッドライトと高品質5インチ画面、拡張されたLinQカスタム
2027年型のライカーシリーズは、デザインおよび先進装備の面でも従来の面影を一新し、大幅なモダナイズが行われている。
外装はフロントからリヤにかけてパネルデザインを全面的に見直した。さらに、特徴的な光を放つ新デザインのシグネチャーライトや、ホイール中央に配置された着脱可能なセンターキャップ付きの新型ホイールを採用して視覚的な質感をアップ。ライダーが常に接するシートには、長距離の巡航でも高い快適性を維持できるよう仕立てられたプレミアムな立体縫製シートを標準で奢る。
コクピットまわりには、高い視認性と豊かな色彩表現を両立した、新しい高品質5インチカラー(LCD/TFT)ディスプレイを新配置した。これに連動して、ハンドルバーコントロールモジュールも直感的な操作が可能な新設計へと改められている。
夜間走行時の安全性を左右する灯火類も進化し、新設計のLEDヘッドライトが導入された。従来のハロゲンライトと比較して照射幅を30%拡大することに成功し、夜間の暗いワインディングロードや悪天候時でも前方をワイドに照らし出す。
積載性と利便性を高めるカスタム機能も抜かりはない。BRP独自の簡易固定システム「LinQ(リンク)」との連携をより緊密にするため、ライカーの車体各所に4つの主要なLinQ取付ポイントを新たに設けた。
それに伴い、従来の2倍以上の積載容量を確保したSHAD製の新型拡張式サドルバッグや、使い勝手に優れる新型LinQサドルバッグセット、防風性能を任意に調整できるLinQウインドプロテクションなどの多彩な最新アクセサリーがラインナップに追加。なお、ユーザーがこれまでに買い揃えてきた現行アクセサリー44点についても、2027年モデルの新型車体へ引き続きそのまま装着できる互換性を維持している。
最上級「Spyder」は待望のAndroidナビ対応と上質な新色「ドロマイトグレー」
カンナムシリーズの頂点に君臨するツアラーモデル「Spyder(スパイダー)」ファミリーも、2027年モデルにおいて快適性とデジタル連携機能をさらに深化させている。全スパイダーモデルのインパネ中央には、広大で見やすい10.25インチのタッチディスプレイを標準装備する。
このモニターに表示可能なオンロード用ナビゲーションシステム「BRP GO!」アプリは、従来のiOS搭載スマートフォンに加え、日本の多くのユーザーが使用するAndroidスマートフォンにも完全対応を遂げた。これにより、高価なヘッドセットインカムなどの追加デバイスを介することなく、ディスプレイ画面上で目的地へのルート設定、明確なルートガイダンス、さらには同時に走る仲間の現在位置をリアルタイムに確認する機能が使えるようになった。
さらに、最上級ラグジュアリーモデル「Spyder RT Limited Sea-To-Sky」には、タイヤの空気圧状況をリアルタイムで監視する「タイヤ空気圧監視システム(TPMS)」が新たに導入。走行前や走行中を問わず、ボタンひとつで手軽に4輪同様の空気圧管理が可能となり、安全なロングランに大きく寄与する。
また、旅の機能性を高める「Sea-to-Sky」ブランドの専用トラベルバッグセットが標準装備されるほか、プレミアムシートも素材とデザインを刷新してさらなる高級感と疲労軽減を追求している。
カラーリングには、この最上位モデルである「Sea-To-Sky」およびスポーツツアラーの「Spyder F3 Limited Special Series」の2機種に対し、新たに開発された「ドロマイトグレー」をカラーラインナップに追加した。太陽の光を浴びることで複雑な陰影を織りなす「リキッドチタニウム」のメタリックフィニッシュ仕上げが特徴であり、ツーリング先でも他とは一線を画すラグジュアリーな雰囲気を漂わせる。
普通免許で走る3輪ならではの選択肢、2027年日本導入全7モデルの価格
普通自動車免許で公道を走行できるカンナムシリーズは、2輪車のような軽快で開放的な乗り味を、転倒リスクの極めて低い3輪独自の圧倒的な安定感で楽しめる、稀有なモビリティだ。
2027年モデルの日本国内への導入ラインナップは全7モデルが予告されている。新設計3気筒を積んで走りの質感を大きく磨き上げたエントリーのライカーシリーズ(187万円〜)から、ドロマイトグレーの新色とAndroid連携ナビでクルージングの極みを追求した最上級のスパイダーシリーズ(314万5000円〜488万5000円)まで、乗り手のライフスタイルに合わせた幅広いバリエーションが用意されている。
大人の移動時間をより刺激的に、そして豊かに変えてくれる3輪コミューターの新たな進化から目が離せない。
BRP CAN-AM SPYDER (2027model) COLORS
BRP CAN-AM RYKER (2027model) COLORS
【BRP CAN-AM RYKER Rally】●ブラック
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