「市場には滅多に出てこない」生産台数99台という超希少モデル。カッコいいモデルに仕上がっている[ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ]を紹介

「市場には滅多に出てこない」生産台数99台という超希少モデル。カッコいいモデルに仕上がっている[ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ]を紹介

アストンマーチンが創業100年を迎え、さまざまな記念モデルをリリースしたことはご承知の通りです。が、100年のうち半分以上の60年間にわたる付き合いがあるザガートとのコラボモデルはやはり特別感にあふれるもの。それゆえ、アストンマーチンはV12を搭載したヴァンキッシュをベースに4モデルを限定生産するという大盤振る舞い。ザガートもそんなテンションに舞い上がったのか、いずれも超カッコいいモデルに仕上げています。今回は、4モデルの中でも人気の高かったヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテをご紹介しましょう。


●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotherbys

ザガートの名がつくだけで売れ行きがまったく違う

とにかく、アストンマーチンが100周年にかけた情熱はすさまじいもので、DBS GTザガートとDB4 GT ザガートのセット販売をはじめ、ハイパーカーと呼ぶにふさわしいヴァルカンのリリースなどそれはもう世界中のクルマ好きが目を丸くしたものです。

アストンマーチン創立100周年に先駆け、2017年に発売された記念4モデルのひとつがヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ。新車価格75万ユーロでした。

また、ヴァルカンを除けばすべてイタリアンカロッツェリア「ザガート」とのコラボレーションモデルであり、長年にわたる両社の蜜月関係を印象付けてくれるもの。日本のセールスに聞いても、同じアストンマーチンでもザガートの名がつくだけで売れ行きはまったく違うとのこと。そりゃ日産(オーテック・ザガート)やトヨタ(ハリアー/MR-S)もあやかりたくなるというものです。

軽量化の恩恵で0-100km/h:3.5秒の実力を発揮

さて、ヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテは、前述の通り2013年にデビューしたアストンマーチン・ヴァンキッシュをベースに、ザガートが新たなスタイルを与えたオープンモデル。ちなみに、アストンの車名でヴォランテは伝統的にカブリオレタイプを指しています。

細かいこと言うようですが、プレートは4モデル共通なのでヴォランテやスピードスターといったタイトルが省かれているのが残念。

デビューイベントで現在のザガートファミリーが集まったとかで、創始者ウゴ・ザガートの孫にあたるアンドレアのサインが残されています。

それまでのザガートと大きく違うのは、標準のヴァンキッシュが採用したカーボンボディを踏襲していること。ザガートといえば、1960年のDB4 GT ザガートから薄手のアルミ板で成形したスーパーレジェッラボディが大きなアドバンテージだったのですが、やはり時代の流れには逆らえず、オートクレーブ成形を選ばざるを得なかったようです。とはいえ、ザガートも意地を見せて、標準のヴォランテが車重1919kgあるのに対し、1849kgと70kgもの軽量化を果たしています。さしずめ、カーボンパネル版スーパーレジェッラといったところでしょうか。

肝心のスタイリングですが、オールドファンにとってはザガート味が薄いかもしれません。フロントからの見え方はほぼ同一で、リヤエンドやテールランプの形状が異なる程度では「オレ、ザガート買ったんだ」という満足度はさほど高くないかもしれません。

ザガートらしさが最も現れているのが、リヤの造形。LEDで攻めたテールランプや、エッジの効いたラインが標準ボディと大きく異なります。

同時にリリースされたクーペ/スピードスター/シューティングブレークはザガートのアイコンたるダブルバブルを取り入れていますから、ヴォランテでも工夫の余地はあったはず。そのあたり、アストンマーチンも心得ていたのか、自社のプレミアムメニュー「Q by アストンマーチン」でもってインテリアの特別感をこれでもかとアップさせています。例えば、シートステッチにザガートの頭文字「Z」をあしらってみたり、コンソールにアルマイト処理されたブロンズ材をおごるなどさすがにリッチ&ゴージャスな仕上がりは新車価格75万ユーロ(約1億4000万円)にふさわしいものかと。

近年のアストンマーチンはインテリアへのこだわりがハンパないですね。Z模様のステッチや、アルマイト加工したブロンズを使うなどじつに豪華です。

また、エンジン&シャシーについては先のヴァンキッシュSと同様の内容で、5.9リッターV 12から600psを発揮。が、いくらか軽量なぶんだけ0-100km/h:3.5秒と、0.2秒速くなっています。一方、最高速についてザガートは310km/h以上と明言を避けています。ちなみに、標準のヴォランテSは323km/hなので、同じくらいと考えていいでしょう。オープンモデルにとって、それほどの重要データではないとされたのでしょうか。

カバーには6.0とありますが、正確には5.9リッターの自然吸気V12エンジン。600psを発揮するので、ともかくはハイパワーといえるでしょう。

バイク乗りなら「喧嘩メーター」にお気づきのはず。針が左右逆回転というギミックが仕込まれています。

100周年にちなんだレアモデル争奪戦の行方は…

99台の限定生産だったため、発売からしばらく経っているものの中古車市場に出てくることは滅多にありませんでした。こちらのエスケーピングホワイトにグレナディンレッドのソフトトップというパッケージも珍しいもので(大半がザガートレッドのボディ)激しい争奪戦となることはまず間違いありません。

グレナディン(ざくろ)レッドというビビッドなカラーとされたソフトトップ。このあたり、英国車なのにイタリアンな香りが漂います。

50万ユーロ(約9000万円)のスタートと、お手頃感はあるものの、落札価格はやはり1億超えが予想されています。ともあれ、アストンマーチンとザガートというゴールデンコンビ、しかも100周年にちなんだレアモデルとなれば、致し方ない買い物といえるのではないでしょうか。

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