![「にわかには信じられない…」とんでもないマシンがオークションに出品。世界にたった1台[アプリリア RS125R]をコレクターが放出! ロッシの伝説の始まりとなった貴重なモデルを紹介](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/Aprilia_RS125R_A.jpg)
全世界5千万人のロッシ・ファンに朗報です。なんと、ロッシが記念すべきWGP初優勝を決めたマシン「アプリリア RS125R」がオークションに出品されました。もちろん、カラーリングをコピーしたレプリカではなく、ロッシ本人が駆ったマシンそのもの! 1996シーズン終了とともに、さるコレクターの手にわたっていたものがついに市場へと放出されたのです。リザーブ(指し値)価格は、堂々の2800万円。ワン・アンド・オンリーな栄えある46号車をご紹介しましょう。
●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:RM Sotherbys
世代交代の象徴となったロッシの優勝
ヴァレンティーノ・ロッシが17歳という若さで、初めてWGPにデビューしたのが1996年のこと。アプリリアのファクトリーライダーとして前述のRS125Rでフル参戦。マレーシアの初戦でいきなり6位に食い込んでみせたこと、ご記憶の方も少なくないでしょう。ご承知の通り、当時の125ccクラスは「日本人ライダー全盛期」でもあり、青木治親選手や徳留真紀選手といった強豪が上位を争っており、日本でもロッシは注目の的となったかと。
1996年WGP第11戦、チェコで初優勝を飾ったロッシとアプリリアRS125R。このマシンそのものが売り出されました!
そして、第11戦のチェコ、ブルーノ・サーキットでロッシはついに表彰台の頂点に上り詰めました。しかも、2位のホルヘ・マルティネスとの差はわずか0.245秒という白熱ぶり。ロッシは自身初のポールポジションからスタートしましたが、レース終盤までマルティネスとの激しい順位入れ替えが続きました。最終的に、ロッシは得意の深いブレーキングを武器として逃げ切ったとされています。ちなみに、初優勝の2週間前、イギリスGPでロッシはマルティネスと接触事故を起こしていました。この際、怒り狂ったマルティネスがロッシのピットに怒鳴り込み、「新人はベテランをもっと敬え!」 と説教したのだとか。そんなベテランをチェコで破ったことは、世代交代の象徴だったといえるでしょう。
ブルーノ・サーキットでチェッカーを受けた直後の様子。アプリリア・ファクトリーが大喜びしているのにご注目。
高い剛性でアグレッシブな走りに対応したRS125R
そんなロッシを表彰台へと上らせたマシン、アプリリアRS125Rは現在ドゥカティで辣腕を振るうジジ・ダッリーニャがリーダーとなって開発したもの。オーストリア・ロータックス製のRotax 123(または発展型の126/127/128系)をベースとした2ストローク単気筒を搭載し、デロルト VHSD 41(フラットバルブ)を介して34馬力(フルパワーで約45〜50馬力)を発生させる、現代では考えられないほどのハイパワーに仕上がっていました。また、当時のホンダ(RS125R)が軽量化を重視していたのに対し、アプリリアは高い剛性を追求したアルミツインチューブフレームを採用することでロッシのアグレッシブな走りに対応。加えて、フロントブレーキをカーボンにすることで、制動性能とバネ下の軽量化も実現しています。
実車のディスクローターがカーボンでないのは、後年レストアの際に変更された可能性があります。
とはいえ、アプリリアとホンダ/ヤマハの日本勢による闘いは熾烈を極めており、「剛性とパワーのイタリア」vs「軽さとバランスの日本」という対照的なぶつかり合いが観るものを熱狂させたのかと。ここに、マシンの強大なパワーと剛性をねじ伏せるようなロッシやビアッジといった「新世代のライディングスタイル」がピタリと決まり、90年代後半のアプリリアがホンダを圧倒し始める重要なファクターとなったことは間違いないでしょう。
レースファン垂涎のモデルにいくらの値がつくのか
このように、RS125Rの46号車はロッシ初優勝マシンというだけでなく、グランプリシーンにおけるゲームチェンジャーだったことも伺えます。となると、オークション出品車両はロッシ・ファンだけでなくあらゆるレースファンにとっても垂涎の的といっても過言ではありません。果たして、いくらで落札されるのか、まったくもって目が離せません!
この一枚からもロッシの熱い闘志が読み取れるはず。ますますオークションの行方が気になってくるというもの。
※2026年5月に執筆
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