
カワサキは、948cm³並列4気筒エンジンを搭載するスーパーネイキッド「Z900」および上級仕様「Z900 SE」の2027年モデルを、2026年10月1日より日本国内で発売する。両モデルともに前年型から価格を据え置き、スタンダードはグラフィックを含めて仕様を継続。上級仕様のSEのみ、フロントブレーキに採用されるブレンボ製キャリパーのロゴ外観が変更された。最新諸元と装備の違いを詳しく解説する。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カワサキモータースジャパン
凄みをまとう4気筒ネイキッド!2027年型「Z900」シリーズ
カワサキのスーパーネイキッド「Z900」および「Z900 SE」に、モデルイヤー2027年となる最新仕様が登場した。発売予定日は2026年10月1日だ。
販売は全国のカワサキプラザで行われ、いずれのモデルも「カワサキケアモデル」に指定されている。これは車両購入後、1ヶ月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償で受けられるサービスであり、長期的な維持費を抑制できる仕組みだ。さらに、ETC2.0車載器が標準装備されるため、購入後すぐに高速道路での巡航へと移行できる。
注目の価格は、スタンダードモデルのZ900が1,485,000円、上級仕様のZ900 SEが1,661,000円に設定された。物価や原材料費の高騰が続く市場環境において、両モデルともに2026年モデルからの価格据え置きを実現したことは、これから新車導入を検討するライダーにとってありがたい英断といえよう。
SEの“ブレンボ製キャリパー”に宿る最新ディテール
2027年モデルにおける変更内容は極めて限定的だ。まずスタンダードモデルのZ900に関しては、カラーリングである「エボニー×メタリックカーボングレー」および主要諸元に変更はなく、2026年モデルを完全に継続する形をとる。
一方で、上級仕様であるZ900 SEの変更点は「ブレンボ製M4.32ラジアルマウントキャリパーの外観変更」のみだ。具体的には、キャリパー本体に刻まれる「brembo」のロゴが、近年のブレンボ製品に見られる最新の書体(フォント)へと意匠変更されている。この意匠変更に伴う製品の性能、制動力、コントロール性といった機能面への影響は一切ない。
つまり、メカニズムや基本構成は2026年モデルとして実施された大幅改良の内容をそのまま受け継いでおり、モデルとして熟成の域に入ったといえよう。
低回転からトルクが湧き出る並列4気筒エンジンと死角なき電脳パッケージ
心臓部に搭載するのは、948cm³水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジン。最高出力は91kW(124PS)/9,500rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf・m)/7,700rpmを発揮する仕様だ。電子制御スロットルバルブを採用したことにより、低回転域からスムーズで扱いやすいトルク特性を引き出し、WMTCモード燃費で20.5km/Lという良好な数値を確保している。
この扱いやすいエンジン特性をさらに強力に支援するのが、IMU(慣性計測ユニット)を核とした電子制御パッケージだ。車体の姿勢変化を瞬時に感知し、トラクションコントロール(KTRC)やコーナリングABSを一括して最適に統合管理する「KCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)」が、滑りやすい路面での挙動を安定させる。
さらに、1,500rpmという極めて低いエンジン回転数から作動する双方向対応のKQS(カワサキクイックシフター)を装備。クラッチレバーを操作することなくシフトアップ・ダウンが完了するため、街中での頻繁な加減速によるライダーの左手の疲労を軽減しやすくなる。
メーターには、視認性に優れる5インチTFTディスプレイを採用。スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」を介して接続することで、メーター画面上にターンバイターン方式の簡易ナビゲーションを表示でき、見知らぬ土地へのツーリングでもルートを見失う不安を解消できるだろう。
足まわりを研ぎ澄ました上級「SE」か、必要十分なスタンダードか
スタンダードとSEの価格差はちょうど17万6000円だ。この差額の中に、SEならではの物理的メリットが凝縮されている。
SEには、フロントにゴールドカラーのアウターチューブを採用した倒立フォーク(インナーチューブ径41mm)を備え、スタンダードには搭載されない「圧側・伸側減衰力調整機構」をフル装備。さらに、リヤにはリモート式プリロードアジャスターを備えたオーリンズ製S46サスペンションが奢られる。これにより、積載量やライダーの好みに応じたダンピング特性の細かなセットアップが可能となり、荒れた路面での追従性が一段と高められている。
ブレーキシステムも差別化されている。スタンダードが日清紡ホールディングス(ニッシン)製ラジアルマウントキャリパーを採用するのに対し、SEはブレンボ製M4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパーに、ニッシン製ラジアルポンプマスターシリンダー、さらにステンレスメッシュ製のブレーキホースを組み合わせる。
さらにSEは、手縫い風のステッチラインが太もも部分に沿って配されたツートーンの本革風専用シートと、フロントカウル内へのUSB Type-C電源の標準装備など、ユーティリティ性能も向上している。車両重量は、装備の追加がありながらもスタンダード(214kg)に対してプラスわずか1kgの215kgに抑えられている。
シート高は両車ともに日本国内仕様専用の810mmとなっており、欧州仕様の830mmに比べて20mm低いため、停車時の安心感は極めて高い。スタンダードで4気筒の軽快さをシンプルに味わうか、17万6000円を追加して足まわりの調整機能とコントロール性を手に入れるか。どちらを選んでも、カワサキの凄みパフォーマンスを体感できることは確実なので、どこをメインに走りたいかで決めてみてはいかがかな。
KAWASAKI Z900 [2027 model]COLORS
KAWASAKI Z900 SE [2027 model]COLORS
KAWASAKI Z900 / Z900 SE [2027 model]SPECS
| 項目 | Z900 | Z900 SE |
|---|---|---|
| 型式 | 8BL-ZR900S | 8BL-ZR900S |
| 全長×全幅×全高 | 2,065mm×830mm×1,075mm | 2,065mm×830mm×1,110mm |
| 軸間距離 | 1,450mm | 1,450mm |
| 最低地上高 | 145mm | 145mm |
| シート高 | 810mm | 810mm |
| キャスター/トレール | 24.7°/110mm | 24.7°/110mm |
| エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ |
| 総排気量 | 948cm³ | 948cm³ |
| 内径×行程/圧縮比 | 73.4mm×56.0mm/11.8:1 | 73.4mm×56.0mm/11.8:1 |
| 最高出力 | 91kW(124PS)/9,500rpm | 91kW(124PS)/9,500rpm |
| 最大トルク | 98N・m(10.0kgf・m)/7,700rpm | 98N・m(10.0kgf・m)/7,700rpm |
| トランスミッション形式 | 常時噛合式6段リターン | 常時噛合式6段リターン |
| 車両重量 | 214kg | 215kg |
| 燃料タンク容量 | 17L | 17L |
| 燃料消費率(WMTCモード値) | 20.5km/L(クラス3-2、1名乗車時) | 20.5km/L(クラス3-2、1名乗車時) |
| タイヤサイズ(前/後) | 120/70ZR17M/C (58W) / 180/55ZR17M/C (73W) | 120/70ZR17M/C (58W) / 180/55ZR17M/C (73W) |
| ブレーキ形式(前/後) | デュアルディスク300mm(外径) / シングルディスク250mm(外径) | デュアルディスク300mm(外径) / シングルディスク250mm(内径・外径) |
| 乗車定員 | 2名 | 2名 |
| メーカー希望小売価格(税込) | 1,485,000円 | 1,661,000円 |
| 発売予定日 | 2026年10月1日(木) | 2026年10月1日(木) |
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