
国内で復活を果たしたカワサキのスーパーネイキッド「Z1100 SE」。排気量アップや最新電制の導入により、アグレッシブなスタイリングと高次元の走りを実現している。元GPライダーの青木宣篤氏による試乗インプレッションから、限界値の高さと懐の深さが生み出す「ジェントルな走り」の真価に迫る。
●文:伊藤康司 ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:カワサキ
SUGOMI溢れるスタイルとジェントルな走りの両立
国内では2022年モデルを最後に姿を消したスーパーネイキッドのZ1000が、排気量を拡大したZ1100として復活。先の欧州発売からJMS2025でのジャパンプレミアを経て、今春2月から国内販売が始まった。
エンジンはカムプロフィールの変更やフライホイールの重量を増加。スロットルボディ変更と吸気ポートの最適化、排気系もよりクリーンな排気と軽量化を狙って大幅に刷新し、サイレンサーは右1本出しに変更。IMUや電スロ(ETV)による電制のバージョンアップや、スマホ連携などもぬかりなく進化。
Kawasaki Z1100 SE
そして今回、青木宣篤さんが試乗したのは上級バージョンのZ1100 SEだ。STDモデルに対しオーリンズ製のリヤショックとブレンボ製のフロントブレーキ、ハンドル右にUSB電源ソケット(Type-C)を装備して、専用カラーを纏う。
相応に頑張っても、まだ余裕がある。限界ポイントが高い印象
ーーでは早速、Z1100 SEに試乗した印象を聞いていこう。
青木「スーパーネイキッドっていうだけあって、かなり走れるネイキッドだね! アルミフレームは少し前のスーパースポーツみたいな作りだし、足周りのオーリンズやブレンボも走りに特化したネイキッド、って感じが強い。普通のネイキッドってどうしても加速時にフロントが軽くなる感じがあるんだけれど、それが極端に少ない。ウイリーさせたりもしたけれど、けっこう意識的に工夫してやっていて、普通には浮かないよ(笑)」
Z1100 SEのサーキット走行を踏まえ、かなり走れるネイキッドという印象を持った青木さん。
ーー同時に試乗したZ900RS SEとは、テイストがかなり違っていた?
青木「試乗を見ていたスタッフから“Z900RS SEの方が攻めていて、Z1100 SEは走りがジェントルに見える”って言われたけれど、このバイクは許容範囲や限界ポイントが高いんだろうね。相応に頑張っても、まだ余裕があるから。エンジンもけっこう回しているんだけど、サイレンサーが大きいから音も静かだしね」
ーー電子制御機能に対する印象は?
青木「トラクションコントロールが、けっこうコンサバっていうか介入が早め。その辺の作り込みも、走りがジェントルに見える理由かもしれない。これ、決して“緩い”って意味ではなくて、設定としてそこを狙っている気がする、「守られている感」あるからね。ルックスは尖がっているし、排気量が1100ccもあってパワーもあるけれど、落ち着きと余裕があるから街乗りやツーリングでも普通に使えると思うよ!」
【ライダー:青木宣篤】1971年生まれ。ポケバイ、ミニバイクを経て1989年に史上最年少で国際A級昇格。1993年からWGP250、1997年にWGP500でルーキーオブイヤーを獲得。モトGPにプロトンKRで参戦、スズキのMotoGP開発ライダーとしても活躍し、長年にわたって知見を蓄えてきた。
Kawasaki Z1100 SE
【Kawasaki Z1100 SE 主要諸元】
- サイズ:全長2055 全幅825 全高1085 軸距1440 シート高815(mm)
- 車 重:221kg(装備)
- エンジン:水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1098cc
- 出 力:136ps/ 9000rpm 11.5kg-m/7600rpm
- 変速機形式:6段リターン
- 燃料タンク:容量17L
- タイヤ:F =120/70ZR17 R =190/50ZR17
- 価 格:176万円
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