
「バイクに乗りたいけれど、置く場所がない」「車で出かけた先で、ちょっとした足が欲しい」。そんな悩みを吹き飛ばす、まるで現代に蘇った「モトコンポ」のような超小型・変形電動モビリティが次々と誕生している。今回は、デスク下に収まるモデルから、アウトドアでの電源になるもの、さらには全幅わずか93mmに畳める超絶スリムな一台まで、我々の生活を劇的に変える「令和のモトコンポ」3種を一挙に紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
置き場所ゼロの不満を解消する、新時代の変形モビリティ
マンションの駐輪場はいつも満車で、月々の駐車場代もバカにならない。ちょっと先のコンビニや最寄り駅まで行きたいだけなのに、わざわざ重たいバイクを引っ張り出すのは億劫だ。そんな日常的な不満への解答となる、最新の電動バイクが続々登場している。
それが、かつてホンダが生み出した伝説の箱型バイク「モトコンポ」のDNAを現代に受け継ぐ、新世代の変形モビリティたちだ。排気ガスゼロ、オイル交換の手間も不要。使わない時はコンパクトに畳んで部屋の隅や車のトランクへ。日々の生活に「ちょい乗り」の自由を取り戻してくれる、魅力的な3台を見ていこう。
デスク下に完全収納。インテリアにもなる「タタメルバイク」
「バイクを置く場所がない」という都市部ライダーの絶望を、見事に希望へと変えるのが株式会社ICOMAの「タタメルバイク」だ。走行時は全長1230mmの頼れる原付サイズだが、折り畳むと全長・高さともに690mm、幅はわずか260mmへと劇的に変形。一般的なオフィスデスクの下にスッと収まってしまう驚異のギミックには、ワクワクが止まらない。
さらに遊び心をくすぐるのが、サイドパネルを自分好みに着せ替えできる点だ。部屋に無骨な機械を置くのではなく、美しいインテリアとして「飾る」歓びを味わえるのだ。走行性能も侮れず、最高速度は約40km/h、家庭用の100Vコンセントで手軽に充電でき、航続距離は約30kmと日常使いには十分なスペックを誇る。
外部給電機能も備わっているため、万が一の災害時やキャンプでは頼れる巨大モバイルバッテリーへと早変わりする。盗難の不安も、ガソリンの匂いやオイル交換の手間もない。まさに「生活空間に溶け込む」新しいモビリティの形だ。
日本発のトランスフォーマブル・バイク「タタメルバイク」 タタメルバイクは、日本のものづくりの精神と、自由な発想が融合して生まれた「持ち運べるパーソナルモビリティ」だ。最大の特徴は、その名の通りの折り畳[…]
遊び心全開。アウトドアの最強の相棒「FELO M-1」
ホンダのデザイン部門出身者が立ち上げたFELOテクノロジーが放つ「M-1」は、まさにモトコンポの正統進化系とも言えるワクワク感に満ちている。ハンドル、シート、ステップを巧みに車体へ格納すると、あっという間に四角い箱型に変身。格納時の高さはわずか583mmに抑えられ、車重55kgのボディはSUVのトランクはもちろん、少し広めの助手席にだって載せられそうなサイズ感だ。
旅先での「ラストワンマイル」を彩る足としてはもちろん、このマシンの真骨頂はアウトドアでの圧倒的な実用性にある。車体のバッテリーはそのまま大容量モバイル電源として機能し、自然の中で電子機器を存分に使える快適さをもたらしてくれる。
さらに、マグネシウムとアルミの一体型モノコックフレームにはモジュール追加用のスペースが用意され、Bluetoothスピーカーや追加ライトを装備して自分好みのガジェットに仕立て上げることも可能。フロントにはシマノ製キャリパーのディスクブレーキを奢り、足つきはベッタリで安心感抜群。遊び心と実用性が極めて高い次元で融合した1台だ。
50cc扱いの新作電動バイク、モバイル電源にもなる! ハンドルやステップ、シートを車体に格納すると箱型になり、クルマに積載しやすくなる。まさにホンダ モトコンポのコンセプトを現代に復活させたマシンがF[…]
全幅わずか93mmの衝撃。持ち歩ける「モトコンパクト」
最後に取り上げるのは本家ホンダ(アメリカホンダ)が突如として発表し、世界中を驚かせた「モトコンパクト」。その最大の武器は、常識を覆すほどの異常なスリムさにある。なんと前輪駆動を採用し、タイヤからハンドル、充電器に至るまですべてを薄いボディ内に収納。折り畳み時の全幅は驚愕の93mm、つまり10センチ未満という信じがたい薄さを実現しているのだ。
キャリーハンドル付きで、片手で持ち運べるため、公共交通機関との相性も抜群だ。走行性能は最高速度24.1km/h、最大航続距離約19.3kmと控えめながら、クッション性のあるシートやしっかりしたステップ、Bluetoothによるスマホでの走行モード設定機能など、ライダーへの気配りは忘れていない。
現地価格は995ドル(約14万9000円)と、手を伸ばせばすぐ届く価格設定もたまらない。現時点で日本での正式発売は未定だが、一部の商社や販売店が並行輸入車として取り扱っているので、気になる方は要チェックだ。
日本には持ち込まれないはずだった? ホンダはジャパンモビリティショー2023に、アメリカホンダが開発した新型電動モビリティ「「モトコンパクト(Motocompacto)」を展示する。すでに会場で手に触[…]
移動の常識がひっくり返る未来は、もう手の中にある
置き場所の悩みや維持費の高さ、ガソリンの匂い。我々をバイクから遠ざけていたあらゆる障害が、これら「令和のモトコンポ」たちによって跡形もなく消え去ろうとしている。休日に車のトランクへ放り込んで絶景の海沿いを走るもよし、部屋のオブジェとして愛でながら週末の買い物の足に使うもよし。もはや彼らは単なる移動手段ではなく、日常を劇的にアップデートしてくれる「最高の相棒」だ。新しいモビリティとの生活は、あなたの毎日にかつてない自由と笑顔を約束してくれるはずだ。
4. スペック・主要諸元の表
| 車種名 | メーカー | 価格 | サイズ(展開時/折り畳み時) | 重量 | 最高速度 | 航続距離 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| タタメルバイク | 株式会社ICOMA | 税込49万8000円 | 全長1230mm / 全長690×幅260×高690mm | 63kg | 約40km/h | 約30km |
| FELO M-1 | FELOテクノロジー | 約38万円(予価) | 全長1160×全幅560×全高860mm / 高さ583mm | 55kg | 35km/h | 40km |
| モトコンパクト | ホンダ | 995ドル(約14万9000円) | 全長968×全幅437×全高889mm / 全長742×全幅93mm×全高536mm | 18.7kg | 24.1km/h | 約19.3km |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(日本車/国産車))
税込418万円で2027年1月23日発売! 国内限定300台のプレミアモデル 再導入の報から注目を集めていた2027年モデルのNinja H2 CARBONだが、注目の価格はカワサキケアおよびETC2[…]
3人ともCBオーナー。CB1000Fは気になる存在 今回試乗したのは、同じ職場で働く20代の3人。全員がホンダファンで、それぞれCBを所有しています。CB1000Fは3人とも気になっていたモデルだった[…]
エントリーライダーも意識した軽量スリムなシングルスポーツ インドで先行発売されたモデルに仕様変更を加え、ʼ20年4月に新発売されたのが、ネイキッドのジクサー250と基本構造を共有するフルカウルスポーツ[…]
小径ホイールを履くのに安定感が高めなのも魅力 全日本ロードレース選手権第4戦筑波大会では、雨上がりの難しい路面だった予選でトップタイムをマークし、初めてポールポジションを獲得。ところが決勝は、先頭集団[…]
136PSの1098cc並列4気筒ツアラー! 「Ninja 1100SX / SE」2027年モデルが11月14日登場 カワサキは、スポーツツーリングモデルの最高峰となる「Ninja 1100SX」お[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
約半年遅れて発売の全国版はバッテリー&充電器付き! 本田技研工業(以下ホンダ)とヤマハ発動機(以下ヤマハ)は2024年8月、原付一種に相当するホンダの電動二輪車をベースとした日本市場向けモデルを、ヤマ[…]
サーキット最速の血統を受け継ぐ猛烈な加速力 街乗り用のスマートな電動バイクかと思いきや、その中身は生粋のスポーツモデルだ。E-VOは、珠海サーキットにおいて二輪ラップタイムの記録を打ち立てた業界のベン[…]
立ち乗りも座り乗りも自由自在。免許不要で広がる行動範囲 「近所の買い物や通勤を楽にしたいけれど、ペダルを漕ぐのは疲れるし、バイクの免許は持っていない」。そんな悩みを吹き飛ばしてくれる有力な選択肢が、こ[…]
7/1:ビモータ「TESI H2 TERA」 カワサキ「Z H2」譲りの200PSスーパーチャージドエンジンと、ビモータ伝統のハブセンターステアリングを融合させた究極のクロスオーバー。ノーズダイブを抑[…]
ホンダの心臓を宿した、ヤマハの新しい「ジョグ」 「EVスクーターに興味はあるけれど、どこのメーカーのシステムが安心できるのだろう」。そんな疑問を持つライダーにとって、この一台はひとつの信頼できる答えに[…]
人気記事ランキング(全体)
悪評を覆し、世界中で熱狂的に迎えられた「GSX1100S KATANA」 GS750・1000はひとまずの成功を収めたが、スズキはさらなる高出力化を求めて研究を開始。新4バルブユニットには GSXの名[…]
中部地方初の拠点「名古屋BASE」が庄内通にオープン 地下鉄鶴舞線の庄内通駅エレベーター口から徒歩5分というアクセスしやすい場所に、ビークルファンの新拠点「名古屋BASE」が開設された。関東や関西、九[…]
S 1000 RRのDNAを凝縮したアグレッシブなフォルム EICMA 2026のBMWブースで大きな注目を集めそうなF 450 RRは、上位モデルの意匠を色濃く受け継いだグラマラスなカウリングをまと[…]
70年代レースシーンとM.マルケスのモチーフを合体! 『Glamster MARQUEZ DUSTY RACE』は、MotoGPライダーのマルク・マルケス選手のシグネチャーモデルだ。トップライダーのグ[…]
高性能ICを採用したバイク専用電源 クラシックデュアルメータールックカバーのサービスホールに取り付け可能な、USB Type-C 1ポートを備えたバイク専用電源。接続機器に合わせて最適な充電を制御する[…]
最新の投稿記事(全体)
国内版CBR400R FOURと共通基盤を持つ502cc直4エンジンとEクラッチ 欧州発表の新型CBR500R FOURは、国内で販売されているCBR400R FOURの直列4気筒プラットフォームと基[…]
EICMAで熱視線を集めるイタリア発の都市型マイクロモビリティ ミラノで開催されたEICMA 2026で異彩を放ったデスナー T30は、欧州のL6e(軽量四輪車)規格に適合する完全電動の2人乗りシティ[…]
チェックポイントは陸上にあらず! 試されるのは「海の中まで行く覚悟」 「端ッコスタンプラリー第4弾」の最大の特徴は、チェックポイントが陸上に存在しないという衝撃の仕様だ。 スタンプを獲得するためには、[…]
会場で観ようぜ!全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿 全日本ロードレース選手権も残すところ10月24日・25日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される最終戦MFJグランプリを残すのみとなりました。 Moto[…]
数年間放置V-MAXと過走行サンバーをフラッシング オイル交換予定のヤマハV‐MAXは、車検切れのまま数年間放置されていた車両である。この機会にフラッシングを行い、エンジン内部をリフレッシュすることに[…]
- 1
- 2






































