
原付二種クラスに「ネオレトロ」という旋風を巻き起こしたヤマハXSR125。フルサイズボディならではの所有感と、ベテランも納得の走り、そしてカスタムの素材としての魅力も相まって、発売以来高い人気を維持しているモデルだ。これからバイクライフを始めるエントリーユーザーから、セカンドバイクを探しているベテランまで、気になっているライダーは多いはずだ。そこで今回は、購入前に押さえておきたい情報をまとめた。これを読めばXSR125のすべてが見えてくるはずだ。
●文:ヤングマシン編集部
現行2025年モデルの概要を知るなら…
発売記事を読もう。2025年モデルにおける最大のトピックは、なんと言っても足つき性を改善した「アクセサリーパッケージ XSR125 Low」の設定だ。
XSR125はフルサイズならではの迫力あるスタイリングが魅力だが、その反面、シート高は810mmと原付二種クラスとしてはやや高めな数値だった。小柄なライダーや初心者の中には、この足つき性に不安を感じていた人も少なくないはずだ。そこで登場したのがこの「Low」仕様である。
具体的には、スタンダードモデルをベースに、約10mmダウンのローシートと、リンク長を変更して約20mmダウンさせるローダウンリンクを組み合わせることで、トータルで約30mmのローダウンを実現している。これにより実質的なシート高は約780mmとなり、安心感は劇的に向上することだろう。
このパッケージは新車購入時に販売店で装着される形式で、車両価格はスタンダードのプラス2万2000円となる52万8000円だ。ちなみにローシート単体での販売はなく、ローダウンリンクは単品購入も可能だが、新車時にパッケージで購入するほうが手軽だろう。
モデルの変遷を知るなら…
歴代モデル図鑑を読もう。初期型となる2024年モデルは、オレンジ、ライトブルー、シルバー、ブラックの4色展開だった。とくにブラックは、ゴールド仕上げの倒立フォークやエンブレムを採用し、かつてのヤマハ「ミッドナイトスペシャル」を想起させるデザインで注目を集めた。
その人気は凄まじく、発売からわずか1ヶ月後の2024年1月時点でバックオーダーが1000台を超えるほどの反響を呼んだという。原付二種クラスでこれほどの熱量を持って迎えられたモデルはそう多くはないだろう。
XSR125の基本構成は、可変バルブシステム(VVA)を採用した水冷単気筒エンジンを、スチール製のデルタボックスフレームに搭載するという本格的なものだ。足まわりにもφ37mmの倒立フロントフォークやアルミ製スイングアームをおごり、クラスを超えた装備が所有感を満たしてくれる。
そして2025年モデルでは、前述の通りカラーリングの入れ替えと「Low」パッケージの追加が行われた。基本的なエンジンスペックや車体構成に変更はないため、中古車を検討する場合は、好みのアカラーリングや予算に合わせて年式を選ぶのが正解だ。
とくに2024年モデルのポップなカラーリング(オレンジやライトブルー)は廃止されてしまったため、あの色が欲しいという人は中古市場や店頭在庫をチェックする必要があるだろう。
2024年モデル:待望の国内導入初年度 XSR125は、可変バルブシステム=VVAを採用した水冷単気筒エンジンをスチール製デルタボックスフレームに搭載し、倒立フロントフォークやアシスト&スリッパークラ[…]
走りの楽しさとカスタムの余地を知るなら…
インプレ記事を読もう。テスターによれば、実際にまたがってみると、その車格の大きさに驚かされるという。幅広のハンドルにボリュームのあるタンク、そして腰高感のあるシートは、まさにフルサイズスポーツだ。
身長165cmのテスターで両足指先接地という足つき性は、やはり125ccとしては大柄な部類に入る。しかし、そのポジションのおかげで窮屈さは皆無。タンクのホールド感も自然で、マシンを操る楽しさを予感させてくれる。
走り出せば、その予感は確信に変わる。VVA(可変バルブ機構)を搭載したエンジンは、低回転からしっかりとしたトルクがあり、スロットルを開ければ高回転までスムーズに吹け上がる。
7400rpm付近でカムが切り替わるが、そのつながりは自然で、メーター上のインジケーターが作動を知らせてくれるギミックも気分を盛り上げてくれる。最高出力15psをしっかりと使い切れる感覚は、小排気量車ならではの醍醐味だ。
ハンドリングも優秀だ。デルタボックスフレームと倒立フォークの剛性感は高く、コーナーでの安定感は抜群。インに切れ込んだりアウトにはらんだりすることなく、狙ったラインを素直にトレースできる。
リーンウィズでバイクに身体を預けて曲がる感覚は、大型バイクに通じるものがあり、ライディングの基礎を学ぶにもうってつけだ。ブレーキ性能もストリートでは十分なレベルだが、手の小さいライダーにはレバーが少し遠く感じるかもしれない。その場合はアジャスター付きレバーへの交換を検討したいところだ。
気になった点としては、積載性の乏しさが挙げられる。フラットなシート形状で荷物は積みやすそうだが、フック類が見当たらないのはツーリング派には痛いポイント。しかし、これもカスタムの楽しみと捉えれば悪くない。
キャリアを追加したり、工夫して積載方法を考えたりするのもバイクライフの一部だ。総じてXSR125は、単なる移動手段ではなく、乗ること自体を目的としたくなる「趣味のバイク」として完成されている。高速道路こそ乗れないが、下道ツーリングの相棒としては最高の選択肢のひとつと言えるだろう。
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