
チョイ乗り用として人気を博したAPトライク125に対し、排気量と車格をアップさせて登場した「APトライク250」。側車付き軽二輪として高速道路の走行資格を持つこのマシンは、はたして実用に耐えうる性能を持っているのか。スペック表だけでは見えてこないリアルな挙動や疲労感、そしてトライクならではの操縦特性についてDIY道楽テツ氏が徹底チェック。実際に高速道路での長距離走行と峠道でのテストを行ったレポートをもとに、その魅力を紐解いてみよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:DIY道楽テツ
125ccとは別物!「男のオモチャ」としての操縦性
APトライク250は、単に125cc版の排気量を2倍にしただけのモデルではない。そのキャラクターは「チョイ乗り」から「ガチ乗り」へと変貌を遂げている。まず動力性能だが、125ccでは苦行だった坂道も、250cc化によるトルク増大で驚くほどスムーズに登坂可能となった。流れの速い幹線道路でもリードできるほどの余裕が生まれ、行動範囲は圧倒的に広がっている。
最大の変化は操作系だ。125ccが自動遠心クラッチ(AT扱い)だったのに対し、250ccは一般的なバイクと同じマニュアルクラッチ式(MT免許必須)を採用している。操作は右手でアクセルとブレーキ、左手でクラッチ、右足でフットブレーキ、左足でシフトチェンジと、四肢すべてを駆使する必要がある。とくに足は床から浮かせた状態で操作せねばならず、峠道など変速が多い場面ではかなり忙しい。だが、この「めんどくささ」こそがバイク乗りの魂を揺さぶるのだ。
エンジンはあえてバイク用のフィーリングを残しており、高回転まで回して走るエキサイティングな味付けがなされている。コミカルな125ccがパンダなら、250ccはヒグマのような雄々しさがある。
三輪トライク特有の「急ハンドルで転倒するリスク」と隣り合わせの緊張感の中、自らの技量でマシンを御する感覚は、現代のハイテクなクルマやバイクでは味わえない原初的なスリルと言えるだろう。プロペラ機を操縦するかのような繊細さと、未完成ゆえのイジりがい。APトライク250は、不便ささえも愛着に変えられる、骨太な「男のオモチャ」なのだ。
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
高速道路500kmの実走で見えた「素材」としての可能性
購入する際、多くの方が懸念するであろう高速道路での走行性能。そこでDIYテツ氏が実施したのがAPトライク250で圏央道から東名、新東名を経由し、浜名湖まで往復500kmを走破するテストだ。最大の懸念点である本線合流時の加速だが、248kgの車体に対しゾンシェン製250ccエンジンはスムーズに吹け上がり、意外にもあっさりと法定速度の80km/hに到達。
巡航速度としても80km/h+αの余力があり、エンジンが高回転になりすぎることもない。冷却面でも、大型ラジエーターのおかげで連続走行中も水温は安定しており、熱ダレの心配はなさそうだという。
一方で、快適性には課題も残るとのこと。シート下にエンジンがあるため車内の騒音は大きく、単気筒特有の微振動で手は痺れる。これはオフロードバイクで高速を走る感覚に近い。風の疲労に関しては二輪車より断然マシだが、横風やトラックの追い越しざまに受ける風圧で挙動が乱れる場面もあり、ハンドルに遊びがない分、ダイレクトな操作が求められる。また、オーディオ類がないため、長距離移動はとにかく「ヒマ」という意外な敵も現れたという。
燃費は約30km/Lと優秀で、この巨体を考えれば十分な数値を記録。ハンドリングに関しては、最初は常に動く前輪を抑え込もうとして肩が強張るものの、慣れてくれば力が抜け、リラックスして走れるように。総評として、APトライク250は国産乗用車のような「完成された乗り物」ではなく、ユーザーが手を加えて完成させる「素材」としての魅力があるマシンだといえそうだ。
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
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