
普通二輪免許で乗れる最高峰、それが400ccクラス(251~400cc)だ。一般道で交通の流れを楽々リードでき、高速道路では120km/h区間でも不足なし。アドベンチャーやネイキッド、スーパースポーツとラインナップは充実しており、数は少ないがAT限定で乗れるスクータータイプもある。そんな同クラスについて、その魅力やメリット/デメリット、おすすめモデルを輸入車に絞って紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc!
バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する。大型二輪免許の取得は18歳以上からだが、原付~普通二輪免許は16歳から取得可能になっている。
400ccクラスを運転できる「普通二輪免許」を取得するには、指定教習所を利用するか運転免許試験場でのダイレクト受験かの2つの方法があり、教習所に通う場合は技能教習と学科教習を受け、卒業検定合格後に運転免許試験場で適性試験と学科試験(技能試験は免除)を受けて合格すれば免許が交付される。
小型限定普通二輪免許を持っていれば学科教習が免除され、普通自動車免許を持っている場合は学科教習が1時限のみに短縮される。
教習所の費用は保有免許によって変わり、免許なしか原付免許保持者の場合は17万円前後(限定なし)/15万円前後(AT限定)、普通自動車免許保持者の場合は5~7万円程度安くなり、小型限定普通二輪免許保持者は10万円前後安く済ませることができる。
試験場でのダイレクト受験(通称:一発試験)では、お住まいの都道府県にある運転免許試験場(運転免許センターとも呼ばれる)で適性検査を行ったのちに学科試験、技能試験に合格し、取得時講習と応急救護講習を受ければ免許交付となる。ちなみに、小型限定普通二輪免許または普通自動車免許を持っていれば学科試験は免除される。
試験場における免許の申請手続きに必要な費用は、教習所卒業者で3800円(受験料/交付手数料)、一発試験の場合は2万2300円(受験料/試験車使用料/交付手数料/取得時講習料/応急救護講習料)だが、不合格の場合は再び受験料と試験車使用料がかかることに留意したい。
400ccバイクのメリットは?
パワーに余裕がある
今回紹介する320~400ccのマシンたちは、高速道路のタンデムでも十分実用的なパワーを備えており、一部の車種はサーキットでも十分戦闘力を発揮できるものまである。
大型バイクに近いコストのかかったディテール
普通二輪免許のフラッグシップだけあって、軽二輪(126~250cc)クラスに比べて凝った造りやコストをかけたサスペンションなどを採用する傾向だ。輸入車では450~500ccの兄弟車などが存在するものもあり、ビッグバイクの入門クラスと位置付けられることもある。
国産以上にバラエティ豊かなデザイン/ラインナップ
輸入車に限っていえば、世界中のバイクメーカーから選べることもあり、各社独自のデザイン哲学に沿った魅力的なモデルが盛りだくさん。400ccクラスというと日本独自の免許制度に沿ったもののように思えるかもしれないが、BMWやKTMをはじめとして、さまざまな海外メーカーがラインナップを行っているため、選択肢も豊富だ。
400ccクラスのバイクのデメリットは?
車検の存在
軽二輪以下は車検がなく、点検や整備、走行以外で年間に必須でかかるコストは税金と自賠責保険だけ。排気量が251cc以上の“小型二輪(=小型の二輪自動車)”になると税金が少し上がり、車検の審査費用印紙代1750円がかかる。
とはいえ、きちんとした整備をする前提であればであれば、車検の有無による差額は年間に均して数千円ほどと、じつはそれほど大きくない。また、ふだんは整備をサボリがちという方にとっては、車検が点検&整備の目安になることもあってデメリットと言い切れない側面も。
気軽さは薄れる
エンジンが大きくなればエンジン重量が増し、パワーが上がればそれに対応するために車体も頑丈になって重くなる。もちろん車格もそれなりに大柄になっていく。体力に自信がない、または初心者の方は購入前に押し歩きや跨りが不便なくできるか確認したほうがいいかもしれない。
ただし、走行しているときは重さが安定感にもなるので、良し悪しは使い方次第で異なって感じられるだろう。
どっちつかずと言える面も
軽二輪のように気軽ではなく、大型バイクほどの趣味性は…と、見方によっては中途半端な立ち位置に思われることもある。しかし、日本の道路環境ではこの400ccクラスこそがベストバランスと見ることもでき、趣味性と気軽さのいいとこ取りとも言える。
人によって解釈が分かれるため、大型二輪免許持ちの中にはマウンティングしてくる輩も出現するが、たぶん一生仲良くなれないしその必要もないので「フーン(ハナホジ)」と適当に相槌を打っておけばいい。
2025年、400ccの輸入バイクはどんな状況?
このクラスの輸入車勢として、1990年代からスーパースポーツの400SS、ネイキッドのモンスター400と日本市場向けを意識したラインナップを行っていたのが、ドゥカティ。モンスター400は輸入車400の代表格として長く親しまれたが、2000年代後半には惜しまれつつ生産終了した。
その後、ネオクラシックブームに後押しされるかのようにスクランブラー・シックスティ2が2016年に登場したが、ユーロ5規制によりディスコンに。以降、ドゥカティのラインナップからは400ccモデルが途絶えたままとなっている。
2010年代から充実したラインナップを誇っているのがKTM。現行モデルでは、スポーツネイキッドの390デュークを筆頭に、スーパーモトの390 SMC R、アドベンチャーの390アドベンチャーR、デュアルパーパスの390エンデューロR、さらにはスーパースポーツのRC390とモデルバリエーションが幅広い。
大型モデルのイメージが強いBMWも、エントリーモデルとして2017年からG310シリーズを投入。スポーツネイキッドのG310RとオフロードモデルのG310GSを、現在でもラインナップし続けている。
近年このクラスで頭角を現しているロイヤルエンフィールドは、2021年頃からニューモデル投入が活発になり、同じエンジンを共有する3兄弟モデルが人気に。2024年はブリット350、同年末に新型クラシック350も発売された。2025年初夏にはハンター350をマイナーチェンジ。さらに2025年9月にはボバースタイルのゴアン クラシックを登場させている。
2023年にはトライアンフがスピード400/スクランブラー400Xを発表して話題に。ハーレーダビッドソンもX350を国内導入し、2024年~2025年はカラーチェンジなど熟成段階に入っている。
2016年に再始動したBSAの日本上陸もトピック。2025年度中にはクラシカルなスタンダードモデル、バンタム350が発売予定だ。
新車で購入できる251~400cc輸入車おすすめ21選!
KTM RC390
軽量ハイパワーと豪華な脚が好評の単気筒スーパースポーツモデル。ユーロ5対応の水冷シングルエンジンは44ps/ 9000 rpmを発揮。トラコンに加え、クラス初のバンク角連動ABSを備えている。GPマシン=RC16譲りのボディワークも魅力だ。ホイールは新作の計3.4kg軽量タイプで、まさにレーシーな仕上がり。縦長のLEDヘッドライトやビルトインウインカー、13.7Lの大型タンクも採用している。
【KTM RC390】主要諸元■軸距1343mm シート高824mm 車重155kg(燃料除く車両重量)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 373cc 44ps/9000rpm 3.77kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13.7L■タイヤサイズF=110/70ZR17 R=150/60ZR17 ●価格:62万円 ●色:青×橙、橙×黒 ●発売時期:2022年6月
KTM 390 SMC R
390デュークから水冷単気筒エンジンとリヤショックをオフセットマウントするスチールパイプフレームという基本構成を踏襲しつつ、ロングスイングアームやコンパクトな金属製燃料タンク、そしてロングトラベルの前後サスペンション(各230mm)に前後17インチホイールを組み合わせたスーパーモトマシン。
4.2インチTFTディスプレイはターンバイターンナビゲーションも表示可能で、USBポートも備える。ライドモードは3種類、スーパーモトABSオプションも利用可能だ。
【KTM 390 SMC R】主要諸元■軸距1453mm シート高860mm 車重154kg(半乾)■水冷4ストローク単気筒 398.7cc 45ps/8500rpm 3.97kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量約9L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:85万9000円 ●発売時期:2025年8月
KTM 390アドベンチャーR
前後230mmのロングトラベルを誇るサスペンションに前21/後18インチホイールを組み合わせ、ロングツーリングやオフロード走行への適性を持たせたアドベンチャーバイク。これまでの390アドベンチャーSWがサスペンション前170/後177mm、ホイール前19/後17インチだったのに対し、よりオフロード色を強めた設定だ。
先進のコーナリングMTC/コーナリングABS/オフロードモードABSを備え、オプションでクルーズコントロールもアクティベート可能。TFTディスプレイはスマートフォンと接続することでターンバイターンナビゲーションなどが利用可能だ。
【KTM 390 アドベンチャーR】主要諸元■軸距1481mm シート高870mm 車重165kg(半乾)■水冷4ストローク単気筒 398.7cc 45ps/8500rpm 3.97kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量約14L■タイヤサイズF=90/90-21 R=140/80R18 ●価格:97万9000円 ●発売時期:2025年9月
KTM 390エンデューロR
アドベンチャーRに共通する前21/後18インチホイールとSMC Rに共通するスリムなボディワークを持ったエンデューロモデル。タイヤはメッツラー製カルー4を装備し、オフロードABSモードやオフロードライドモードなどの電子制御デバイスを持つ。
【KTM 390 エンデューロR】主要諸元■軸距1475mm シート高890mm 車重159kg(半乾)■水冷4ストローク単気筒 398.7cc 45ps/8500rpm 3.97kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量約9L■タイヤサイズF=90/90-21 R=140/80R18 ●価格:85万9000円 ●発売時期:2025年9月
KTM 390デューク
2024年に刷新されたスポーツネイキッドで、2025年モデルはシートカラーをブラックに変更。ライドモード、コーナリングトラクションコントロール、コーナリングABS、ローンチコントロールなどクラスを超えた電子制御デバイスを装備する。サスペンションはアジャスタブルで、LEDヘッドライト、TFTディスプレイ、ウインカー自動キャンセル機能も備える。
【KTM 390 デューク】主要諸元■軸距1357mm シート高820mm 車重165kg(半乾)■水冷4ストローク単気筒 398.7cc 45ps/8500rpm 3.97kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量約15L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:82万9000円 ●発売時期:2025年9月
トライアンフ スクランブラー400XC
スクランブラー400Xをベースとしたアドベンチャー強化モデルがスクランブラー400XCだ。ヘッドライトやラジエター、エンジン下部、ハンドルのナックル部分のガードはそのままに、アップフェンダーやスキッドプレート、エンジンガードパイプなどを増設した。
また、スクランブラー400Xと同じ前19/後17インチながらホイールをワイヤースポークタイプとしたが、クロススポークによりチューブレスタイヤをそのまま履く。ホイールトラベルの前150mm/後150mm、フロントブレーキディスク径φ320mmなどもベースモデルから引き継ぐ。
【トライアンフ スクランブラー400XC】主要諸元■全長2117 全幅901 全高1169 軸距1418 シート高835(各mm) 車重190kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 40ps/8000rpm 3.87kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90R19 R=140/80R17 ●車体色&価格:黄、灰=96万2000円/白=94万9000円 ●発売時期:2025年8月
トライアンフ スピード400
トライアンフが2023年6月28日に発表したロードスターで、兄弟車の「スクランブラー400X」とともにデビュー。モダンクラシックデザインに新設計のエンジン&車体を包む。水冷ながら空冷のような冷却フィンを刻んだ単気筒エンジンは、フィンガーフォロワーロッカーアームやDLCコートという大型スポーツバイク並みの技術を盛り込み、40psとパワフルだ。
足まわりもφ43mm倒立フロントフォークにリヤ1本ショック、前後ラジアルタイヤと充実。ボッシュ製のECUとライドバイワイヤースロットルを採用し、オン/オフ可能なトラクションコントロールシステムやデュアルチャンネルABSも標準装備する。
2026年モデルでは、ラヴァレッドグロス/ストームグレーと、パールメタリックホワイト/ファントムブラックのツートンカラーを新たにラインナップした。
【トライアンフ スピード400】主要諸元■全長2055 全幅795 全高1075 軸距1375 シート高790(各mm) 車重171kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 40ps/8000rpm 3.87kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:73万9000円~ ●色:白×黒、赤×黒、青×灰、黒×灰 ●発売時期:2025年7月
トライアンフ スクランブラー400X
スピード400と同時発表のスクランブラー400Xは、車体とエンジンの基本を共有しながら、ワイドなハンドルバーと右2本出しサイレンサーを装備。ヘッドライトやラジエター、エンジン下部、ハンドルのナックル部分にはガードを増設し、胸を打っても怪我をしにくいようパッド付きハンドルバーブレース、より深いフェンダーなどを備えている。
そしてもっとも大きな違いは前後タイヤサイズだろう。前19/後17インチとしただけでなくリヤはワンサイズ細く、かつ扁平率は60→80としてタイヤ外径を稼いでいる。ホイールトラベルも前140→150mm/後130→150mmと伸長され、フロントブレーキはタイヤの大径化に合わせてディスク径をφ300→320mmと拡大した。ホイールベースは45mm長い1420mmだ。
2026年モデルでは、バハオレンジとアルミニウムのツートンカラーが新たに設定された。
【トライアンフ スクランブラー400X】主要諸元■全長2117 全幅901 全高1169 軸距1418 シート高835(各mm) 車重179kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 40ps/8000rpm 3.87kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90R19 R=140/80R17 ●価格:82万9000円~ ●色:緑×灰、橙×灰、赤×黒、黒×灰 ●発売時期:2025年7月
トライアンフ スクランブラー400XC
スクランブラー400Xをベースに、さらなるオフロード性能の向上やアドベンチャー感あふれる装備の追加などにより、街乗りからツーリング、アドベンチャー走行まで楽しめる1台として仕上げられている。
足まわりは軽量なエクセル製アルミリムにクロススポークを組み合わせ、チューブレスのメッツラー・カルーストリートを装着。タイヤサイズはスクランブラー400Xから変更なしだ。
また、車体同色のアップタイプとしたフロントフェンダーとフライスクリーン(メーターバイザー)、頑丈なアルミ製スキッドプレート、エンジンガードパイプを追加し、大型ハンドガードは400Xから継承している。
【トライアンフ スクランブラー400XC】主要諸元■全長2117 全幅901 全高1169 軸距1418 シート高835(各mm) 車重190kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 40ps/8000rpm 3.87kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90R19 R=140/80R17 ●価格:94万9000円~ ●色:黄、白、黒 ●発売時期:2025年8月
ロイヤルエンフィールド ハンター350
クラシック350、ブリット350、メテオ350と主要部分を共有しながら前後17インチホイールを履くベーシックロードスター。
2025年モデルは同シリーズで初めてアシスト&スリッパークラッチを採用したほか、ヘッドライトは従来のバルブ式からLEDに改められ、スマホアプリと連携して⽬的地までの⽅向と距離を表⽰する簡易型ナビゲーションシステムのTripper(トリッパー)、USBタイプCポートを新たに標準装備する。
ニューカラーは色名も特徴的で、Rio White(リオ・ホワイト)/London Red(ロンドン・レッド) /Tokyo Black(トウキョウ・ブラック)の3色はそれぞれ世界の都市をイメージしたもので、ブラジル/リオの⽩い砂浜、英国/ロンドンの⾚レンガの路地、⽇本/東京の黒いアスファルトにちなんでいる。
【ロイヤルエンフィールド ハンター350】主要諸元■全長2055 全幅810 全高1070 軸距1370 シート高790(各mm) 車重181kg(装備@燃料90%)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 349cc 20.2ps/6100rpm 2.75kg-m/4000rpm 変速機5段 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17 ●価格:59万9500円~60万9400円 ●色:白、灰、黒、赤 ●発売日:2025年8月1日 ※諸元はインド本国仕様
ロイヤルエンフィールド クラシック350
イギリスからインドにわたって生き延びたブランドが再び興隆の時を迎え、旧き佳きモーターサイクルらしさと最新技術を組み合わせるという、ネオクラシックのお手本のような存在に。クラシック350は世界的ヒットのネオクラシックモデルで、同じエンジン&フレームをベースにクルーザータイプの「メテオ350」、前後17インチホイールのカジュアルな「ハンター350」もラインナップされる。
ロングストローク単気筒エンジンの味わいはクラス随一で、リアルクラシックのディテールを持ちながら設計は最新世代だ。英国バーミンガムのロイヤルエンフィールドR&Dで開発され、フレームはグランプリなどでも名を馳せたハリスパフォーマンス製。
2025年モデルではハロゲンバルブだったヘッドライトが全グレードLEDに変更されたほか、メーターにギヤポジションインジケーター追加、USB-Cソケット標準装備になった。
【ロイヤルエンフィールド クラシック350】主要諸元■全長2145 全幅785 全高1090 軸距未発表 シート高805(各mm) 車重195kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 348cc 20.2ps/6100rpm 2.75kg-m/4000rpm 変速機5段 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90-19 R=120/80-18 ●価格:69万4100円~72万8200円 ●色:赤、青、銅、砂、灰、黒、エメラルド ●発売日:2024年12月12日
ロイヤルエンフィールド ブリット350
ロイヤルエンフィールドが2024年3月15日に発売した、1932年から途切れなく続く車名「Bullet」の最新版だ。メテオ350/クラシック350/ハンター350に続くJプラットフォームシリーズ・4番目の兄弟車であり、これら3車と同じくロングストローク空油冷単気筒をハリスパフォーマンス製スチールフレームに搭載する。
スタイリングはブリット伝統のディテールを継承しており、大型のワンピース段付きシートやガッシリとしたグラブバー、塗装されたスチールフェンダーやワイヤースポークホイールを装備。
グレードは2種類『プレミアム』と『スタンダード』が用意され、前者には1色、後者には2色がラインナップされる。プレミアムには3Dバッジやカッパーのピンストライプがあしらわれた最高峰のブラックゴールド、そして前後ディスクブレーキ+デュアルチャンネルABSを持つスタンダードにはブラックおよびマルーンが揃う。
【ロイヤルエンフィールド ブリット350】主要諸元■全長2245 全幅785 全高1125 軸距─ シート高805(各mm) 車重195kg■空油冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 349cc 最高出力20.2ps/6100rpm 最大トルク2.75kg-m/4000rpm 変速機5段 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90-19 R=120/80-18 ●価格&色:69万4100円(ブラック、マルーン)、70万1800円(ブラック×ゴールド) ●発売日:2024年3月15日
ロイヤルエンフィールド メテオ350
クラシック350に先駆けてデビューしたミドルクルーザー。同じエンジン&フレームをベースとしており、よりリラックスしたライディングポジションでロングストローク単気筒エンジンの味わいを堪能できる。2024年3月15日に新グレード「オーロラ」が発売された。
オーロラはホイールリムやエンジン、マフラーにメッキ処理が施されるのが特徴で、メテオ350シリーズでは唯一ワイヤースポークホイールを採用している。ほかにもウインドスクリーンやシーシーバーなど、同じくメテオ350の別グレード“スーパーノヴァ”に近い装備を持ち、価格もスーパーノヴァと同じ74万3600円に。
【ロイヤルエンフィールド メテオ350】主要諸元■全長2140 全幅845 全高1310 軸距─ シート高765(各mm) 車重191kg■空油冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 349cc 最高出力20.2ps/6100rpm 最大トルク2.75kg-m/4000rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量15L■ブレーキF=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=100/90-19 R=140/70-17 ●価格:71万600円~74万3600円 ●色:4シリーズ全9色 ●発売日(オーロラ):2024年3月15日
ロイヤルエンフィールド ゴアン クラシック
2025年9月18日に受注開始した、ボバースタイルのミドルクルーザー。ロングストローク設定の単気筒エンジンはクラシック350などのJプラットフォームを踏襲し、バランサーを搭載しながらドコドコ音を提供。
760mmの安心できるシート高、ミニエイプハンドルバー、小ぶりでシンプルなメーター、アルミ製スイッチボックス、フルLEDライト、チューブレス仕様のワイヤースポークホイール、ボルトオンでフローティングマウントされるピリオンシート(グラブレール付き)などデザインも特徴的だ。純正アクセサリーは34種類も用意される。
レトロスタイルのメーターにはギヤポジションや燃料残量を表示できるデジタルディスプレイ、そして簡易ナビ“トリッパー”を表示できるカラーTFTディスプレイを標準装備する。クラッチレバーホルダーの下にはUSB-Cソケットも備えている。
【ロイヤルエンフィールド ゴアン クラシック】主要諸元■全長2150 全幅825 全高1200 軸距─ シート高750(各mm) 車重197g■空油冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 349cc 最高出力20.2ps/6100rpm 最大トルク2.75kg-m/4000rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量13L■ブレーキF=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=100/90-19 R=130/90-16 ●価格:74万9100円~75万5700円 ●色:黒、紫、黒×赤、緑 ●発売日(オーロラ):2024年3月15日
BSA バンタム350
ネオクラシックの王道を往くデザインのスタンダードネイキッドだ。丸いヘッドライトとティアドロップ型燃料タンク、大きめかつ湾曲したリヤフェンダーを採用。メーターはアナログまたはデジタルから選択可能だ。
マヒンドラの傘下であるクラシックレジェンズ社がBSAとともに所有する、JAWA(ヤワ)やYEZDI(イェズディ)の350モデル群と同系統の334ccエンジンを搭載。DOHCヘッドを採用し、実際の冷却性能も期待できそうなシリンダーフィンが刻まれた外観を持つ、独自性の強いものだ。
エンジンの出力は29ps/7750rpmでユーロ5+に準拠。ディスクブレーキ(前φ320mm/後φ240mm)にはデュアルチャンネルABSも備え、サスペンションはフロントフォークがストローク135mm、プリロード調整機構付きリヤサスペンションはホイールトラベル100mmとしている。
【BSA バンタム350】主要諸元■軸距1440mm シート高800mm 車重185kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC 334cc 29ps/7750rpm 3.02kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90-18 R=150/70R17 ●価格:69万8500円 ●国内取り扱い予定色:黒、青、赤 ●発売予定時期:2025年度中 ※諸元は欧州仕様
ハーレーダビッドソン X350
中国QJモーターサイクルとコラボレーションして誕生した、『普通二輪免許で乗れるハーレー』がX350だ。1970年代初頭から40年以上にわたってフラットトラックレースで活躍してきたXR750をセルフオマージュしたようなデザインが与えられている。
エンジンは並列2気筒で、フレームはスチール製トレリス。フルLEDの灯火類やφ41mm倒立フロントフォーク、ウェーブタイプのフロントダブルディスクブレーキなどを装備する。2025年モデルは色変更のみで、価格/諸元は据え置きとされた。
【ハーレーダビッドソン X350】主要諸元■全長2110 全幅─ 全高─ 軸距1410 シート高777(各mm) 車重195kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 353cc 36ps/9500rpm 3.16kg-m/7000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:69万9800円 ●色:黒、橙、青、銀 ●発売日:2025年1月3日
ハスクバーナ スヴァルトピレン401
KTM 390デュークをベースとしたネオクラシックスタイルのスクランブラー。2024年モデルでエンジン&車体に全面変更を受けて排気量は373ccから398.6ccになり、最高出力は45psにパワーアップした。前年モデルよりも大きく見えるがシート高は15mm下がっている。
WP製サスペンションはフルアジャスタブルで、クラッチ操作不要でシフトアップ/ダウンできるイージーシフト、バイブレ製ブレーキコンポーネント、ボッシュ製ABS、LEDヘッドライト/テールライトなどを装備する。
【ハスクバーナ スヴァルトピレン401】主要諸元■全長― 全幅― 全高― 軸距1368±15.5 シート高820(各mm) 車重約159kg(燃料除く)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398.6cc 45ps/8500rpm 3.98kg-m/7000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:84万7000円 ●色:黒
ハスクバーナ ヴィットピレン401
スヴァルトピレン401の兄弟車で、KTM 390デュークをベースとしたネオクラシックスタイルのロードスター。2024年モデルから従来のセパレートハンドルではなく、アップライトなハンドルバーに変更された。
ホワイトを基調にしたシンプルな車体構成で、タイヤはキャストホイールにミシュラン製のロード6を履く。ブレーキ/リヤサスペンションなどの機能部品はすべて右側に集約された。スピード感を意識させるデザインのフロントフェンダーを採用している。
【ハスクバーナ ヴィットピレン401】主要諸元■全長― 全幅― 全高― 軸距1368±15.5 シート高820(各mm) 車重約159kg(燃料除く)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398.6cc 45ps/8500rpm 3.98kg-m/7000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:83万1000円 ●色:白
ベネリ インペリアーレ400
1911年にイタリアで創業し、現在は中国のQJグループの傘下にあるベネリ。ストリートファイター的なネイキッドモデルを得意とする現在のベネリは、中国で発表されたハーレーダビッドソンX350/X500のベースモデルを作っていることでも知られる。
そんなベネリが374ccの空冷単気筒エンジンを鋼管ダブルクレードルフレームに搭載し、1950年代の雰囲気を演出したネオクラシックモデルがインペリアーレ400だ。
車体各部のディテールはかなり旧車寄りで、エンジンは歯切れよく鼓動感も十分。低回転域の粘り強さや穏やかな振動特性、意外にも滑らかな走行感覚、ABSの装備など、中身は現代のバイクながら旧車感覚を強く味わえる1台だ。2025年7日4日、国内在庫をもって取り扱い終了になることが発表された。
【ベネリ インペリアーレ400】主要諸元■全長2170 全高1120 軸距1440 シート高780(各mm) 車重205kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 374cc 21ps/5500rpm 2.9kg-m/4500rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=100/90-19 R=130/80-18 ●価格:66万8800円 ●色:黒、銀
BMW G310R
後方排気の312cc水冷単気筒エンジンを搭載する、BMW・ロードスターシリーズの末弟。兄弟車にオフロードテイストのG310GSがラインナップされるほか、フルカウルスポーツのG310RRも発表済みで導入待ち。国産車とガチンコの価格設定で、電子制御スロットルやスリッパークラッチも装備する。倒立フロントフォークに組み合わせるラジアルマウントキャリパーは、ブレンボ系列のバイブレ製だ。
【BMW G310R】主要諸元■全長2025 全幅820 全高1120 軸距1380 シート高785(各mm) 車重164kg■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 312cc 34ps/9250rpm 2.85kg-m/7250rpm 変速機6段 燃料タンク容量11L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:66万9000円~ ●色:黒、灰、白×青
BMW G310GS
G310Rとプラットフォームを同じくする、BMW・アドベンチャーシリーズの末弟だ。ホイールサイズはフロント19インチ、リア17インチを採用。ブレーキとクラッチレバーを4段階に調整でき、レバーとハンドルバーの距離は最大で6mm近づけることができるので手の小さい人でも正確な操作が可能だ。
その他、ライド・バイ・ワイヤやスリッパークラッチ、エンジンの回転を常に完璧に安定させるオートマチック・アイドリング機能を搭載しており、初心者でも扱いやすい。
【BMW G310GS】主要諸元■全長2190 全幅880 全高1250 軸距1870 シート高835(各mm) 車重175kg■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 312cc 34ps/9250rpm 2.85kg-m/7250rpm 変速機6段 燃料タンク容量11.5L■タイヤサイズF=110/80R19 R=150/70R17 ●価格:74万円~ ●色:赤、青×白、黒
まとめ:必要十分な性能かつ、所有感を満たしてくれる輸入車ミドルクラス
2025年の400ccクラスは、大型二輪免許ユーザーであっても比較検討の対象にしたくなるほど魅力にあふれている。カテゴリーも豊富で、フルカウルスポーツやネオクラシック、クルーザー、アドベンチャーなどそれぞれのキャラクターにも個性があり、海外メーカー各社のデザインセンスも秀逸だ。
高速道路を使って遠出したいときなどに交通の流れをリードする余力があり、装備やディテールにも安っぽさはない。免許制度にとらわれなければ、ミドルクラスのバイクとしてかなりの魅力を備えているのが400ccクラスだ。
よくある質問
400ccバイクは何の免許で乗れるの?
400ccのバイクは「普通二輪免許」か、排気量制限なくバイクを運転できる「大型二輪免許」が必要だ。
AT限定免許でも乗れるの?
今回紹介した12車のうち、AT限定免許で運転できるのはバーグマン400のみ。126cc~400ccでAT限定免許で運転できるのはスクータータイプがほとんどだ。
400ccバイクで高速道路を走ると?
125ccを超えるバイクなら法規上は高速道路や自動車専用道路を運転できるが、タンデムや荷物満載での走行も想定すると、排気量の大きいほうが楽に走れる。400ccクラスなら100km/h巡行は余裕でこなし、タンデムしながらでも合流や追い越しで非力さを感じる場面はほとんどない。
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