
必要十分な動力性能で高速道路も走れて車検不要の軽二輪(126~250cc)クラスは、普段の取り回しのしやすさやコストパフォーマンスに優れるのが長所。50万円以下の価格帯に多いのはスクーターだが、モーターサイクルタイプも数機種が存在する。
●文:ヤングマシン編集部
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい!
スズキ ジクサー150
日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT限定普通二輪免許で運転できる機種も多く、気軽に付き合える最初のバイクとして、またベテランでも等身大のバイクとして長く付き合いやすい。
高速道路も走れて車検不要というバランスに優れたクラスだけに、選べる機種も幅広い。そんな中で、本記事ではコスパにこだわった愛車選びにフォーカスしてみたい。
50万円を超える価格帯には、トラクションコントロールシステムなど本格的な電子制御を備えたスポーツバイクなどもあるが、50万円以下の機種でも必要十分な機能を備え、上記のような軽二輪ならではの恩恵は十分に享受できる。
そんなわけで今回は、コスパに優れた50万円以下の軽二輪バイク11機種を紹介しよう。
50万円以下・軽二輪バイクのメリットは?
維持費も安い!
そもそも価格で分類しているので車両価格は当然安く、バイク以外も含めて世のかなの物価が上昇している中での価格メリットは見逃せない。中には燃費お化けと呼ばれるようなものもあり、消耗部品も比較的廉価なものを使っている。
高速道路を走れる
法規的に自動車専用道路や高速道路を走れるようになるのは軽二輪から上の排気量。二輪免許を取得してから3年が経過し、20歳以上であれば高速道路でのタンデムも可能で、法規上でできることは大型バイクとなんら変わらない。
軽くて扱いやすい
50万円以下の軽二輪はシンプルな造りのものが多く、ゆえに軽量コンパクト。操作も複雑なものはなく、取り回しのよさや街中のキビキビした走りを気軽に味わえる。
50万円以下・軽二輪バイクのデメリットは?
質感は高くない
コスパ重視の車体造りなので高級感はない。メーターやメインキーも一般的なものが使用され、多機能さはあまり期待できない。
車検がないのでメンテナンスをサボりがち
車検がないからといって、定期的なメンテナンスをしなくてもいいと勘違いしてはいけない。油断して酷い状態になっているライダーもたまにいるので、日常点検に加えてタイヤとブレーキ、チェーンぐらいは定期的なメンテナンスを習慣にしておこう。
必要十分だがパワーに余裕はあまりない
高速道路も走れるが、もちろん400ccや大型バイクほど余裕があるわけではない。また、同じ軽二輪クラスの中でも排気量が小さめな機種はさらに余裕はなくなる。節度を持って走り、追い越し車線の利用は最小限にしたほうが無難だろう。
2025年、50万円以下の軽二輪はどんな状況?
物価の上昇とともに、国産メーカーの50万円以下の機種は減少傾向。人気モデルは軒並み60万円台からで、60万円を切ればお得感がある印象になる。そんな中での50万円以下は、だんだん貴重な存在になりつつあると言っていいだろう。
ちなみに、国税庁の発表によれば1991年~2021年の30年間は給与水準にほとんど変動がなかったというが、1991年はカワサキのバリオスが49万9000円(+3%消費税)で登場し、ヤマハR1-Z(48万9000円+税)と併売されていたRZ250Rは38万4000円(+税)だった。つまり2ストロークのレーサーレプリカ系や4ストローク4気筒のカウル付きモデルを除けば、まだまだ50万円以下が主流だった。ヤマハTW200は29万5000円+税、セロー225は33万9000円+税だった(ヤングマシン1991年10月号より)。
2025年、国産メーカーで50万円以下のモーターサイクルをラインナップしているのはスズキのみで、ジクサー150およびジクサー250はそれぞれ同じ車体をベースにしながら、空冷154ccエンジンと油冷249ccエンジン、足まわりや装備の違いなどで棲み分けている。3月に発売された2025年モデルも、それぞれ価格据え置きだ。
スクーターはホンダとヤマハが2機種ずつをラインナップし、そのほかにはモータリストが取り扱うSYM(台湾)がある。
【2025年11月版】コスパで選ぶ150~250ccバイクおすすめ8選!
スズキ ジクサー150(38万5000円)
スズキ ジクサー150
2017年に初代モデルが登場し、2020年に現行デザインへ。2023年モデルで令和2年度排出ガス規制に適合した。ロングストローク設定の軽量コンパクトな空冷単気筒エンジンを搭載し、驚異の燃費を実現。さらに40万円を切る圧倒的な低価格もあいまって、“コスパモンスター”ぶりは他の追随を許さない。
車体の造りはベーシックだが、LEDヘッドライトや前後ディスクブレーキ、1チャンネルABS、後輪ラジアルタイヤを採用するといったこだわりも見逃せない。マニュアルトランスミッション=MT車としては、アジアンバイクを含めても軽二輪クラスで最安だ。2025年モデルは価格据え置きでカラーチェンジ。
主要諸元■全長2020 全幅800 全高1035 軸距1335 シート高795(各mm) 車重139kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 154cc 13ps/8000rpm 1.3kg-m/5750rpm 変速機6段 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=100/80-17 R=140/60R17 ●価格:38万5000円 ●色:青×白、灰、黒 ●発売日:2025年3月21日
ヤマハ Xフォース(40万7000円)
ヤマハ Xフォース
2022年に発売されたスポーティスクーターがXフォースだ。2024年9月に初のマイナーチェンジでリヤフェンダーの形状変更とカラーチェンジを実施。開発コンセプトは「マスター・オブ・ストリート スクーター」。水冷155ccの“BLUE CORE(ブルーコア)”エンジンを専用設計フレームに搭載し、トラクションコントロールシステムや専用アプリによるコネクテッド機能など最新の装備を誇る。
ブルーコアエンジンには、全域で高トルクを発生すべく可変バルブ機構VVAを搭載。オフセットシリンダーや鍛造ピストン、DiASilシリンダーなどの採用によりフリクションロスを低減している。NMAX155らと同様に「スマートモータージェネレーター」も採用。メーターはスマートフォン連携機能を持ち、シート下とランクは容量23.2L、ヘルメットホルダー2個装備、USBソケットなど装備も充実だ。
アクセサリーのローダウンシート(-30mm)を組み合わせたアクセサリーパッケージ「X FORCE Low」も+1万1000円で用意。
主要諸元■全長1920 全幅760 全高1120 軸距1340 シート高815(各mm) 車重130kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 155cc 15ps/8000rpm 1.4kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量6.1L■タイヤサイズF=120/70-13 R=130/70-13 ●価格:40万7000円 ●色:艶消し緑、艶消しベージュ、白、黒 ●発売日:2024年9月20日
ヤマハ NMAX155(45万9800円)
ヤマハ NMAX155
2025年モデルでエンジンのクランクケースから造り変える大掛かりな変更を受けた。外観を刷新するとともに、可変バルブ機構『VVA』や軽量鍛造ピストンの最新世代ブルーコアエンジンには「走行モード切替」や「シフトダウン」を可能にするYECVT(電子制御CVT)を新たに採用。
この電子制御CVTは、インドネシア仕様での初出時に“ターボ”と名付けられていたように、任意のタイミングでMT車のシフトダウンのように減速比を変えてクイックな加速を得ることができるというもの。もちろん下り坂でのエンジンブレーキ強化やコーナー進入のリズム作りにも有効で、左手スイッチボックスにある「SHIFT」ボタンの操作、あるいはオートマ車のキックダウンのようにスロットル急開操作を行うことで、加速/減速状態に応じて最大3段階までシフトダウンが可能だ。
さらに、従来のようにエンジン回転数に応じて自動的に減速比が変化していくだけではなく、燃費がよくスムーズな市街地走行に向く「Tモード」と、ワインディングロードなどでレスポンスのいい走行を楽しめる「Sモード」の2つの走行モードを選択できる「走行モード切替」機能も実現する。
フレームは前作を踏襲するが、前後サスペンションの最適化や新デザインのメーター採用など、アップデートは多岐にわたっている。
主要諸元■全長1935 全幅740 全高1200 軸距1340 シート高770(各mm) 車重135kg ■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 155cc 15ps/8000rpm 1.4kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量7.1L■タイヤサイズF=110/70-13 R=130/70-13 ●色:茶、黒、青 ●価格:45万9800円 ●発売日:2025年3月21日
ホンダ PCX160(46万2000円)
ホンダ PCX160
軽二輪スクーターではここ数年の販売台数で1位、モーターサイクルタイプを含めた軽二輪カテゴリーでも絶対王者のレブル250に次ぐ2位となっている売れっ子スクーター。原付二種のベストセラースクーター・PCX(125)の兄弟モデルでもあり、利便性や走りのよさは折り紙付きだ。
2021年にフルモデルチェンジでPCX150→PCX160となり、前輪のみ作動するシングルチャンネルABSやホンダセレクタブルトルクコントロール(いわゆるトラコン)を採用するなど、走りの性能を高めたほか、フレームまわりも従来よりモーターサイクルライクな挙動を実現する完全新設計に。2023年1月には水冷4バルブ単気筒エンジン「eSP+(イーエスピープラス)」を令和2年排出ガス規制に適合するマイナーチェンジを受けた。2025年2月発売のモデルでは従来の性能を継承しながら外観デザインを一新している。
主要諸元■全長1935 全幅740 全高1125 軸距1315 シート高764(各mm) 車重134kg ■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 156cc 15.8ps/8500rpm 1.5kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ●色:青、灰、白、黒 ●価格:46万2000円 ●発売日:2025年2月6日
スズキ ジクサー250(48万1800円)
スズキ ジクサー250
油冷シングルエンジンを搭載するネイキッドスポーツで、兄弟車のフルカウルスポーツ「ジクサーSF250」と同時発売。薄型・八角形のLEDヘッドライトやボリューム感のある燃料タンクに、前後二分割シートやスイングアームマウントのリヤフェンダーといった力強いデザインを採用し、ワンプッシュでエンジン始動が可能なスズキイージースタートシステムやABSを標準装備する。ライバル勢に対する価格のアドバンテージは圧倒的で、国産250ccネイキッドで最安の48万1800円という低価格ぶり(150はさらに安いが……)でありながらラジアルタイヤを履く。2025年モデルは価格据え置きでカラーチェンジ。
主要諸元■全長2010 全幅805 全高1035 軸距1345 シート高800(各mm) 車重154kg(装備)■油冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 249cc 26ps/9300rpm 2.2kg-m/7300rpm 変速機6段 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:48万1800円 ●色:青×白、艶消し赤×艶消し黒、艶消し黒 ●発売日:2025年3月21日
ホンダ ADV160(49万9500円)
ホンダ ADV160
先代のADV150からエンジン&車体を一新するフルモデルチェンジを受け、令和2年排出ガス規制にも適合して2023年1月に発売された。新設計の水冷4バルブ『eSP+』エンジンやホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)、新設計となったフレームも基本はPCX160のものを踏襲しながら、アドベンチャーテイストを加味したSUVスクーターに仕立てられている。
スマートキーシステムやテーパードハンドルバー、2段階調整式スクリーン、容量29Lのシート下ラゲッジボックス、USBタイプA充電ポート付きのフロントインナーボックス(容量2L)など装備も充実。LCDメーターはタコメーターや外気温計なども表示可能だ。前モデルのADV150からは各種装備の追加&グレードアップのほか、最低地上高165mmをキープしつつシート高795→780mmとして足着き性を向上するなど多岐にわたる利便性の追求がなされた。ABSやエマージェンシーストップシグナルも標準装備する。
2024年12月19日にカラーバリエーションと価格を変更した2025年モデルが発売された。
主要諸元■全長1950 全幅760 全高1195 軸距1325 シート高780(各mm) 車重136kg ■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 156cc 16ps/8500rpm 1.5kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/80-14 R=130/70-13 ●色:赤、黒、灰 ●価格:49万5000円 ●発売日:2024年12月19日
SYM NH X 200(39万9300円)
SYM NH X 200
SYMはスクーターが中心ながら、マニュアルトランスミッション付きのバイクも展開中。NH Xは前後17インチのネイキッドで6速MTの水冷単気筒エンジンを搭載する。同価格でデュアルパーパスモデルのNH T 200も。
主要諸元■全長2040 全幅745 全高1080 軸距1400 シート高787(各mm) 車重未発表■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 183cc 18.4ps/8500rpm 1.60kg-m 7500rpm 変速機6段 燃料タンク容量11L■タイヤサイズF=110/70-17 R=130/70-17 ●価格:39万9300円 ●色:赤×黒、青×黒、金×艶消し黒
SYM DRG BT 160(44万9900円)
SYM DRG BT 160
国内SYMの最高峰で、ドラゴンをイメージした造形と鋭い走りが魅力。15psのパワフルな心臓と前後重量配分がほぼ50:50 の車体を融合する。海外で発表された2024年型は曲面が増えた新ボディやフルLEDを獲得したが、日本への導入については未発表だ。
主要諸元■全長1990 全幅735 全高1130 軸距1380 シート高803(各mm) 車重未発表■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 158cc 14.8ps/8000rpm 1.49kg-m/6000rpm 無段変速 燃料タンク容量7.4L■タイヤサイズF=120/70-13 R=130/70-13 ●価格:44万9900円 ●色:白、黒
まとめ
126~250ccの軽二輪クラスは車検がなく、日本の交通環境に過不足なく応えてくれることからビギナーの入門バイクにもベテランの最後の1台にもなりうる存在。通勤やツーリングに使えて、体力的にもコスト的にも負担は少ない。そんな現行ラインナップの中、日本メーカーでは6機種、アジア圏の外国メーカーではさらに多くが50万円以下に分布している。サーキット走行など大きな負荷に耐える性能が欲しければこの価格帯ではないかもしれないが、バイクの基本とその楽しみの多くが50万円以下の軽二輪には詰まっている初めてのバイクに、また高速道路も走れるセカンドバイクにと、選択肢に加えてみてはいかが?
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