
バイクの「レギュレター」は、壊れます。丈夫そうな外見とは裏腹に、とくに古いバイクは意外にもあっさり壊れたりします。レギュレターが壊れてしまうと電装系の部品が次々と連鎖して壊れていくのでマジで注意が必要。目立たないけど実は重要なパーツ「レギュレートレクチファイア/Regulator Rectifier」について考えてみたいと思います!
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
バイクの電装部品のひとつ、レギュレターってご存じですか?
こういうの部品です。
車種によって場所はマチマチですが、だいたいがシルバーで、アルミ素材で空冷フィンがついていて、比較的バッテリーに近いところに取り付けられています。たとえばリトルカブはここ。
ズーマーはECUと一緒くたになってるのでかなり大型です
作りもシッカリしてるし、手触りもザラザラしていてとても壊れるようには見えないのですが、これが壊れるときは、いともアッサリと逝きます。しかも、その壊れっぷりはかなりド派手!
それもそのはず、レギュレーターの活動が停止した時に起こるのは電圧の急上昇(!)なのですよ。レギュレター故障時の典型的な症状としては…
- ヘッドライトや電球が次々に切れる
- ヒューズが頻繁に飛ぶ
- バッテリーが過充電となり、破損や膨張を引き起こす
以前体験したものとしては、バッテリーの代わりに大容量コンデンサを搭載しているバイクだったのですが、走行中に何か焦げ臭い匂いがしたと思ったらコンデンサーがパンパンになってしかも高熱を発して煙を出してました・・・(あの時はさすがに焦りましたね!)。こうしたトラブルが続いた場合、まずレギュレーターの不調を疑うべきでしょう。
レギュレーターの役割とは?
ちなみにレギュレターは、正しくは「レギュレートレクチファイア/Regulator Rectifier」という名称です。エンジンが発電する電気は交流(AC)であり、その電圧は回転数に比例して大きく変動します。以前、筆者が試したところでは、アクセルをちょっと煽って回転を上げただけで、あっという間に30Vにも達しました。
当然ながら、バイクの電装系は(一部の車種を除いて)12Vで設計されているので、このままでは高回転時に電装系が片っ端から破損してしまいます。そこで必要になるのがレギュレートレクチファイアです。
これは「レギュレーター」と「レクチファイア」が一緒になっていて、下記2つの仕事を同時にこなしてくれているのです。
- レギュレーター(Regulator):電圧を一定に制御
- レクチファイア(Rectifier):交流(AC)を直流(DC)に変換
ちなみに、レギュレーターの端子部分を覗くと、4つの端子があります。ひとつはアースで、もうひとつがAC入力端子。ここから入ったエンジンからの電流が、交流の12Vと直流の12Vになって出てくるのです。もっとも車種によって配置や役割も変わるのでご注意を! これは一例です。
エンジンから発電された不安定な電力を直流に整え、安定した電圧でバイク全体に供給する・・・イメージするなら「ダム」のような存在で、川(発電された電気)の流れを調整し、下流(電装系)に常に一定の水位(電圧)で送り出す役割をはたしています。ダムがしっかり管理されていれば、下流に住む人々(ヘッドライトやメーター、バッテリーなどの電装品)は安心して暮らせます。
しかし、ダムのゲートが壊れてしまえばどうなるでしょうか? 一気に濁流が流れ込み、家々は流され、作物は枯れてしまう・・・これが「レギュレーター故障時に電装品が次々に壊れていく」状況そのものなのです。
つまり、レギュレーターの不調はすなわちバイク全体の故障の元凶となりうる、とても恐ろしいことなのですよっ!
旧車がレギュレーター交換で12V化できることも
ここで、電装系が6V旧車がレギュレーターの交換だけで12Vになったという実例を挙げてみますね。
ヤマハのDT50初期型の場合
DT50の後期型は12Vですが、初期の頃は6Vでした。これがヘッドライトはぐらいはウインカーもあんまり見えないわでなんとかして12Vとかしたかったのですが、よくよく調べてみると、発電機の性能はそんなに違いがないことがわかったんですよ
ノーマルはこんな感じにレギュレーターとレクチファイヤーが別体式なのですが、それを12Vの汎用品レギュレートレクチファイアに交換しました。
同時に、ウィンカーリレーや、ライトバルブ、そしてバッテリーも12V用に交換したところ、あとは配線を組み替えるだけで12Vになってしまいました!! これは、レギュレーターの役割をはっきり体感できた経験ですね~。
壊れる原因と寿命の目安
ではレギュレーターが壊れる原因とは何でしょうか? レギュレーターの外見はアルミ製のヒートシンク付きユニットです。つまりは、発熱量が多いということ。冷却が必要な部品なんですよね!
取り付け場所にもよりますが、たとえばシート下にレギュレーターが付いていて、そのまわりに荷物を詰め込んでいたり風通しが悪くなっていたりすると、レギュレーターの放熱が不十分となり熱暴走(サーマルダウン)で故障する可能性があります。
とある友人はシートしたの小物入れに軍手やウェスを詰め込んでいたところ、その横にレギュレーターが付いていて、熱がこもって壊したことがありました。また、経年劣化による性能低下も避けられません。
寿命は使用環境によりますが、おおよそ3万~5万km程度が目安とされます。とくに空冷エンジンを搭載する旧車は熱の影響を受けやすいため、注意が必要です。
交換時の注意点
交換する際に注意すべきは「安価な粗悪品を避けること」です。
レギュレーター自体の値段はそこそこするものなので、少しでも出費を抑えようとついつい安いもの買ってしまいがちですが安価な社外品の中には、以下のようなリスクが報告されています。
- 電圧が安定しない
- 発熱耐性が低い
- 数か月で故障する
こうした製品を使用した結果、バッテリーやCDI、配線など他の電装系統まで損傷し、修理費が膨れ上がるケースもあります。総合的に考えると、結論としては信頼性・耐久性・適合性の面で純正品がもっとも安心と言えるでしょう。
まとめ:電装系を守る重要部品がレギュレーター!
レギュレーターは目立たない部品ですが、電装系全体を守る重要な役割を担っています。
とくに筆者の経験上、レギュレーターの異常に気づけないでいるとトラブルの泥沼にはまり込んでしまったり、他の部品を次々破損する結果となって大きなトラブルに発展した例が少なくありません。
なんたって電気系は目に見えないものなので、もし電装系に異常を感じたら、早めの点検・交換を強くおすすめします!
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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