
量産史上初のスーパーチャージャー搭載バイク、Ninja H2シリーズをはじめ、現行車で唯一の250cc4気筒を積むNinja ZX-25Rなど、独自路線を追求し続けているカワサキ。そんな同社に関連して、2025年4月はどんなニュースや記事が注目を集めていたのだろうか。ヤングマシンの中から厳選して注目トピックをお伝えする。2ストロークを復活させるなんてさすがカワサキ!
●文:ヤングマシン編集部
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開
2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する四足歩行マシンという独特な姿だが、その心臓部として搭載が予定されているパワーユニットが大きな話題だ。
それはなんと、排気量150ccの2ストロークターボ水素エンジン。従来の2ストロークエンジンは排出ガス中の有害物質が課題もあり、市販公道車としては絶滅して久しい。そこでカワサキは水素を燃料とし、さらに過給器を使用することで、エンジンオイルを燃焼させずに潤滑を可能に。ゼロエミッションを実現しようとしている。
この技術は戦車や大型船舶で実用化されている技術を応用したものだという。CORLEOに搭載される発電用水素エンジン「O’CUVOID」は実用化に向けて開発が進められており、この新世代2ストエンジンが将来的にバイクへ転用される展開が期待される。USカワサキも2スト復活を示唆する映像を公開しており、市販化が予想より早い時期に実現するかも?
カワサキが提案する、クリーンでファンな未来のパワーユニット=2スト! 世界中から注目を集める大阪万博。この巨大イベントはまさに国家プロジェクトだが、このイベントにカワサキが出展。 そのカワサキブースの[…]
ニンジャの始祖:1984カワサキGPz900Rを振り返る
1980年代の「最速」競争の中で誕生し、今なお多くのファンを魅了するカワサキGPz900Rは、「ニンジャ」の愛称で親しまれた伝説的なモデルだ。1984年にZ1系の後継として登場したこのバイクは、900cc水冷直列4気筒エンジンを搭載していた。
最速を目指し、4バルブ、水冷化、振動対策の1軸2次バランサー、新設計の鋼管ダイヤモンドフレームといった先進技術が採用されたことでも知られている。最高速度は当時として驚異的な250km/hに達し、プロダクションクラスのマン島TTでの1-2フィニッシュによりその実力を証明してみせた。
その卓越した性能と鋭角的なフルカウルスタイルで瞬く間に人気となり、とくに映画『トップガン』に登場したことが契機となり、世界的に有名なバイクとなった。後継モデルにニンジャの名は引き継がれたが、GPz900R自体の人気も衰えず、改良を重ねながら2003年まで約20年間にわたり販売された長寿モデルだ。
Z1から11年を経た"新基準"【カワサキGPz900R】 カワサキが水冷6気筒のZ1300を発売したのは1979年だったが、この頃からすでにZ1系に代わる次世代フラッグシップが模索されていた。 Zに改[…]
映画「トップガン」シリーズ劇中車振り返り
映画『トップガン』でトム・クルーズ演じる主人公マーヴェリックの愛機として登場し、世界的に有名な存在となったのがカワサキGPz900R、通称「ニンジャ」である。1986年の映画公開後、その勇姿は若者たちのハートを掴み、ニンジャは一大ブームを巻き起こした。
36年後の続編『トップガン マーヴェリック』にも、冒頭のシーンでこのGPz900Rが再登場し、往年のファンを歓喜させた。劇中では歳月を経た姿が表現されており、これは主人公や観客にとって流れた時の重みを感じさせるものであった。
実は続編に登場したGPz900Rは、初代で実際に使用された車両ではなく、1984年の北米仕様「A1」をベースに、36年の歳月をリアルに感じさせるエイジング処理やカスタマイズを施したもの。初代の劇中車は1985年型がベースとされるが、黒×赤のカラーリングは純正ではなく、GPz750Rの外装を使用したオリジナルペイント説が濃厚だ。
一大ブームが巻き起こった1986年 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年に公[…]
ZX-4Rベースの400cc直4ネイキッド「Z400RS(仮称)」登場か
カワサキが2025年に、400ccクラスの直列4気筒ヘリテイジネイキッドモデルを投入する可能性を調査。このモデルは、高性能なZX-4Rをベースに開発が進められているとみられており、仮称として「Z400RS」とした。
人気のZ-RSシリーズの第三弾となる可能性があり、デザインはZ900RSやZ650RSに続くZ1/2スタイルを有力視。ベースはZX-4Rと見られ、77psを発揮する強力なエンジンを持ち、Z400RSでもその高性能が期待されるが、スタイルに合わせてマフラー形状などが変更される可能性もある。
カワサキは複数グレード展開の実績があるため、上級仕様のZX-4RRに準じたサスペンションを備える上級版「SE」の設定もあるか。ただし、車名については商標の問題などから「Z400RS」以外の名前になる可能性もある、「FX」や「ゼファー」といった往年の名車の復活に期待がかかる。
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
1位:CB400FOURは前期型→後期I型/II型でなにがちがう? 1974年に初登場したホンダCB400フォアは、初代とそれ以降でなにが違うのかを紹介した。ご存じ初代モデルは全車408ccのために発[…]
『エンジンの振動・騒音低減技術 二輪・四輪・汎用』(グランプリ出版) 内燃機関を搭載するモビリティで、快適性や信頼性に大きな影響を与えるのが振動と騒音。その対策技術を二輪/四輪、そして汎用分野に至るま[…]
「KB4RC」「KB998 Rimini」の2機種を展示(予定) 株式会社カワサキモータースジャパンは、イタリアの⾼級ハンドメイドモーターサイクルブランド ・bimota(ビモータ)の⽇本総輸⼊元とし[…]
スズキは、5月から7月にかけて横浜・名古屋・オンラインで開催される「人とくるまのテクノロジー展 2025」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展する概要を発表した。 今回のスズキブースでは、2025[…]
ヤマハ発動機は、5月21日(水)~23日(金)にパシフィコ横浜で開催される国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)に出展し、同[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
ライトウェイト&ハイパワーな400が装いを新たにした 2022年モデルの発売は、2021年9月10日(一部カラーは10月15日)。並列2気筒エンジンを採用し、ニンジャ250とほぼ共通の167kgの軽量[…]
スリップオンながら純正マフラーから2馬力UP! 本製品は、トリックスターがこれまでレースで培ったすべてを集約し具現化したブランド最高性能サイレンサー「IKAZUCHI」を採用。オールチタンにて構成する[…]
カワサキW800(2022) 試乗レビュー カワサキW800(2022) 概要 ■全長2190 全高1075 軸距1465 シート高790(各mm) 車重226kg ■水冷4スト2気筒SOHC4バルブ[…]
カワサキZ1の次は2st.750スクエア4だったが頓挫 1969年に2ストローク3気筒500ccのマッハIIIで、とてつもないジャジャ馬ぶりの高性能で世界を驚かせたカワサキ。 そして1971年には同じ[…]
“グリーン”と“無事かえる”で繋がる両者の魅力 「かえるのピクルス」は、ナカジマコーポレーションが生み出したオリジナルキャラクターで、1994年の誕生以来、その愛らしい姿と「always smile」[…]
人気記事ランキング(全体)
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
その姿、まるでGB400TT MkIIの正統後継者! 欧州ホンダは、2025年も例年通りカスタムコンテスを開催。これは正規ディーラーがホンダ車をベースにカスタムを手がけ、オンライン投票で最優秀マシンを[…]
圧倒的に軽いCB1000Fコンセプト。足着き性も良好だ CB1000FコンセプトをCB1300スーパーフォアと比較すると、前者の方がコンパクトで引き起こしも圧倒的にラク。ただ跨ってみると意外と大柄な印[…]
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定 ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインド[…]
最新の投稿記事(全体)
1位:CB400FOURは前期型→後期I型/II型でなにがちがう? 1974年に初登場したホンダCB400フォアは、初代とそれ以降でなにが違うのかを紹介した。ご存じ初代モデルは全車408ccのために発[…]
“Neo Retro”ロードスポーツ:2016年モデル 発売は2016年4月15日。現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロ[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随所に取り入れ開発された。初[…]
歴史的な価値のあるパーツに使われることが多いマグリコート ホイールやエンジンカバー、といっても一般的な市販モデルではなく、アフターマーケットパーツやレース用のホイールやカバー類に使われることの多い、マ[…]
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
- 1
- 2