
S1000RRに対するM1000RRのポジション同様となる、S1000Rに対するM1000Rが登場。RRの210psエンジンを搭載した速く華麗な最強ネイキッドマシンをスペインでテスト。
●文:ヤングマシン編集部(鈴木大五郎) ●外部リンク:BMW
‘22 BMW M1000R【ネイキッド版Mモデルは寛容なスーパーバイク】
スポーツバイクを操る楽しさをあらためて感じさせてくれる機会となった、スペインにおけるM1000Rのテスト。コロナ禍もあって追い風ともなったバイク人気でもあるが、それはキャンプブーム等のアウトドア遊びの一環といった印象もあった。
別に走りの性能が中心でなくとも良い。僕自身も、加齢とともにのんびりと走ることの楽しさを味わっている。そんなバイクの素晴らしさも再確認した期間でもあった。
しかし、このM1000Rでスペインの空いているワインディングを走っているとき「やっぱりこれだよ!」と、冒頭の思いを強く感じたのである。
M1000RRに続き、BMWモトラッドで2機種目となるMモデル。S1000Rの上級仕様の位置付けであるが、リアルスーパーバイクのネイキッドバージョンといったポジショニングとなる。
だからといって、速いバイク=楽しい! となるほど単純ではない。スーパーバイクのベースマシン、S1000RRは210psの最高出力を誇る。そのエンジン(だけではなく車体もなのだが…)をそのまま使ったネイキッドマシンは、多くの人が想像するじゃじゃ馬的キャラクターとはなっておらず、ワイドなパワーバンドを有していた。
【BMW M1000R】全長2090 全幅812 全高未発表 軸距1457 シート高827(装備) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 210ps/13750rpm 11.53kg-m/11000rpm 最高速度300km/h未満 変速機6段 燃料タンク容量16.5L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:未発表 ●予想発売時期:’23年2月頃
‘22 BMW M1000R 試乗インプレッション
サスペンションはRRに比べてもしなやかで、路面のギャップをスムーズに通過していく。適度にコシがありつつも、乗り心地も犠牲にしていない。これはセミアクティブサスペンションの恩恵も大きいだろう。
アクティブサスは必要? とはよく議論されるテーマであるが、同じところを周回するのであればいざ知らず、絶えず状況が変化する一般道でのメリットは大きいと再認識させられた。
接地感に守られながら軽快にコーナーをクリアしていく。可変バルブタイミング機構、シフトカムが省かれ165psに抑えられたSに対し、210psを誇るMであるが、シフトカムの稼働する9000rpmまで回すことなどスペインの空いている道ですらそう頻繁にはない。日本国内であれば、その状況はほぼゼロといえるかもしれない。しかし、その領域で無機質にならないのがこのエンジンの魅力の一つである。
もちろん、状況が許せば恐ろしいほどまでの加速を味わうことが出来る。そして、そういった状況で本物のスーパーバイクをリアルに感じることが出来るのがこのMの魅力でもある。
特徴的なウイングレットはサーキットにおける200km/hオーバーの領域に限らず、100km/h程度から効いてくるとのこと。個人的には100km/hではあまり感じられなかったが、120km/hを超えると落ち着きを覚え、150km/hでは確実にフロントまわりの安定感に貢献していると感じられた。
欧州での人気に対し、我が国ではなかなか市民権を得られないカテゴリーかもしれないが、その走りは多くのライダーが好むであろうものとなっていた。
サーキットですら、多くのライダーにとってはRR以上にイージーに振り回せるマシンであると感じられたのである。
エンジンは設定も含めRRと完全同仕様。スプロケット変更によるファイナルの違いにより最高速は280km/h。
ホモロゲモデルであるM1000RRが機械式サスペンションなのに対し、こちらはザックス製セミアクティブ
メーターはRRと共通の6.5インチ液晶TFTディスプレイだが、表示内容はオリジナル。
専用のウィングレットは時速220km/hで11kgのダウンフォースを発生。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(BMWモトラッド)
Barcelona(バルセロナ)GTXジャケット 耐摩耗性に優れた表面素材と、GORE-TEX(R) Proによる高い防水透湿性を備えたジャケット。シンプルなデザインでふだん着の上に着用でき、雨の日の[…]
意外な従順さを見せるBMWのスーパーマシン サーキットでのパフォーマンスを第一に考えられたマシンではあるものの、意外と一般公道を転がすような速度域でも扱いにくさは感じない。 エンジン特性がしっかり調教[…]
Paceプロジャケット 豊富な安全装備と快適な着心地を高次元でバランスした、ワインディングやロングツーリングに最適なライディングジャケット。腕と肩のトリムには、スチールとプラスチックを組み合わせたコン[…]
朝6時台には伊豆に到着? バイクならではの伊豆巡りを 週末の伊豆半島といえば“渋滞”。そんなイメージだろう。実際、東名高速下り線は朝の6時台には渋滞が始まり、伊豆に入っても沼津市街/東伊豆/下田といっ[…]
チャンピオンマシンからダイレクトにフィードバック トプラック・ラズガットリオグルの手により2024年のスーパーバイク世界選手権でチャンピオンを獲得したマシン、それがBMWモトラッド「M1000RR」だ[…]
人気記事ランキング(全体)
オートマ・AMT&ベルトドライブ採用の250ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収めることでも知られる、中国・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが[…]
懐かしのスタイルに最新技術をフル投入! 2025年3月の東京モーターサイクルショーで詳細が発表されたヨシムラヘリテージパーツプロジェクト。対象機種は油冷GSX-R750とカワサキZ1となっており、GS[…]
K-2439 フルメッシュロングジャケット:スタイルと機能を両立するツーリングジャケット 腰までしっかりと覆う安心感のあるロング丈でありながら、後襟から袖口へ流れるように入ったラインデザインと、ウエス[…]
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
機能豊富なマルチパーパスフルフェイスのシールドを外した、さらに身軽なフォルム 『TOUR-CROSS V』は、アライヘルメットが’23年6月に発売したマルチパーパスヘルメットだ。高速走行時の空気抵抗を[…]
最新の記事
- 【酷暑に勝つ】尻・背中の蒸れ対策はこれ一択! 「蒸れんゾ・インテグラ―レ」で夏のツーリングが劇的に変わる
- 【動画】白バイ直伝! 究極の安全ライテク[令和ver.] #6:小回りできますか!?《Uターン特訓》
- 富士山麓の魅力溢れるリゾート地「山中湖」ツーリングをもっと楽しくする宿泊施設『BIKE GARAGE YAMANAKAKO』がオープン
- [バイク駐車場問題]千葉市の拡充取り組みを調査:125ccバイクを駐輪場へ積極的に受け入れていた
- 【1日で最大16万台を売る?! 】脅威のバイク巨大市場「インド」でホンダ 二輪車生産5億台記念式典に参加してきた
- 1
- 2