CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、それまでにない先進的なフォルムで当時のライダーを熱狂させたスズキ GSX1100S[Z]KATANAを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 デザイナーの名前を初めて覚えた【スズキ GSX1100S[Z]KATANA】
- 2 スズキ GSX1100S[Z]KATANA 兄弟モデル
- 3 スズキ GSX1100S[Z]KATANAの系譜
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デザイナーの名前を初めて覚えた【スズキ GSX1100S[Z]KATANA】
GS750-1000はひとまずの成功を収めたが、スズキはさらなる高出力化を求めて研究を開始。新4バルブユニットにはGSXの名が与えられ、独自の2過流燃焼室=TSCCが発明された。燃焼速度を高めることで高出力/低燃費化を実現、バルブ駆動にはロッカーアームを採用して整備性の向上も図られた。
排気量の拡大もあって従来の2バルブ式よりも大きく重いエンジンになったが、GSX1100Eの出力は105psを達成し、申し分ない出来映えとなった。
しかしそのスタイリングには疑問符が付いた。角型基調のフォルムは新しさを狙っていたものの「格好悪い」と言う意見が少なくなく、そこでスズキはスタイリングを外部デザイナーへ発注することを決定。BMWから独立して間もない、ドイツのターゲットデザインに白羽の矢が立てられたのである。
渉外を担当したのはハンス・ムート。彼は実際に日本刀や武士道をモチーフにしたデザインコンセプトを提案してもいたが、作業に当たったのは彼1人ではなく、無論チームワークによる成果である。
しかしムートの名ばかりがマスコミに報じられ、「カースタイリング」46号(’84年 三栄書房)で本人が語っているように、結果として彼はターゲットデザインを早々に辞してもいる。
カタナ誕生にはそんな裏話もあったが、世界中で熱狂的に迎えられ、休止期間はあったものの、20年の長きにわたり販売された。2輪史にその名を深く刻まれた名車であることは揺るぎない。
スズキ GSX1100S[Z]KATANA 兄弟モデル
’82 スズキ GSX1000SD【レース規定に合わせた1000ccカタナも登場】
欧米のレース規定に合わせ、’82年と’83年に998cc仕様も用意された。欧州向けはVMキャブ、北米向けは1100同様にBSキャブを採用。
スズキ GSX1100S[Z]KATANAの系譜
’83 スズキ GSX1100SD
’84 スズキ GSX1100SE
’87 スズキ GSX1100SAE
’87 スズキ GSX1100SBE
’90 スズキ GSX1100SL
’91 スズキ GSX1100SSL
’94 スズキ GSX1100SR
’00 スズキ GSX1100SY
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