いつかはやってくる時だった。そして2021年、その時を迎える。9度の世界チャンピオンに輝いた、現役にしてレジェンドと呼ばれるバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)が、MotoGPのレースから去る時が。
●文:ライドハイ(伊藤英里) ●写真:MICHELIN、MotoGP.com、ヤマハ発動機、伊藤英里
サーキットが、街が、黄色に染まる
そこは黄色一色に染まっていた。2019年、サンマリノGPの取材のために初めて訪れたイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ。取材の合間を縫ってサーキットを歩き回れば、バレンティーノ・ロッシのTシャツやグッズを身につけている人のなんと多いことだろう。コースを見下ろすことができる丘の上に立つ。見渡す限り、イエローで埋め尽くされていた。
ロッシは母国イタリアにおける英雄で、その人気はとてつもない。知識と情報をすり合わせても、なお、その光景は脳裏を打った。この目で見たサーキットを埋め尽くすイエローと、46のフラッグの数々は忘れられない。
ロッシの存在の大きさをさらに色濃く感じたのは、イタリアのタヴッリアだった。ご存知のとおり、ロッシが育った町だ。ファンクラブの拠点や、ロッシが所有するダートトラックコース、VR46モーター・ランチがある。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
乗りやすさが格段に進化した2020年のマシン 2020年シーズン、KTMは大きく躍進した。第4戦チェコGPでブラッド・ビンダーが初優勝を飾り、ポル・エスパルガロは3位を5度獲得。さらに、サテライトチー[…]
2020年は3度優勝! 2021年はKTM躍進と思いきや…… KTMの2021年シーズン序盤は、苦しい時間だった。第5戦フランスGPまでのリザルトを確認してみると、ほとんどが10位以下に沈んでおり、ブ[…]
2020年は未勝利、2021年はマルクの1勝のみ 今季、ホンダがここまでの苦戦を強いられている要因の一つに挙げられるのが、リヤグリップ問題である。シーズン序盤からホンダはリヤのグリップ不足に苦戦してき[…]
KTMの躍進にペドロサの貢献があったように…… ひとたびテストライダーに就任すれば、彼らはめったにメディアの前に姿を現さない。 MotoGPにシーズンを通して参戦するレギュラーライダーに比べれば、真正[…]
再びMotoGPで走ることは夢(my dream)だった マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のMotoGPカムバックは人間的だった。マルケスは決勝レースを7位でフィニッシュし、ピットに戻って[…]