
ホンダが苦戦を強いられている。2021年シーズン第9戦オランダGPまでを終えて、表彰台を獲得したのは第8戦ドイツGPでマルク・マルケスが優勝を挙げた1度のみ。コンストラクターズランキングは5番手、チームランキングでもレプソル・ホンダ・チームがランキング6番手、LCRホンダが7番手という厳しい状況だ。シーズン前半戦、ホンダが苦境に立たされた理由を探る。
2020年は未勝利、2021年はマルクの1勝のみ
今季、ホンダがここまでの苦戦を強いられている要因の一つに挙げられるのが、リヤグリップ問題である。シーズン序盤からホンダはリヤのグリップ不足に苦戦してきた。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はカタルーニャGPのレース後、「加速面で問題があることは事実だ。それは、僕たちがグリップを得られていないからなんだ。そして(コーナー)進入では、バイクを止めることができていない。これもまた、リヤグリップが不足しているからだ。異なる部分で、異なる2つの問題がある。けれど僕は、この2つの問題は、同じ道につながっていると思う。つまり、解決策は同じだと思うんだ」と述べた。
また、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)もドイツGPの木曜日の取材の中で、「全体として、僕たちはリヤグリップに不満を持っています。僕の問題ははっきりとリヤグリップの不足です。じっくり話をすれば、ライダーによって見解が異なるかもしれません。ただ、この問題を解決しなければならないことは確かです」と語っている。
こうした苦戦の状況を、ホンダはここまでシャシーの変更によって改善しようと試みているようだった。第4戦スペインGPでは、中上がリヤグリップの改善を目的に2021年型シャシーと2020年“最新進化版”シャシーの比較を実施。また、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)によれば、ドイツGPではマルク・マルケスが使用していたシャシーがエスパルガロとは異なるものだったということだ。
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