欧米の洗練されたスタイルとワークマンが培ってきた高機能の融合。これをコンセプトに’19年の春夏シーズンに誕生したフィールドコア「コーデュラユーロ」シリーズが、徐々にライダー向けへと舵を切り始めた。通気性の向上やプロテクター用ポケットの追加など盛りだくさんな機能を備える。本記事では’21春夏ラインナップから猛暑を乗り切る「デュアルジャケットNEO&パンツ」を紹介する。
【テスター:大屋雄一】テスター歴はおよそ四半世紀で、試したバイク用品は優に4ケタを超えるモーターサイクルジャーナリスト。好きが高じて19年にワークマンの公式アンバサダーに就任した。
フィールドコア コーデュラユーロ デュアルジャケットNEO:冷えすぎを心配!? フード追加でカジュアルに
前身頃に4つのポケットと着脱可能なスマホケース。ウエストの両サイドにはペットボトルホルダー。左上腕にはスマホも余裕で入るペンケース。背中にはA4サイズのノートが入るほどの大型ポケットがあり、ここを裏返すとジャケット全体が入ってしまうというポケッタブル仕様の「フィールドコア コーデュラユーロデュアルジャケット」。さらに左胸にはメガネなどを引っ掛けるのに便利なデイジーチェーンや、両袖をファスナーで取り外せばベストとしても着られるなど、とにかくギミック満載だ。そんなデュアルジャケットが、本体生地を一新して「NEO」へと進化した。
新たに採用された3Dオーロラメッシュは、従来のUVカット生地よりも肉厚でありながら、第三者検査機関によって20倍もの通気性が認められたという。その効果は絶大で、走行風が加速度的に抜けていく印象だ。気温が25℃を超える夏日でも、下に着ているのが吸汗速乾系のアンダー1枚だと肩付近が寒いと感じるレベルで、ここまで涼しいメッシュジャケットは記憶にない。しかも、肌触りが優しい上に汗ばんでいても脱ぎ着が容易なのだ。
このNEOでは、着脱可能な撥水フードと袖口のアジャスターが追加されたのもポイントだ。フードは昨今のライディングジャケットのアイコン的な装備であり、不要ならファスナーで簡単に取り外し可能だ。袖口のアジャスターはフィット感を調整するのに効果的で、先代のストレッチバイアステープに対し質感向上に貢献している。
これだけ進化していながら価格は据え置き。この涼しさ、お試しあれ。
こんな人におすすめ
・昨今の猛暑に懲りて、とにかく涼しさ最優先!
・袖が外せるなどギミックの多さに魅力を感じる
フィールドコア コーデュラユーロ デュアルパンツ:ライダーからの意見で更新。着実に進化する優良パンツ
’19年のデビュー以来、3本購入するほど気に入っているのがこの「デュアルパンツ」だ。最初のきっかけは、シュッとしたカーゴパンツが欲しいという単純なものだった。3900円はワークマンの春夏用ボトムスとしては最高額であり、実際に穿いてみるとサラリとした肌触りや適切な立体裁断による動きやすさ、洗濯後の乾きの早さなど、スペックに表れない性能に感心。1本目は不注意で破ってしまったのですぐさま2本目を購入。’20年は新色に惚れて3本目を手に入れたところ、裾幅を調整するボタンが追加されていたり、膝裏がメッシュになっているなど、地味ながらも進化を目の当たりにした。
さて、’21年のモデルをチェックしよう。カタログからは新色としてサンドベージュが追加されたことぐらいしか読み取れないが、実物をくまなく見てみると、パッドが収まる膝のポケットの奥にメッシュポケットが追加されているではないか。これは「市販のプロテクターを入れたい。でもポケットが大きいので位置がズレる」という多数のライダーの声を反映したものだ。
このデュアルパンツ、くつろぐ際にはハーフパンツにできるし、また膝がコーデュラで補強されているのでペグ打ちの際に気にせず地面に膝をつけられるなど、キャンプ向けのパンツとも言える。実際、’20年に赴いた北海道ツーリングは全日キャンプ泊だったのだが、このパンツの利便性に何度も感心した。
なお、ポケットは全部で8か所。価格は登場時から据え置きであり、この多機能ぶりは試してみる価値大だ。
こんな人におすすめ
・キャンプシーンでも使える多機能なボトムスが欲しい
・乗車時のプロテクション性能もおろそかにしたくない
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