
2026年1月30日の発売開始の時点で年間目標販売台数に対してその120%もの受注が販売店から入っているというGSX-8T&8TT。今回はビキニカウル付きのGSX-8TTをフリーランスライターの谷田貝 洋暁が試乗インプレッションを行ったぞ!
●試乗・文:谷田貝洋暁(ヤングマシン編集部) ●写真:関野温
GSX-8TT実走インプレッション
新登場のスズキ GSX-8TT&GSX-8T(以下:8TT&8T)は、ネイキッドモデルのGSX-8Sをベースに、流行のネオクラシックのデザイン要素を取り入れたロードスポーツモデル。……なのだが、2026年1月30日の同モデルの発売日当日に行われた発表説明会に参加して驚いた。
GSX-8TT 価格:138万6000円。写真のカラーリングはパールマットシャドーグリーン(QU5)。
というのも、8TT&8T両車ともベースモデルのSX-8Sと車体&エンジンといった基本構成を共用しているのはもちろんだが、サスペンションのセッティングはもちろん、ポジションのトライアングルやグリップ幅まで共通らしいのだ。
車体の基幹部をGSX-8Sと共用するGSX-8TT。
つまり中身はGSX-8Sと全く一緒というワケなのだが、実際に走らせてみると印象が全く違うのである。GSX-8Sはどちらかというと、クイックな車体レスポンスにスポーティなエンジンの組み合わせが何だかスポーティでヒラヒラとコーナリングを楽しむようなキャラクターだったのに対し、GSX-8TTはなんだか走りに落ち着きがある。
ネオレトロなスタイリングのせいか、不思議とリーンウイズでゆったり走りたくなるGSX-8TT。
誤解を恐れずに言えば、GSX-8Sがスポーツを楽しむようなマシンに仕上がっているのに対し、GSX-8TTはクルージングが似合うようなキャラクター。エンジンのピークパワーをはじめ、走行モードのキャラクター設定も一緒とのことだが何故だかGSX-8TTで走っていると“飛ばそう”という気にならないから不思議だ。
「A(アクティブ)」、「B(ベーシック)」、「C(コンフォート)」の走行モードも色々試してみたのだが、走っていると一番元気な出力特性の「A(アクティブ)」ではなく、「B(ベーシック)」、「C(コンフォート)」のモードを選んでのんびり走りたくなるようなところがある。
8TT&8Tの開発陣によれば、GSX-8Sとの明確な違いはシート形状と、ニーグリップを行うあたりの燃料タンクの幅くらいとのこと。特にタンクは、GSX-8Sがスリムでキュッと挟み込めるような形状なのに対し、8TT&8Tは明らかに幅がある。実際、燃料タンク容量も8TT&8Tの方が2L多い16L(正確には16.5L)を確保しているという。
シート形状とタンク幅でここまでバイクキャラクターが変わるとは驚きだが、もちろん8TTでもスポーティな走りは可能だ。腰を落として肩からコーナーに飛び込んでいくようなスポーティな走りもできるし、バーエンドミラーの効用、前方の視界にミラーがないことによる開放感も高く気持ちいいコーナリングが行える。
腰を落としてのスポーティなコーナリングも可能なGSX-8TT。
GSX-8TTは、“もうがむしゃらにスロットルを開けるのはもう飽きた。普段はのんびり走って、気分が乗ってやる気になったときにコーナリングを楽しむ…”そんなライダーにおすすめしたいバイクに仕上がっている。
GSX-8TTの足着き
GSX-8TTのシート高は810mm。ビキニカウルなしの8Tのシート高は815mmだが、その差はシートのタックロール加工の厚みで跨ってみると足着き性に関してはほぼ一緒。ちなみにポジションのシート、ステップ、ハンドル位置のトライアングルはGSX-8Sと全く一緒で、シート形状とタンク幅が違うだけ…のはずなのだが、GSX-8TTはバーエンドミラーのせいか、開放感がある。
足着き性に関しては両足で支えると踵が4cmほど浮く感じ。ただし両足とも母指球で支えられているので不安はない。
8TTはエンジン下部にアンダーカウルを装備。カラーはブラックで、写真のパールマットシャドーグリーン(QU5)とグラススパークルブラック(YVB)で共用。
GSX-8TTのディティール
8TTはビキニカウル左内側に5V/3A(15W)のUSB Type-Cソケットを装備。これだけの出力があれば、常時スマートフォンでナビを使用しても安心だろう。
時流の270度クランクレイアウトを採用する775ccパラレルツインエンジン。走行モードは「A(アクティブ)」、「B(ベーシック)」、「C(コンフォート)」の3種類で、これにトラクションコントロールの3種類+OFFの介入設定が組み合わせられる。
8TT(8Tも)はシートやステップポジション、ハンドル位置のポジショントライアングルがGSX-8Sと一緒なら、ハンドル幅もGSX-8Sも一緒とのこと。
電子制御スロットルシステムを搭載しており、UP/DOWN対応のクイックシフターも標準装備。機能をOFFにすることも可能だ。
5インチカラーTFTメーターは速度、タコといった基本情報の他、ギヤポジションや走行モード、トラクションコントロールシステムの状況なども表示。
サイドパネルの立体エンブレムは、ビリヤード競技の「8ボール」をイメージしたデザインを採用。
ヘアライン仕上げのステンレス材を採用したサイレンサーカバー。ネオレトロらしく金属の質感に拘った。
GSX-8S比+2lの16l(正確には16.5l)のボリュームを確保したタンク。後部の幅はGSX-8Sも幅広に設定。
レッドステッチ入りのシート。8Tとは表皮が異なり、タック&ロール風の8Tに対し8TTはスポーティなデザインを採用。
タンデムシート下にはETC車載器を搭載するためのスペースを確保。オプションにはETC車載器の他、グリップヒーターなども用意されている。
フラッグシップモデル・隼に続きリチウムイオンバッテリーを採用。エリーパワーと共同開発したこのリチウムイオンバッテリー(HY93SS)は、BMSのヒューズをオーナー自身で交換できるようになっており、誤ってショートさせた時などいちいち製造元に送る必要がなくなった。また残念ながらGSX-8Sとはバッテリー端子形状が違うとのことで、GSX-8Sへのリチウムイオンバッテリー(HY93SS)の換装搭載はボルトオンとはいかないとのことだ。
パールマットシャドーグリーンのカラーリングではゴールドホイールを採用(グラススパークルブラックはレッド)。スイングーム、スプロケットといった装備はGSX-8Sと共用。
KYB製のリヤショックはリンク式で7段階式のプリロード調整機構を装備。仕様はGSX-8Sと共通。
光源はヘッドライト、テールランプ、ウインカーからナンバー灯まで全てにLEDを採用。8TTのポジションライト(フロント側)は常時点灯式でポジションライトを兼ねる。
GSX-8TTのスタイリング
写真のカラーリングはパールマットシャドーグリーン(QU5)。
GSX-8TTとGSX-8Tの違いは、ビキニカウル、アンダーカウルといった外装パーツ及び、シートの表皮デザイン。
- 全長2115 × 全幅775 × 全高1105 × 軸距1465 シート高810[815](各mm)
- 車重203[201]kg(装備)
- 水冷4スト並列2気筒 DOHC4バルブ 775cc
- 80ps/8500rpm 7.7kg-m/6800rpm
- 変速機形式6段リターン
- 燃料タンク容量16l
- ブレーキ F=ダブルディスク R=ディスク
- タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17
- 価格:138万6000円[129万8000円] ※[ ]はGSX-8T
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