
各地のサーキットでサンデーレースが盛んだった’80年代後半から’00年前後にかけて、レース初心者からベテランまでこぞって参加していたのがシングルクラス。オーヴァーレーシングプロジェクツ主催のアストライド走行会においても、昔取った杵柄ライダー/初めてサーキット走行するライダーともに狙い目はシングルだ!!
●取材協力:モトジョイ オーヴァーレーシングプロジェクツ
グースが、グラストラッカーがサーキットを激走!
今から30年ほど前のこと、この原稿を担当している『モトメカニック』編集部・栗田が生まれて初めてエントリーしたサンデーレースは、ホンダCBX250SでエントリーしたNS(ノーマルシングル)2クラスだった。普段はGSX‐R1100に乗っていたので250の単コロぐらい…と甘くみていたが、ブレーキを我慢しながら入るコーナリングや、ヨーイドンで30台近くが1コーナーを目指して突っ込む緊張感は想像以上だった。
’20年11月のアストライド走行会に集まったスズキ グースのライダーは、大半がSNSを通じて知り合ったグースファンで、「親族のおさがりで…」とか「スタイルが気に入って…」などオーナーとなったきっかけはさまざま。このグループにオーヴァーレーシングプロジェクツ勤務の高田氏がいたことで、アストライドを会場としてオフ会が開催された次第。
ちなみに、グース繋がりで写真に入ってもらったゼッケン25のNさんは20年以上前に岡山国際サーキットでシングルレースにエントリーした経験があるが、その他のオーナーはおそらくグースより若手で、かつてのNS/MS2レースとは関係なくグースを楽しんでいる様子。
それとは別にグラストラッカーの仲間たちもいて、ピットはちょっとしたスズキ祭り。昔取った杵柄のライダーにとっては、サーキット復活にこのあたり、いかがでしょうか!?
グース250・N.Sさん:20年ぶりにレストアしたマシンでエントリー
20数年前の大学生時代、ツーリング用にグース350を購入したNさん。その前に所有していたGSX250Eカタナとはまったく異なるシングルのフィーリングに魅了されて近所の峠に通うようになり、その流れでサンデーレースのMS1クラスにエントリーすることに。レース自体は’01年を最後にやめたものの、250をベースにMS2レーサーを再び製作。次戦もエントリー予定とのこと。
Nさんにとって最後のレースとなった’01年のストリートカフェトロフィーでは、350の車体に250エンジンを搭載してMS2クラスにエントリー。当時から350と250を所有していたので、今回は250のレストアも兼ねてMS2仕様に仕上げた。アストライドでは「グラストラッカーがあんなに速いと思いませんでした」と驚いたそうだ。 [写真タップで拡大]
街乗りもサーキットもグースらしく楽しむ
ツイッターのコミュニティだけで30人はいるという仲間は20代前半だが、皆グースへの愛情は深い。アストライド参加を誘ったオーヴァーレーシングプロジェクツ・高田氏は、最初のバイクがおじさんからもらったグースだったことがきっかけとなり、部品取り車の1台をサーキット専用車に改造。モトジョイ佐藤会長も350でレーサー製作に着手し、今年はさらに盛り上がる予感。
グラストラッカー・A.Kさん:ビッグバイクとは違う難しさを実感
カワサキZ1を所有しレースや走行会に参加するA.Kさんがスズキ グラストラッカーを見たのは、スピードショップイトウ主催のデッドオアアライド。「たかが250だろ」とナメてかかっていたそうだが、いざ走らせると限られた250 のパワーを引き出す難しさに愕然。その後はモトジョイ米倉チーフの仕様に倣ってマシンを熟成させ、2台目も製作してアストライドにエントリー。Zと並行してこのクラスの虜になっているそうだ。
Aさんはこの鈴鹿ツインサーキットでZで転倒したのをきっかけに、たまたま知人が不動状態にしていたグラストラッカーでレーサー製作を開始。ちょっといじればそれなりに走れると思っていたが、キャブ/マフラー/サスペンションとモディファイを重ねて熟成。小ぶりなガソリンタンクはホンダCB50用で、シートカウルはTZ125 用をカットして装着。 [写真タップで拡大]
小排気量とナメてかかると痛い目に。250ccならではの深さに没頭
【Cクラス:米倉孝浩氏(グラストラッカー左)/Cクラス:清輔星司氏(ST250右)】米倉氏と清輔氏の2人はモトジョイのスタッフでライダーとしての腕も確か。AS250(空冷250ccシングル)クラスの盛り上げにも尽力している。 [写真タップで拡大]
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