カワサキ3輪でKSR復活を希望!

カワサキZ125プロベース・3輪バイク誕生の可能性やいかに!?【カスタムショーに謎の3輪車現る】


●文:ヤングマシン編集部 ●CG:白圡学

’20年10月に開催された、「神戸ニューオーダーチョッパーショー」に展示されていた謎の3輪バイク。前2輪構造やフレーム、エンジンから見るにカワサキ Z125をベースに作成されたと見ていいだろう。そこでヤングマシンでは謎の3輪バイクをベースにカワサキがKSRを復活させてくれるのではないかと期待。

謎の3輪車、状況証拠からしてカワサキ製で間違いなし!

ここで取り上げる謎の3輪バイク「NL‐TR1」は、’20年10月に開催された神戸ニューオーダーチョッパーショーに出展されていた車両。カスタムショーらしくストリート系の外観を持つが、最大の注目点は2本の倒立フォークを車体中央にぐっと寄せて構築されたフロントの2輪構造にある。

左右にリーンするのはヤマハ トリシティなどと同様だが、部品点数が少なく、構造はとてもシンプル。それでいて前2輪のトレッドは広く取られており、トライク型でも4輪免許で運転が可能になる460mm以上はあるように見える。フレーム自体はZ125を無加工で使っているようだ。

【FONK MOTORCYCLE NL-TR1 3WHEEL TRIKE】出展者は神戸のフォンクモーターサイクル。「NL-TR1」と名付けられたこの車両の外装類は、ヤマハSRやハーレーなどのカスタムに強い同社の技術が注がれたもの。エンジンはZ125で走行可能。この出展自体、カワサキの意向で名を秘して反響を探る市場調査の一環ではないかと思われる。

エンジンはZ125のものを使用。

ショーでは謎の存在だったが、この前2輪構造は川崎重工の「noslisu(ノスリス)」という電動の3輪自転車にも採用されており、’20年12月には特許も公開されていることが判明。以上の証拠から、上の3輪バイクはカワサキの試作車とみて間違いないだろう。

では、この3輪車の狙いは何だろうか? 部品点数が少ないから安く作れそうだし、展示車のように既存2輪のフレームにポン付けが可能。必要な免許は4輪だ。つまりは既存2輪をベースに、価格上昇を最低限に抑えた3輪バイクを作り、2輪よりはるかに裾野の広い4輪免許所持者に訴求する…というプロジェクトではないだろうか。

カワサキは今後、派生機種に力を入れる方針らしい。その流れに合致しつつ、4輪免許で乗れる125ccスリーホイールなんて飛び道具をひねり出すとは…。さすがはカワサキ、目の付けどころがひと味違う!

【Z125の倒立サスをそのまま活用】前2輪構造を支持しているのはヘッドパイプから伸びたリンク機構で、Z125を転用した2本の倒立フォークは緩衝のみを担う。しかし特許公報には、通常のバイクのフロントフォーク先端に前2輪システムをボルトオンしたような図版も存在。その日の気分で前2輪と1輪を使い分ける…なんてこともできる?

【特許も出願】上図はカワサキの特許公報図版。その狙いは「車両のリーン及び進行方向の変更を簡素な構造で実現する」とある。左右のホイールは横方向に走る上下2本のサスペンションアームで繋がっており、このサスアームの中心点を軸に左右輪がストロークする。つまり、右ホイールが上に動けばそのぶん左ホイールが下に動くという非独立懸架だ。システム全体の剛性やタイヤの接地性ではヤマハ方式に分がありそうだが、カワサキ方式はシンプルで重量的にもかなり軽そう。コストを抑え、幅広い普及を目指す意図が垣間見える。余談ながら、発明者のひとりにはニンジャH2の車体設計を担当したエンジニアが名を連ねていた。まさかのスーパーチャージャー3輪もある!?

【ヤマハの3輪とは違う方向性だ】ヤマハ3輪の方は、4本のフロントフォークを独自のパラレログラムリンクで支持する凝った構造により、高い走行性能と自然な操縦性を追求。立ち位置はあくまでも2輪で、訴求相手もライダーが中心だ。※写真はナイケンとトリシティ300

電動アシスト自転車|3輪|ノスリス
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【川重の社内公募で生まれた電動アシスト3輪・ノスリス】クルマ/バイク/自転車それぞれの不便を解決する次世代の3輪モビリティ。電動アシスト仕様にEV仕様も存在し、前2輪の間に荷物スペースも備える。川崎重工の社内公募で生まれたプロジェクトで、現在事業化を目指している。

末弟Zに7年目の刷新はあるか?!

カワサキネイキッドの末弟として’16年に登場。ベースは’08モデルでファイナルとなったKSR110で、横型シリンダーの空冷SOHC2バルブ単気筒を3mmのボアアップで111→124ccへ拡大、燃料供給もキャブからFIとし、始動方式もキックからセルへ。外観もKSRのオフロードテイストからストリートファイター系へと大幅にイメチェンを図っている。KSRは1人乗りだったが、Z125はタンデム可能なのもポイントだ。’20年10月に黒と青、2つの新色が登場したが、国内はこの’21がファイナルとなる模様。競合するホンダ・グロムはフルチェンジを敢行したが、カワサキはどう出る?

カワサキ Z125Z PRO|125cc|レジャーバイク

【’21 KAWASAKI Z125 PRO】■空冷4スト単気筒OHC2バルブ 124cc 9.7ps/8000rpm 0.98kg-m/6000rpm ■102kg シート高780mm 7.4L ●価格:35万2000円 [写真タップで拡大]

カワサキ Z125 PRO|125cc|レジャーバイク

【KSRからの空冷4速】4速は共通だが、自動遠心クラッチのKSRに対し、Z125はマニュアルクラッチの「PRO」も追加。日本仕様はPROのみ。 [写真タップで拡大]

せっかくなので本格KSR復活を希望!!→YM未来予想は「カワサキKSR125 TYPE-3W」

NL-TR1のPVでは、安定性を活かしてダートで遊ぶシーンも。オフで楽しい気軽なカワサキ…というわけで、妄想CGはKSRイメージで作成してみた。どお?

【KAWASAKI KSR125 TYPE-3W|IMAGE CG】●予想発売時期:調査中 ●予想価格帯:調査中 ※デビュー可能性:30%

“小さくて速い”KSRをもう一度

スーパーバイカーズスタイルをデフォルメしたスタイルで登場したKS-I/IIをベースに、水冷エンジンや倒立フォークを採用して’90年に登場。’03年には4スト化されてKSR110へと進化した。

カワサキ|KSR-1|KSR-2|レジャーバイク|原付二種|原付

【’87 KAWASAKI KS-I/II】空冷の2スト単気筒をユニトラックサスペンションの車体に搭載して’87年に登場。50ccの「KS-I」と80ccの「KS-II」があった。 [写真タップで拡大]

カワサキ|KSR-1|KSR-2|レジャーバイク|原付二種|原付

【’90 KAWASAKI KSR-I/II】エンジンを水冷化し、クラス初の倒立フォークなどを採用し’90年に登場。KS同様に50ccの「I」と80ccの「II」が存在。 [写真タップで拡大]


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