ミラノ開催のEICMA2019で発表されたVストローム1050/Vストローム1050XTは、往年のDR750Sを彷彿とさせる“怪鳥スタイル”の現代版ともいえるスポーツアドベンチャーツアラー。前作からはスタイリングだけでなく、エンジンのパワーアップや電子制御の充実など、多くの変更を受けている。
名車DRの直系DNAを注ぎ込まれたデザイン
2014年に国内発売されたVストローム1000は、長距離ツーリングだけでなく街乗りや高速道路、ワインディングロードまで爽快かつ快適な走りを楽しめるマシンだった。これを全面改良し、さらにスズキの伝説的なアドベンチャーモデルのデザインDNAを受け継いだのがVストローム1050/XTだ。
往年のファクトリーラリーレーサー・DR-Z(ディーアール・ジータ)や、ファラオの怪鳥と呼ばれたDRビッグを彷彿とさせるデザインは、当時のデザインを手がけた宮田一郎さんによるもの。四角いヘッドライトやスクエアなクチバシ(アッパーカウル兼泥除け)、さらにはチャンピオンイエローNo.2やヘリテージスペシャルと名付けられたカラーリングに至るまで、’80年代テイストと現代らしさが見事に融合している。
1036ccのエンジンは、従来の100psから6psアップの106psへと出力を向上しつつ、ユーロ5排出ガス規制に対応。電子制御は標準仕様とXTで一部異なるものの、トラクションコントロールシステムやSDMS(スズキドライブモードセレクター=いわゆるパワーモード切替)などは共通だ。
キャストホイールのSTDとスポークホイールのXTというのが見た目上の違いとなるが、1000→1050となってXTは明確に上級モデルの立ち位置に。XTはSTDにないボッシュ製6軸IMUを備え、さらに専用装備として約50~160km/hに設定可能(欧州使用)なクルーズコントロール、坂道発進をアシストするヒルホールドコントロール、下り坂でのジャックナイフを未然に防ぐスロープディペンデントコントロール、負荷条件が変わっても最適なブレーキングをアシストするロードディペンデントコントロールを搭載している。
また、風洞実験によって決定されたスクリーン形状は同一ながら、スタンダードは工具を用いて3段階に、XTはさらにプラス50mm広い範囲かつ工具不要で11段階に高さを調整できる機能を付加。ハンドルバーにはナックルガードも装備している。また、エンジンアンダーガードやセンタースタンド、LEDウインカーといったものもXT専用装だ。
気になる価格は、Vストローム1050=143万円/Vストローム1050XT=151万8000円。2020年4月24日より発売中。
SUZUKI V-STROM 1050/V-STROM 1050XT[2020]
主要諸元■全長2265 全幅870[940] 全高1515[1465] 軸距1555 シート高855[850](各mm) 車重236kg[247kg]■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 1036cc 106ps/8500rpm 10.1kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L■タイヤサイズF=110/80R19 R=150/70R17 ●価格:STD=143万円/XT=151万8000円 ●色:STD=黒×灰、黒×白、黒[XT=黄、白×橙、黒] ●発売中 ※[ ]内はXT
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